ネットとリアルのあいだ――生きるための情報学

ネットとリアルのあいだ――生きるための情報学

ビジネス・実用
814円 (税込)

4pt

3.8

現代はデジタルな情報がとびかう便利な情報社会である。にもかかわらず、精神的に疲れ、ウツな気分になるのはなぜか。悲鳴をあげているのは、リアルな「生命」そのものでないだろうか。人間の身体と心をやさしく包んでくれるITの未来を考える。

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ネットとリアルのあいだ――生きるための情報学 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    今、自分が漠然と感じていたことを、きれいに問題として整理してくれた。

    最初のあたりこそ、ところどころ「おいおい、それは論証不足じゃないかね?」と突っ込みたくなる部分が何カ所かあったが、後半はぐいぐいと立証していく。つまり、あたらしいかたちでのコンピューター(めメディア?)と人間の関係。右脳=感情を支える技術、副題の「生きるための情報学」の模索。

    ・数値比較できない「私」をのばしていくのが、本来の教育ではないのか。
    ・身体が感情の原器。
    ・ノイマンとウィーナーの晩年。
    ◎身体をつかって生きるという行為そのものが、世界の創出につながるのである。
    ・生命情報、社会情報、機械情報。
    ・人間とはコミュニティへの身体的共感なしには、生きてはいけない生物だ。
    ・声は時間とともに流れ消えていくが、文章命題の論理はある一時点で、いわば空間的に成立するものだ。
    ・ITは逆に身体性の回復のために用いられなくてはならないのだ。
    ・人間を機械部品化するITではなく、人間の身体や心をやさしくつつんでくれるITが必要なのだ。

    0
    2011年05月13日

    Posted by ブクログ

    現代にあるのは物理的な貧しさより、心理的貧しさがある。
    脳だけでなく体の反応も大切である。
    体の反応無くして感情もあり得ない。
    そう考えると体には何も無駄が無いように思える。
    難解な部分もあるが情報社会の現代に警鐘を鳴らす良書。人間を機械部品化するITではなく、人間の身体や心をやさしくつつんでくれるようなITが必要なのだ。

    0
    2018年11月23日

    Posted by ブクログ

    脳の仕組みだけじゃなくて、感情とか肉体までを考慮しないと、人間の行動モデルは作れない、という気付きがあった。企業情報システムの受託ビジネスは、真のIT産業じゃない、というような記述がどこかにあったが、同感。ただ、それ以外のビジネスが儲からなさ過ぎるのは何故か、という点も気になる。

    0
    2010年03月03日

    Posted by ブクログ

    テクノロジーの可能性を追いつつも、地に足つけようと思わされる(笑)。
    論理的に考えていくと「人間とロボットの区別はつかなくなる!」と言える
    ような気がしてしまうが、それでも残る違和感ていうのはあるからなあ。
    それがなんなのかまだわかってないだけかもしれん。
    以下この本の要点と思ったこと。
    ・人間は閉じたシステムで、かつ時間の流れに抗えない存在であることを見落としてはならない

    0
    2010年06月06日

    Posted by ブクログ

    3つの章に分かれていますが、とくに人間の心は、論理的な推論をおこなう機械として捉えることはできないということを解説している第2章が、興味深く読めました。といっても、すべてが理解できたわけではありませんが、自分なりにまとめると次のようになるかと思います。

    生物は、外部からの情報に反応する機械ではなく、身体を通じて生きることで固有の環境世界を創生しているオートポイエーティックなシステムだという考え方が、紹介されます。しかし、オートポイエーティックなシステムは「閉じたシステム」だと考えられています。では、私たちが相互に意思を通じ合っていることは、どのようにして説明されるのでしょうか。この問題について著者は、心とは身体感覚を脳がモニタリングすることで生じるということを手がかりにして、そうした身体のありようを脳がシミュレーションすることで、社会のメンバー相互の「身体的共感」が生じるという考えを提出しています。

    そして、意識は3千年前に人間に始めて宿ったとする心理学者ジュリアン・ジェインズの仮説を、そこに接続しようと試みています。ジェインズは、自己意識をもつ前の人類は、「右脳からの幻聴」に従って行動していたと考えます。著者はこれを、群れのメンバーたちが身体的共感によって結ばれているとき、右脳から聞こえてくる「神々の声」によって統制されることとみなそうとするのです。

    最後に、こうした身体的な共感をも含み込んだ、新たなコンピュータの可能性について語っています。

    やや問題が大きすぎるようにも思いましたが、刺激的な内容の本でした。

    0
    2014年11月03日

    Posted by ブクログ

    読み途中。
    難易度としてはやや難しめ。
    ネットだけではなくその根底となる自己についてなどやや哲学的な話も。
    ジャンルが広いので参考になると思います

    0
    2019年01月16日

    Posted by ブクログ

    私というリアルは、閉鎖系、自律的。他と有機的に交わる風なことができる、というのは身体感覚や器のような場所があるから。
    生きてるうちに情報学的転回というものがあるのかな、ソシュールは転回させようと思って構造主義を…?
    20Cのはじめと今。思うことは、ソクラテス強い。

    0
    2010年10月27日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    人間の心を機械で作る試みはまだ発展途上で、失敗の原因は言語的自己ばかりを求め、身体的自己を蔑ろにしているからである。
    心のはオートポイエティック・システム(自己創造)である。
    インターネット(殊バーチャルリアリティ)の問題は、人間の知覚(嗅覚や触覚や味覚)を使っていないことである。主に言語脳しか使わないため、所謂ネトゲ廃人は虚無感や虚脱感等の精神疾患になりやすい。

    精神よりも肉体に重きを置きましょう、という主張は、甲野善紀さん、池谷裕二さんと同じです。頭で考えるより、先に身体を使って行動せよ。これには賛成します。でも日本には余裕がない。だから失敗は許されない。許されないならどこで経験を積むのか。それが今の日本の課題だと思います。失敗をカバーできるように全体でサポートしなければならないのですが、まだまだ環境が整っていません。

    喜怒哀楽といった感情ではスムーズな社会運営はできない、だから言語を用いて理性で問題を解決しようとしたのが歴史です。そして再び感情や身体に注目していこうとする最近の流れを見ると、へーゲルの弁証法を思い出します。
    Aというテーゼ(言語を用いないで感情や身体を使って生活していた頃。イメージとしては原始時代)から、Bというアンチテーゼ(感情に流されて行動するのは野蛮だ。言葉を用いて理性的に問題を解決しようとする風潮。イメージとしては中世以降か?)へ、そして現在はジンテーゼC(言語中心では心が荒むだけだ。感情や身体にも気を配らなければ)に落ち着いています。弁証法的に見ると、当たり前の流れですね。

    やっぱりリアルの世界が充実しないと、人間は腐っていくように思います。いくらバーチャルが良くても、ベースとなるリアルの世界で自己肯定感が無いと、生きる価値が見出だされずに荒廃していきます。

    「成功率なんてものはただの目安だ。あとは勇気で補えばいい!」
    アニメ「勇者王ガオガイガー」より

    この名言が好きです。
    本当にその通りなんです。政治も経済も、本当は失敗しちゃいけないのにもかかわらず、失敗しています。一流企業でも不祥事を起こします。
    だから完璧じゃなくて良いのです。とりあえず当たってみて、ダメな時はあまり真剣に悩まず、常にポジティブに考えて行動することが大切です。
    今の若年層のニートも、著者らしく言えば『言語的自己』ばかり使っているのです。かくいう僕も頭でっかちで(笑)、『僕に足りないのは経験だ!』とは分かっているのですが、新しく就職活動をする勇気がない(ただ今絶賛ニートです笑!)、新しく友達をつくる勇気がない等、ほとほと困り果てています。
    ですが、このままでは廃人行きは目に見えています。
    感覚の大切さは分かっていますが、それを理解してくれないのが社会です。
    「根拠のある自信は、根拠が崩れると自信が無くなるが、根拠のない自信は、崩れることはない!」
    こういった、感覚に頼るというのも必要ではないでしょうか。

    知的好奇心を満たすものとしては面白いですが、実際問題として、『じゃあネットとリアルのあいだに挟まれている私はどうすればいいの?』という疑問には答えてくれません。そういった処方箋を求めている方にはオススメできません。僕の評価はA-にします。

    0
    2013年05月25日

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