作品一覧

  • ひとり空間の都市論
    4.0
    1巻880円 (税込)
    同調圧力が強い日本社会における「ひとり」。彼らが異質な存在としてみなされる一方で、現実の日本の都市には、カプセルホテル、ひとりカラオケ、ひとり焼肉店など、ひとり客向けの商業施設が溢れかえっている。そもそも孤独と自由が背中合わせの都市生活では、「ひとり」でいることこそ、歴史的にも“正常”だったはずだ。今日ではさらに、「ひとり」が存在する空間は、モバイル・メディアの普及を受けて増殖し、新しい形態へと進化を遂げつつある。その新しい特性とは何か。「みんな・絆・コミュニティ」へと世論が傾くいま、ひとり空間の現況と可能性を、いまいちど問い直す。

ユーザーレビュー

  • ひとり空間の都市論

    Posted by ブクログ

    どんな住宅がこれから要望されるかと思って、本を読んでいるのだが、なかなかストライクゾーンが見えなかった。
    それが、この本を読んで、やっとフロントガラスの景色がはっきりと見えてきた。
    それは、都会とは「ひとり空間」で成り立っているということだ。ひとり世帯が、東京では45%を超えている。
    都会は、一人の方が暮らしやすいのだ。都市では、子供や老人が負担になり、結婚が遅れ、結婚をしない人も増え、個人が複数の自分を生み出す。名前は消失し、匿名の非人格的な存在となる。田舎にあった地縁のしがらみ、近隣の人間関係から解放される。都会は、自分に合った刺激があり、自分で好きな情報を選択できる。携帯電話とSNSは、

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    2020年05月28日
  • ひとり空間の都市論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    最初は少し抽象的で難しく、自分の理解力が足りなかったと反省。力をつけていきたいです。住宅の歴史、今の都市事情、とても興味深かったです。部屋だけでなく、本を読んだ時のひとり空間の展開も書かれていて、いつも起こっている事象が言語化されて腑に落ちました。たまたま目に入ったので手に取った一冊でしたが、自分の世界が広かった気がします。さらに力をつけたらまた読んでみたいです。

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    2025年07月12日
  • ひとり空間の都市論

    Posted by ブクログ

    一人焼き肉、一人カラオケ、漫画喫茶など、世界でも類を見ない一人空間に溢れる日本。
    一方でひとりに対してポジティブな視線を向けられることは少ない。
    筆者は「都市空間ではひとりである状態が当たり前だ」という前提に立った上で、なぜ日本にはこうまでしてひとり空間に溢れるのか?を住空間から商業空間まで幅広い視点で分析している。
    様々な論文を引用しながら内容が構成されているので、非常に多くの知識と視野を得ることができ、中でも公営団地が大量供給された後、その子ども世代が独立し、六畳一間で一人暮らしすることを「団地から子供部屋だけが飛んでいった」と描いたことや、都市中心部における一人暮らし住宅は狭小ではあるが

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    2020年03月19日
  • ひとり空間の都市論

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    序章   『孤独のグルメ』の都市論
    第1章  ひとり・ひとり空間・都市
    第2章  住まい~単身者とモビリティ
    第3章  飲食店・宿泊施設~日本的都市風景
    第4章  モバイル・メディア~ウォークマンからスマートフォンまで
    終章   都市の「ひとり空間」の行方

    <内容>
    まじ社会学の本でした。最後に参考文献がたくさん載っているし。内容は、都市の「おひとり様」は、単身主義(本当に孤独だった)から、「ひとり」だけど、ネットやシャアハウスなど、「ゆるい」コミュニティになってきている(若者には)。最後にふと考えたのは、昭和期に「単身主義」で過ごし、平成の現代「おひとり様」の中高年は、この「ゆる

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    2018年03月03日

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