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中世ドイツ・ハーメルンで起きた「笛吹き男」伝説。約130名におよぶ子供たちが突如消えた事件として知られる。その真相は、歴史の闇に隠れ、解明は困難であるとされてきた。諸説あるなか、本書は、事件が東方植民へのリクルートの際に発生したという説に立つが、問題はそこで終わらない。この東方植民をキーワードにすると、ドイツ史の暗部が見えてくる。
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Posted by ブクログ
後半のナチスとの関わりは、ちょっと広げ過ぎな気もするが、後書きを見ると、作者もそう思っているらしい。
阿部謹也『ハーメルンの笛吹き男』を読んだのはうん十年前のこと、伝説としての興味深さもあったし、中世ドイツの社会を丹念に追いかけるところが読み応えがあったとの記憶がある。 本書は、「笛吹き男」は何者であり、また失踪した子供たちはどこへ行ってしまったのか、との謎を解明する前半部分と、ドイツ史を貫く...続きを読む東方植民運動、就中ナチスの東方植民政策に光を当てる後半部分とから成っている。 1284年に起きた130名にも及ぶとされる子どもたちの失踪事件の謎を解き明かしていく著者の推理と論証はなかなか鮮やかであり、結構納得できるものだった。 また、直接繋がるものではないが、ナチスのレーベンスボルン(生命の泉)プロジェクトの暴走の涯に実行された占領地における子どもたちの誘拐・拉致の問題など、いろいろな知見を得ることができた。
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「笛吹き男」の正体 ──東方植民のデモーニッシュな系譜
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浜本隆志
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