作品一覧

  • グロテスクな教養
    3.8
    大正教養主義から、八〇年代のニューアカ、そして、現在の「教養崩壊」まで、生産・批判・消費され続ける教養言説の底に潜む悲喜劇的な欲望を、さまざまな側面から映しだす。知的マゾヒズムを刺激しつつ、一風変わった教養主義の復権を目指す、ちょっと意地悪で少しさわやかな教養論。
  • 女子・結婚・男選び ――あるいは〈選ばれ男子〉
    4.0
    女子最大の問題、それはもちろん“男選び”だ。打算で結婚するのは卑しい。でも最上の男を手に入れたい。男子に対する尊敬の念と幻滅。女を見る目がない男と、男を見る目がない女たち。ゲーテとマン、夏目漱石から水村美苗までを読み直し、悲喜劇を考察する。さあ、「女の子いかに生くべきか」。女子も男子も必読!
  • 学歴・階級・軍隊 高学歴兵士たちの憂鬱な日常
    3.7
    1巻968円 (税込)
    戦前の日本で、旧制高校から帝国大学へと進む学生たちは、将来を約束されたひと握りのエリートであった。彼らはある時期まで、軍隊経験をもつ時でさえ、低学歴者にはない優位を与えられた。それが、第二次大戦もたけなわとなる頃から、彼らも過酷な軍隊生活を送らざるを得ない情況となる。本書は、最も「貧乏クジ」を引いた学徒兵世代の恨みと諦めの声を蒐集し、世代と階級を巡る問題を照射するものである。

ユーザーレビュー

  • 学歴・階級・軍隊 高学歴兵士たちの憂鬱な日常

    Posted by ブクログ

    エリートが一兵卒としてイジメられた、という単純な話ではなかったです。日本の戦前のエリートたちの屈折した感情の数々を描き出したものでした。高貴なる義務を言いながら、士官学校を忌避する…超越を言いながら、軍隊生活では現実に負けるしかない…しょうがないと思うのは私が庶民だからか…

    0
    2019年12月03日
  • グロテスクな教養

    Posted by ブクログ

    多くの教養論のレビューした本書はもっと早い段階で読んでおきたかった。社会階層、文化資本、育ちの良さ、学歴社会、そして学力の議論をひっくるめた神聖喜劇のような状況を「グロテスクな」とした表現には、清々しさを覚えた。個人的にこの表現があてはまるものが一つある。それは「大学」だ。

    大学には思いつくだけでも次のような意味が付与されている。(1)学問的に認識し、精神的に生きようとする人々を集めたもの 、(2)教養教育を含む大学教育、(3)大学ないし大学院における研究を通じた教育、(4)教員・研究者による研究、(5)大学は研究と方法の態度の訓練の場、(6)職業教育、(7)中等学校と同じようなカレッジの側

    0
    2013年11月08日
  • グロテスクな教養

    Posted by ブクログ

    多くの内向的な文系男子(今は中高年)がとらわれている病を、冷徹にしかし(たぶん)愛をもって指摘。指摘されて自分が嫌になるが、でも、もう一度読みたい気もする。そんな一冊。

    0
    2012年03月17日
  • グロテスクな教養

    Posted by ブクログ

    「教養とは何か。」

    この疑問を持つ者には、数々の問いかけを投げかけられる良書であると自信を持って薦められる。

    語り口は少し難しいものの、興味深い記述に溢れていて本当に勉強になった。
    これからも、教養とは何か、いかに生きるべきかを考えていきたい。

    0
    2011年02月20日
  • グロテスクな教養

    Posted by ブクログ

    自分自身の教養コンプレックスを自覚することができた。
    教養コンプレックスとブルジョアコンプレックスの違いも確認できた。
    ひとびとが教養と呼ぶものの正体も掴むことができた。
    これでもう怖いものはない。

    0
    2013年05月21日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!