ウィシュマさんがなぜ亡くなったのか、どうして収容中も亡くなられた後も。こんなに非人道的な対応しか入管も政府(法務省?)もできないのか、入管の職員の人たちは、きっと日常は「ふつうの人」だろうに、どうして聞くだけでもあまりにも辛い、むごすぎる言動・行動をとってしまうのか、とれてしまうのだろうということが
...続きを読む、どうしてもわからずに、何かわかるかもしれないと思い、手にした1冊。
ウィシュマさんが特別なのではなく、氷山の一角。今も入管で現在進行形で日常茶飯事的に苦しんでいる人、困っている人、絶望している人がいる可能性がとても高い、いやほぼ確実であることがわかった。
窓もない、自由時間も、することもほぼない…。ただ、収容されているだけ。支援者や家族などとの面会も限定的。こんな環境・状況は、どう考えたって人道に反することは誰だってわかるはず。このコロナ禍で、ほぼ職場と自宅の往復。その途中、本屋さんや静かなカフェには行くことができている。そんな私でさえ、ものすごく疲弊しているのに、それ以上の環境で、いつまで収容されているのかもわからない。病気になっても適切な治療が受けられない可能性大、家族とも会えない。って、どれだけストレスフルなことだろうと思う。
日本に足りないのは、「尊厳」。
「日英の違いは、職員が収容者と対等の関係を築こうとしているかどうかです。日本ははっきり言えば、尊厳を奪うために収容していて、屈辱を与え圧力をかけることで日本から追い出そうとしているのだから英国と対極にあります。」(P.254)
この一文が入管のすべてであり、入管の問題の本質だと思った。
どうしたらウィシュマさんの事件を2度と起こさないようにできるのか…。技能実習生の制度の問題、難民認定率の低さの問題…本当にいろいろなものが絡まり合っているようで、途方に暮れてしまう。まずは、「知ること」だって大事だと言い聞かせて読み終えた。