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批評はなによりも、作品を楽しむためにあります。本書では、批評を「精読する」「分析する」「書く」の3つのステップに分けて、そのやり方を解説していきます。チョウのように軽いフットワークで作品を理解し、ハチのように鋭い視点で読み解く方法を身につけましょう。必要なのは、センスではなく調査力と注意深さ。そしていくつかのコツを飲み込めば、誰でも楽しく批評ができます。作品をより深く理解し、たくさんの人とシェアするための、批評の教室へようこそ。
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Posted by ブクログ
批評とはどのような行為かを知り、作品を分析的に見る方法を身につけ、実際に批評を書いて発表できるようやさしくガイドする入門書。 プロレベルの批評を書くには精読と参考資料集めが一番大変なはずだが、これはゼミなどで実践しないと身につかない。本書はそういうところをサラッと「大変ですよ」で流しているので(...続きを読む反復されるモチーフの書きだしなどヒントはだしているが)、本当の意味で実践的ではないのかもしれないが、とにかく「批評はこわくないよ」「作品を褒めようが貶そうが、あなたが楽しんでいればそれでいいんだよ」をくり返し伝えてくれる。どんなジャンルでも何かしら創作物を見聞きして感想を発信したり読んだりする人(つまりオタクのほとんど)は一読して損はない親切な一冊だ。 特に重要だと思ったのは、自分のなかに確実に存在するバイアスに気づき、意識することが大事だというくだり。著者はハッキリと「性欲」がバイアスを生むとしている。 これは性的指向とは別で、オタクが「性癖」と言い換えて自らの趣味嗜好を押しだした感想を出力するときにやっていることだと思う。好みが明確ならそれをオープンにして書くことも個性になりうるが、自覚せずあたかも中立的な意見のように言ってしまうと批評としてはアウトなのだ。 バイアスがあることではなく、バイアスがないかのように振舞うことが罪。これは差別的なことを書いていないか意識するためにも必須の視点だ。こういうふうに、批評の技術やテクニックよりも心得を丁寧に教えてくれるのが本書のよさである。 Web上に感想があふれる飽和時代、「批評」という言葉にはいつのまにかネガティブなイメージもついている。批判や非難と区別がついてない人もいるのだろう。しかし当たり前だが、オタクだからってポジティブな感想だけを拡散して作品の評判に貢献する広告塔にならなきゃいけないわけじゃない。いろんな角度から「ストーカー的に」作品をしゃぶりつくし、読み解いてくっちゃべること自体に楽しみがあるのだから大いに楽しもうじゃないか、とオタクたちを鼓舞する本書の姿勢に私も賛成である。
本でも映画でも、ここでのちょっとした”評”を書くような時にでも役に立つ、作品・あるいは人のコメントなどについてちゃんと受け取る時の作法全般に役に立つと思う。自分の最初の反応も大事だけど、それを掘り進めることで新たに見えてくるものがある。自分の中の"偏り"に自覚的になることは大事。
ただ漠然と楽しむ楽しみ方もあるし、こうやって意識的に楽しむ方法もある。批評的に楽しむ面白さを、まったく肩肘張らず、軽やかな語り口で教えていただきました。それをアウトプットできるかは置いておいて…。 自分の中で、本も、映画も、それから音楽も、いろんな角度からさらに楽しめるようになりそうだ、というわくわ...続きを読むく感。
よくここまで書き方を知ろうとせず書評を書いてきてしまったなと、厚かましいとも苦々しいとも思ってしまう。本書は2022年新書大賞で11位。 スカッと腑に落ちる経験をさせてくれる批評が好きで、自分でもそういう経験を人に提供できれば楽しいだろうと思っていたところ本書に出会い、本や映画の批評の方法を大いに...続きを読む学べた。私が書評を書く主な目的は、一つに書評の上達で、もう一つに知識の蓄積だ。著者の北村紗衣氏は、専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評で映画や小説の批評の指導もされている。 本書は、四つの章、①精読する、②分析する、③書く、④コミュニティをつくる(実践する)、から構成されている。批評の役割は、作品の解釈と価値づけで、さらにその批評を他人と楽しくシェアすること。 ①精読では、出てくる言葉の意味が全部わかっているのは最も基本的で、最も重要なこと。また読み終えた作品の数が増えると、自分独自の解釈を提示できるようになって、新しく読む作品が前より面白くなる。 ②分析では、面白いか面白くないかをその根拠とともに他の人と共有するのは、重要で楽しい価値づけのプロセスである。作品の受け手が作品を見てどういう経験をするかは極めて重要であり、少なくとも自分が批評をする時はその話をしなければいけない。作品のコンセプトがどのくらい達成されているか、受け手がどういう経験をもらえるか、の2つのことは批評をする時には考えないといけないこと。とりあえずはたくさんの作品に触れて、要素を抽出し、ネットワーキングできるところまで持っていかなければならない。 ③書く上では、まず作品情報で一段落、内容に関する説明で一段落。次に一つの切り口だけで書き、切り口に沿って要素を結びつけ、何を象徴しているのかとか、作中に出てきているこれはあれと類似するものと考えられるとか、そういうことを分析してまとめる。 「巨人の肩の上に立つ」はニュートンの言葉で、先行業績の積み重ねをふまえることで、ものがよく見え遠回りしないという意味。この表現を使って本書には「巨人の肩の上に立てる時は必ず立ちましょう。それにより、あなたにもアリストテレスを超えるチャンスが生まれるのです」。「巨人の肩になってくれるもののひとつが批評理論で、読み解きというゲームの勝ち方を探す戦略を決める理論」「クリエイターも批評家も、巨人の肩の上に立つ必要がある。」「既存の型を学び、たくさん練習、巨人の肩に乗れるくらいの訓練」と様々表現されている。このように、批評活動に含まれる、精読にも、分析にも、書いたり実践したりすることにも、全て巨人の肩の上に立つことが重要なのだ。現代自然と巨人の肩の上に立つような環境になっている状況は多いと思うけれども、巨人の肩の上に立つことにもっと意識的になってより遠くを見たい。
日本人総コメンテーター化しいる現代では、SNS で誰もが作品への批評を発信することができます。 しかし「良かった」「感動した」だけでは誰も振 り向いてくれないのは、このブログ読者ならばご 理解いただけると思います。 独自の視点でオリジナリティのある「刺さる」コ メントが必要とされるのです。 こ...続きを読むの本ではそんな手法を学ぶことができます。ま さにアウトプットを意識した、インプットのプロ セスを身に付けられる一冊です。
実は2回目。精読の段階で自分は甘かったのだと反省することが出来た。これからも論点設定に迷ったらここに戻りたいところだが、それに特化した本でもなさそうなので、書く直前までの手段を学ぶにはいいと思う。(私の言う「論点」とは、研究で先行研究と比較しながら言われてない点を攻めるもの。比較的、自由な批評ではな...続きを読むい。)
どんどん批評しよう、ちゃんと批評して文化を育てよう!ってすごくポジティヴで楽しい入門書でした。 フットボールでよく言われる「良いDFがいるところには良いストライカーが育つ」(例イタリア)みたいに、良い批評があるところに良い作家や作品が育つ…と言えるかな。単にVS関係だけではないし基本的に同じ競技の...続きを読むプレイヤーだと思う。
著者の『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を読み、批評とは「作品をもっと楽しむため」だと気付いてからは、読んだら感想メモを書くことを徹底したら、たしかに楽しさ倍増の実感あり。(わたし調べ) 本書はプロローグ 批評って何をするの?問いから始まり 第一章 精読する、第二章 分析する、第三章 書く、第四章 ...続きを読むコミュニティをつくる(実践) 具体的でわかりやすい批評の入門書。 巻末に「もっと学びたい人のための読書案内」有り。
批評というと身構えてしまうが、 自分の視点を持ちながら 深く作品を理解し、 その知見を人と共有する楽しみを 教えてくれる。 サブタイトルのモハメドアリの 言葉を始め、引用されるコトバの 数々がシェークスピアから ポップスの歌詞まで幅広くて楽しい。
テクストをどう精読し、分析し、批評を書くかの入門書。やさしい言葉で書かれていてとても分かりやすかった。専門的な批評理論の詳細までは踏み込まず、代わりに巻末にブックガイドが掲載されている。後半、著者とゼミ生それぞれが書いた2本の映画についての批評が載っており、それに対するコメントやディスカッション含め...続きを読むて興味深く読んだ。自分の書いたものについて忌憚なくやりとり出来るコミュニティは貴重だと思う。ゼミっていいなぁ。
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批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書く
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