【感想・ネタバレ】批評の教室 ──チョウのように読み、ハチのように書くのレビュー

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Posted by ブクログ 2024年03月24日

批評とはどのような行為かを知り、作品を分析的に見る方法を身につけ、実際に批評を書いて発表できるようやさしくガイドする入門書。


プロレベルの批評を書くには精読と参考資料集めが一番大変なはずだが、これはゼミなどで実践しないと身につかない。本書はそういうところをサラッと「大変ですよ」で流しているので(...続きを読む反復されるモチーフの書きだしなどヒントはだしているが)、本当の意味で実践的ではないのかもしれないが、とにかく「批評はこわくないよ」「作品を褒めようが貶そうが、あなたが楽しんでいればそれでいいんだよ」をくり返し伝えてくれる。どんなジャンルでも何かしら創作物を見聞きして感想を発信したり読んだりする人(つまりオタクのほとんど)は一読して損はない親切な一冊だ。
特に重要だと思ったのは、自分のなかに確実に存在するバイアスに気づき、意識することが大事だというくだり。著者はハッキリと「性欲」がバイアスを生むとしている。
これは性的指向とは別で、オタクが「性癖」と言い換えて自らの趣味嗜好を押しだした感想を出力するときにやっていることだと思う。好みが明確ならそれをオープンにして書くことも個性になりうるが、自覚せずあたかも中立的な意見のように言ってしまうと批評としてはアウトなのだ。
バイアスがあることではなく、バイアスがないかのように振舞うことが罪。これは差別的なことを書いていないか意識するためにも必須の視点だ。こういうふうに、批評の技術やテクニックよりも心得を丁寧に教えてくれるのが本書のよさである。
Web上に感想があふれる飽和時代、「批評」という言葉にはいつのまにかネガティブなイメージもついている。批判や非難と区別がついてない人もいるのだろう。しかし当たり前だが、オタクだからってポジティブな感想だけを拡散して作品の評判に貢献する広告塔にならなきゃいけないわけじゃない。いろんな角度から「ストーカー的に」作品をしゃぶりつくし、読み解いてくっちゃべること自体に楽しみがあるのだから大いに楽しもうじゃないか、とオタクたちを鼓舞する本書の姿勢に私も賛成である。

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Posted by ブクログ 2024年02月08日

本でも映画でも、ここでのちょっとした”評”を書くような時にでも役に立つ、作品・あるいは人のコメントなどについてちゃんと受け取る時の作法全般に役に立つと思う。自分の最初の反応も大事だけど、それを掘り進めることで新たに見えてくるものがある。自分の中の"偏り"に自覚的になることは大事。

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Posted by ブクログ 2023年06月29日

ただ漠然と楽しむ楽しみ方もあるし、こうやって意識的に楽しむ方法もある。批評的に楽しむ面白さを、まったく肩肘張らず、軽やかな語り口で教えていただきました。それをアウトプットできるかは置いておいて…。
自分の中で、本も、映画も、それから音楽も、いろんな角度からさらに楽しめるようになりそうだ、というわくわ...続きを読むく感。

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Posted by ブクログ 2023年02月05日

よくここまで書き方を知ろうとせず書評を書いてきてしまったなと、厚かましいとも苦々しいとも思ってしまう。本書は2022年新書大賞で11位。

スカッと腑に落ちる経験をさせてくれる批評が好きで、自分でもそういう経験を人に提供できれば楽しいだろうと思っていたところ本書に出会い、本や映画の批評の方法を大いに...続きを読む学べた。私が書評を書く主な目的は、一つに書評の上達で、もう一つに知識の蓄積だ。著者の北村紗衣氏は、専門はシェイクスピア、舞台芸術史、フェミニスト批評で映画や小説の批評の指導もされている。

本書は、四つの章、①精読する、②分析する、③書く、④コミュニティをつくる(実践する)、から構成されている。批評の役割は、作品の解釈と価値づけで、さらにその批評を他人と楽しくシェアすること。

①精読では、出てくる言葉の意味が全部わかっているのは最も基本的で、最も重要なこと。また読み終えた作品の数が増えると、自分独自の解釈を提示できるようになって、新しく読む作品が前より面白くなる。

②分析では、面白いか面白くないかをその根拠とともに他の人と共有するのは、重要で楽しい価値づけのプロセスである。作品の受け手が作品を見てどういう経験をするかは極めて重要であり、少なくとも自分が批評をする時はその話をしなければいけない。作品のコンセプトがどのくらい達成されているか、受け手がどういう経験をもらえるか、の2つのことは批評をする時には考えないといけないこと。とりあえずはたくさんの作品に触れて、要素を抽出し、ネットワーキングできるところまで持っていかなければならない。

③書く上では、まず作品情報で一段落、内容に関する説明で一段落。次に一つの切り口だけで書き、切り口に沿って要素を結びつけ、何を象徴しているのかとか、作中に出てきているこれはあれと類似するものと考えられるとか、そういうことを分析してまとめる。

「巨人の肩の上に立つ」はニュートンの言葉で、先行業績の積み重ねをふまえることで、ものがよく見え遠回りしないという意味。この表現を使って本書には「巨人の肩の上に立てる時は必ず立ちましょう。それにより、あなたにもアリストテレスを超えるチャンスが生まれるのです」。「巨人の肩になってくれるもののひとつが批評理論で、読み解きというゲームの勝ち方を探す戦略を決める理論」「クリエイターも批評家も、巨人の肩の上に立つ必要がある。」「既存の型を学び、たくさん練習、巨人の肩に乗れるくらいの訓練」と様々表現されている。このように、批評活動に含まれる、精読にも、分析にも、書いたり実践したりすることにも、全て巨人の肩の上に立つことが重要なのだ。現代自然と巨人の肩の上に立つような環境になっている状況は多いと思うけれども、巨人の肩の上に立つことにもっと意識的になってより遠くを見たい。

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Posted by ブクログ 2022年11月17日

日本人総コメンテーター化しいる現代では、SNS
で誰もが作品への批評を発信することができます。

しかし「良かった」「感動した」だけでは誰も振
り向いてくれないのは、このブログ読者ならばご
理解いただけると思います。

独自の視点でオリジナリティのある「刺さる」コ
メントが必要とされるのです。

...続きを読むの本ではそんな手法を学ぶことができます。ま
さにアウトプットを意識した、インプットのプロ
セスを身に付けられる一冊です。

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Posted by ブクログ 2022年09月21日

実は2回目。精読の段階で自分は甘かったのだと反省することが出来た。これからも論点設定に迷ったらここに戻りたいところだが、それに特化した本でもなさそうなので、書く直前までの手段を学ぶにはいいと思う。(私の言う「論点」とは、研究で先行研究と比較しながら言われてない点を攻めるもの。比較的、自由な批評ではな...続きを読むい。)

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Posted by ブクログ 2022年05月27日

どんどん批評しよう、ちゃんと批評して文化を育てよう!ってすごくポジティヴで楽しい入門書でした。

フットボールでよく言われる「良いDFがいるところには良いストライカーが育つ」(例イタリア)みたいに、良い批評があるところに良い作家や作品が育つ…と言えるかな。単にVS関係だけではないし基本的に同じ競技の...続きを読むプレイヤーだと思う。

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Posted by ブクログ 2022年05月08日

著者の『お砂糖とスパイスと爆発的な何か』を読み、批評とは「作品をもっと楽しむため」だと気付いてからは、読んだら感想メモを書くことを徹底したら、たしかに楽しさ倍増の実感あり。(わたし調べ)
本書はプロローグ
批評って何をするの?問いから始まり
第一章 精読する、第二章 分析する、第三章 書く、第四章 ...続きを読むコミュニティをつくる(実践)
具体的でわかりやすい批評の入門書。
巻末に「もっと学びたい人のための読書案内」有り。

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Posted by ブクログ 2022年04月30日

批評というと身構えてしまうが、
自分の視点を持ちながら
深く作品を理解し、
その知見を人と共有する楽しみを
教えてくれる。
サブタイトルのモハメドアリの
言葉を始め、引用されるコトバの
数々がシェークスピアから
ポップスの歌詞まで幅広くて楽しい。

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Posted by ブクログ 2022年03月02日

14:03、兄の家で読み終えた。精読の方法や批評理論など知識としては知っている内容が多かったが、批評を書いてみようという気になる燃料としていい本だった。

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Posted by ブクログ 2022年02月11日

批評の入門書として、そして作品を楽しむために、すごくわかりやすく丁寧に、しかも書き方まで示されており、批評を書いてみたくなりました。

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Posted by ブクログ 2022年01月22日

面白かった〜一気に読んでしまった。
私は割と何見ても好意的に書いてしまう癖があるけれども面白くなかったらなぜ面白くなかったかを分析することでその作品を楽しめたりするというくだりや「批評はコミュニケーション」という言葉に勇気付けられる。
何か書いてみたくなる一冊でした。

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Posted by ブクログ 2022年01月16日

今後のレビューとか(趣味の)創作とかの参考に出来そうかな?と思って購入。
まずはサラッと一通り読んでみました。
著者の実際の批評も併せて説明されていて参考になります。
次は辞書を片手に精読して、スキルを覚えたいところ。
今回? なるほどと思ったけどスキルは身についてないですね。このグダグダレビューの...続きを読む通り…

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年05月01日

批評をしたいというわけではないが、ただ面白いというところから一歩進んで、どんなところに着目すればより作品を楽しめるか、というヒントを求めて読みました。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年11月27日

「批評」という言葉を聞いて、なにそれ最高!という印象を持つ人は少ないと思う。
どちらかと言えばなんか映画や文学作品にあれこれと口を出す人、偉そうにジャッジする人というイメージを持つ人が多いのではないかと思う。
「批評」とは本来どういうものか、何のためにあるのか。それらを説明してくれる本だった。

1...続きを読む冊を通して批評に必要なことやしてはならないことなどを丁寧に説明してくれているけど、著者の北村紗衣先生の言葉のチョイスがおもしろくて楽しく読めた。
こういう新書系って当然と言えば当然なのだけど、小説と違ってエモさはあまりない。
人間の感情の揺らぎとかって書かれないし。いや書いてあったらそれはそれでまずいんだろうけど。
説明を読む感じで活字欲は満たされるけど、あまりおもしろいとかは思えない。
でもこの本は北村先生の言葉がおもしろくて、今までの新書系とは違った読書体験ができた。
一番おもしろかったのは第一章に書かれている精読のためにすべきではないことのところだ。
前提として北村先生は批評のためには精読が必要だと説いてくれている。精読とは以下のように本書で定義づけられている。

【こういう、対象をものすごくじっくり細かいところにまで気を配って読むやり方を「精読(クロース・リーディング)」と呼び、あらゆる批評の基本とされています。】『批評の教室』p21

そしてこれ以降の箇所で精読のためにすべきこと、すべきではないことを書いてくれていますがそのなかの精読のためにすべきではないことに書いてあるひとつが「ええ!?」と声を出してしまいそうなほど、なかなか見ない一文でした。

【とりあえず作者には死んでもらおう】『批評の教室』p59

これは精読をする際に作者は何を伝えたかったのかを考える人たちがいるが、そもそも古い作品は作者が不明だったり手を加えられていることもある。
また批評の対象は詩や小説だけではなく劇や映画などもあるが、そういった場合は監督や演出家、脚本家などのスタッフと意見を合わせて作っていくものでもあるし、詩や小説だって商業的な作品は出版者の編集者などが必ずあいだに入る。
「作者」という言葉のイメージから、孤独な天才という像と結び付けられがちだが、作品が世に出るまで複数名が関わっていることが多く、作者が何を伝えたいのかというテーマ設定は適切ではないとのことだ。
『とりあえず作者には死んでもらおう』という文字の並びを読んで、どういうこと!?と思ったけれど、こう書かれているとそれはそうだな…と納得してしまう。
たぶんこれは国語で再三「作者の気持ちを考えましょう」的な指導を受けるからだと思う。
あなたはどう考えた?みたいな問いかけをされることってあんまりないよなー。それこそ大学ぐらいまで。
何となく受けが良い答えというか暗黙の了解的なものがあって、こんな感じの答えなら教師からいい評価がもらえるみたいなのって薄っすらあるよねえ。読書感想文とか。
まあ読書感想文は感想文だから批評は違うのだろうけど。
でもアニメや漫画や小説でも、何かを解釈するときに自分の解釈が合ってるかどうかを気にする人って本当に多いなとSNSを見ていて思う。あと二次創作。
二次創作でもって自分の解釈が正しいということを評価という数字で欲しがる。自分の解釈って自分だけのものなのにね。
また精読のためにすべきことではこんなことが書かれている。

【自分に邪な性欲があることを自覚しよう】『批評の教室』p43

これ、けっこうぎょっとしませんか?
でもこれも読んでみると納得する。これは自分の性的な趣味や嗜好を理解することが、いわゆるバイアスに関わってくるということ。
バイアスがあると何でもそうだけど冷静さが失われる。バイアスによって評価が高くなったり低くなったりする。批評に不要に影響を与えることになる。
しかし北村先生によるとこれも自分の性的な好みなどを把握し、自覚しておくことで批評に有利に使うこともできると書いてる。
好きな俳優さんが出てるからよかったとか、めちゃくちゃあるあるですよね。

この本は批評を実際にするかどうかに限らず、あふれるコンテンツをしっかりと噛み砕き、自分のなかに還元するための助けになる。
だから読書や観劇や鑑賞の体験をもっと深くしたいと思う人にはとても有用なんじゃないかなと思います。いつもただ読んだだけ、観ただけになっていて自分のものになっている気がしない…という方はぜひに。

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Posted by ブクログ 2022年08月08日

批評することをかなりラフで分かりやすい文章で書いてくれている正に入門書。
それでいてバランス感覚もあり陥りがちな罠にも注意してくれるところが良い。

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Posted by ブクログ 2022年05月21日

前半部分、精読や分析などの項目は興味深く読めた。後半の実践部分はやや薄く、精読する必要をあまり感じなかった。対象作品として小説よりも映画・音楽のほうに比重がかかっており、理論などについても網羅的ではないため、通読する教養書である。本格的に学ぶには、参考文献を辿ってさらに勉強する必要がある。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年04月17日

批評・レビューの書き方について解説、批評入門書。
この著者の考え方とかは結構好きなんだが、映画や小説、音楽の作品の好みが全く合わず、本作に登場する作品の中で私が実際に見たり読んだりしたことがあるのは、『華麗なるギャッツビー』だけであった……。

非常に興味深かったのは、「作者の考え」「作者が伝えたい...続きを読むこと」は批評の対象から外す、ということ。

「やたらと作者が何を伝えたかったのかを問おうとする学生がけっこういます。作者が作品をコントロールしているという幻想は広く存在しているのですが、冷静に考えるとそうではないことがわかります。」(P.59)

これは、特に中学までの国語のテストで、「この作品で作者は何を伝えたかったのか、以下の選択肢から選べ」「この作品で作者が伝えたいことが書かれている一文を抜き出して書け」みたいな問題が多いためだと思う。
日本の国語教育の根本を否定しているwと思って笑ってしまう一方で目から鱗であった。

野坂昭如が娘から『火垂るの墓』を書いた時の気持ちを聞かれて、娘が国語のテストでその通り書いたら×をもらった、という逸話もあるし……(野坂氏の娘によると事実無根らしいが)。

確かに本書にある通り、作者自身も当時の社会情勢や周りの家族・友人の言動から影響を受けるし、編集者の助言もあるし、脚本ならキャストの意見も反映されたりする。
古典文学の場合、作者が複数人の共作であることが後世になって判明することもある。

冷静に考えれば「作者が伝えたいこと」を問うのは愚問である。

終盤にある、著者と著者の教え子が同じ作品をそれぞれ批評し、それについて対談するというのも面白かった。
同じ作品でもここまで着眼点が違うものなのか。

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Posted by ブクログ 2022年03月30日

今をときめく北村紗衣氏の批評入門
精読する、分析する、書く、コミニュティをつくる、と段階的に批評の入口から実践まで学ぶことができる
語り口もやさしく、また引用も音楽や映画を多用しており、具体的かつ身近に考えながら読み進めることができた
最後の飯島氏と同じ作品の批評をお互いにコメントし振り返るところも...続きを読むとても参考になった
高校生・大学生のうちに読んで実際に論じてみるととても素晴らしいと思う

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Posted by ブクログ 2022年02月20日

映画や小説などの批評方法についての解説本。

・説得力を持たせる批評のためには、いらないことを削ぎ落として捨てる勇気が必要。切り込むのは一箇所だけ

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Posted by ブクログ 2022年02月05日

「ストーキングが許される場所はテクストだけ」このはじまりにやられた。「作者には死んでもらおう」これもびっくり。「作者」を孤独な天才のような形でまつりあげてしまわぬように。「作品が何を表現しているのか」という問いを立てる。図表にする、時系列をまとめる。などの実践的アドバイスもいいけれど、「白いウサギを...続きを読む追え」「暗い嵐の夜だった」など、英文学あるあるが入った小見出しが良い。

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Posted by ブクログ 2022年01月23日

批評を意識して、映画や本や音楽等の作品を味わうことは、自分の感動体験と意見を客観的に捉え直す。つまり作品を通して自分を知ることにも繋がる。作品自体に不満を感じても、その不満の理由を面白くかけていれば批評としては良い批評ということになる。
批評の目を持てば、つまらない映画を観ても時間を損した、ことには...続きを読むならないのだ。

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購入済み

すらすらと

2021年10月06日

知ってる映画や本などの例も多く挙がってきて、とても読みやすかったです。構成も批評の準備段階そのやり方、そして、書くところまでのサポートがあるのは素敵に感じました。批評の入門として読みましたが、やってみよう、と思わせてくれる本でし。

#タメになる

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Posted by ブクログ 2024年04月01日

批評の書き方について大学の授業を受けているような本。
勉強になった。大学生にはいい本だと思う。ブログなどでも応用できると思うがもっと気楽に書きたい気もする。

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Posted by ブクログ 2023年09月24日

 読み始めた当初はものすごく良い本かと思って読んでいたが、徐々に読む速度が落ち、ごく普通の本だという結論に落ち着いた。
第一章 精読する
第二章 分析する
までくらいは結構参考になった。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2023年04月03日

なぜこの本を読み始めたのかは忘れた。
映画や小説など人の作品を「批評する」ことは自分にはあまり興味のないことと思って読み進めていったが、批評という一つの文学(?)のジャンルについて分かりやすく説明されていた。
最後の著者と教え子による2本の映画の実践批評の比較はおもしろかった。

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Posted by ブクログ 2023年01月08日

批評に関する入門書として面白かった。これまで批評というものを真剣に考えたことがなかったが、本書を読むことで批評家と呼ばれるような人たちが少しだけ身近になった気がする。

同時に、自分自身も自分の好きな作品について、しっかりと読み込んで批評なるものを書いてみたいと思うようになった。しかし、それはそれで...続きを読む、かなりの労力が必要になろうであることが本書を読んでよくわかった。
繰り返し読むことで本書の内容に対する理解を深めていきたいと思った。

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Posted by ブクログ 2022年11月24日

精読する

バイアス色眼鏡が入ってしまうことを認識して、注意深く事細かに見落としないように、観察し調べ上げる。当たり前といえば当たり前だが、あらためて突き付けられるとハットする。
小説に全く興味のない屑鉄汚ではあるが、絵画や映画や音楽や演劇などの鑑賞は好きなので、作者を「殺し」語り部の「ウソ」と「ヒ...続きを読むント」を見抜く、というあたりはなかなか納得がいく。
正しい解釈は存在しないが、間違った解釈は存在する。
なるほどね。

分析する

伝記的批評ー古典的
ニュークリティシズムー現代的批評

ポストコロニアル批評(西洋帝国主義)
フェミニスト批評(性差別)
クィア批評(性的逸脱)
→社会が決めた条件付けに敏感な批評

要するに、いかなる視点で精読するか
その次に抽象化
数学の解析学のような微分積分

書く

書く、とは相手に読んでもらうために、書く、のであって、必然的にいろいろ注意点がある。
まあ、書くことで自分の思考を客観的に見つめるキッカケとなる。そのためにこのアプリを屑鉄汚も使い始めた。

コミュニティをつくる

表現すればみる人がいて、人は表現物を見れば何かしらの感想を放つ。ブラッシュアップの一番いい機会だ。

全体こんな感じだが、今の日本人、日本の教育にはハードルが高すぎる。
表現できない、周りを忖度して萎縮する、子供が多い。
批判を恐れて自分の意見を出すことができない。
いや、もっと言うと、批判批評を受け入れる方法を知らない。
批判批評は死後に対する否定、人格否定と考えているから子供たちは表現しない。
出る杭は打たれる日本文化が骨身に染み付いた島国根性の成れの果てと言っておきたい。まぁ、家庭の問題も大きいとは思うが。
丸ペケ100点は子供を馬鹿にしてしまう仕組みなのだ。



 

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Posted by ブクログ 2022年05月15日

レビューを自分の視点で魅力的に描けるようになりたいと思って読んだ。新書はやっぱり難しいけど、精読、分析、書くのステップが分かった。同時にまずは型にはまってみること、わからない単語は調べながらよむこと、切り口を絞ること、などできるところから取り組んでいきたい。レビューをかくことに行き詰まったら教科書的...続きを読むに持ち出して読み直したい。

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Posted by ブクログ 2022年03月09日

批評の専門家である著者が批評を精読する、分析する、書くの3つのステップに分けて解説した一冊。

本書を読んで物語を整理すること、自分の主観を理解すること、疑いの目を持ってみることや時系列を整理することや図に書くなど抽象化してる類似している作品を探すことや映画のとある描写から展開を予想したりするなど批...続きを読む評を書くための作品に対する見方について学ぶことができました。
気になったところを深掘りしたり違う目線で見ることで新しい発見が生まれそれが作品の新しい解釈や批評につながることを読んでいて感じました。

そんな本書の中でも初心者が批評を書くときはメインの切り口を一つにすることや読んだ人が作品の様子をだいたい把握できるようにすることを心がけることなどは批評を良くするために簡単にできる心構えだと感じ、印象に残りました。
最後にある実践編も批評とそれに基づくディスカッションから修正がどのようにされるのか具体的に知ることができ興味深いものでした。
本書を通じてまずは作品で気になった部分を深掘りしてそこから生まれるさまざまな解釈を楽しみたいと感じた一冊でした。

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Posted by ブクログ 2022年01月22日

だれもが発信できる時代にフィットした、広く言えば文章術、読書術を開陳する本だ。

ネットの読書ブログは、感想文やメモの域を出ない文章にあふれている。でも、もう少しいい文章を書きたい。「漠然とした感想以上のもの」(p12)。それが批評だ。感想文を脱して、一定の商品、作品レベルに引き上げるための、必読の...続きを読むハウツーがあふれている。

それだけじゃない。本書の白眉は後半。「自分の分析を明確に文章にするような批評ができるようになると、作品を他の人と楽しくシェアできるようになります」(p11)。批評とは人と人とをつなぐ道を開く。コミュニティを創造する道具でもあるのだ。

より良く発信し、つながる。まさに現代にふさわしい批評入門である。ユーモラスな筆致も楽しい。特に蓮實重彦氏を巡る部分。

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