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「福田アジオ」の「可能性としてのムラ社会」「歴史探索の手法 ――岩船地蔵を追って」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「福田アジオ」の「可能性としてのムラ社会」「歴史探索の手法 ――岩船地蔵を追って」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
積ん読状態から解放すべく読んだ。
享保4年(1719)、関東西部の村々に突如大流行した岩船地蔵。
各地に残った文書や岩船地蔵を元に、流行の経路や当時の人々の熱狂を掘り起こす、という内容。
あらましを一読するだけでわかるこの地味さ。
けれども、路傍にただ佇んでいた石仏が調査によって意味を取り戻していく様は、読んでいて楽しい。
個人的には、江戸時代に度々起こった種々の流行神についての記述がおもしろかった。
農民たちが社会体制に収まりながらもそこから逸脱するという、奇妙な爆発。
「ガス抜き」と一言で片付けることのできなさそうな現象というところに興味が湧いた。
副題に「歴史探索の手法」とあると
Posted by ブクログ
享保年間に民間信仰として流行を見た「岩船地蔵」の謎を追っていくことで、民俗学と歴史学の2つの学問が、それぞれ異なる結論へと導かれることを示した本です。
岩船地蔵に関する文字資料によって明らかにされた史実は、「岩船地蔵」信仰の流行が、村の秩序からの一時的な解放をもたらす熱狂を村々にもたらしたというものでした。しかし現在まで各地に伝わる岩船地蔵にまつわる伝説は、こうした文字資料によって知ることのできる歴史を伝えることはほとんどなく、むしろ水難救助や雨乞い、あるいは豊作をもたらす農耕神としての「岩船地蔵」信仰でした。
歴史学が、「特定の時代に特定の地点で起こった史実」を明らかにすることをめざすの