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Posted by ブクログ
なんとなくタテマエの平等空間を実現していた一高はある種のモラトリアム空間だったのではないかと思いました。そしてまだ階級社会であった当時ではそのモラトリアムにいられる幸福な青年の総数自体が少なく、其れ故彼ら高学歴者と世俗との乖離が目立ち第二次大戦、敗戦という流れの中でモラトリアム期間の急激な中断を余儀なくされたのが彼らの憂鬱であり悲劇であったとも思います。
ノーブレス・オブリージュと言う言葉が文中良く出てきますが、一高生が憧れた西洋のノーブレス・オブリージュには軍歴も含まれていたと考えられるのに、軍部が日本の事情を考慮したエリートの軍への取り込みをしなかった事と、エリート層の方でも世俗から離れることを美徳として軍に対して無関心だったことが、陸軍をエリートコースに乗る余裕も無く士官学校へ入った優秀な田舎の青年将校で満たす結果となり、其れが第二次大戦における軍部の暴走の遠因になったのでないかと推測すると、唱えるだけで掘り下げることをしていないように見える高学歴者達の言う「ノーブレス・オブリージュ」も空しいものに見えます。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
戦前の日本で、旧制高校から帝国大学へと進む学生たちは、将来を約束されたひと握りのエリートであった。
彼らはある時期まで、軍隊経験をもつ時でさえ、低学歴者にはない優位を与えられた。
それが、第二次大戦もたけなわとなる頃から、彼らも過酷な軍隊生活を送らざるを得ない情況となる。
本書は、最も「貧乏クジ」を引いた学徒兵世代の恨みと諦めの声を蒐集し、世代と階級を巡る問題を照射するものである。
[ 目次 ]
序章 わだつみが聞いた声―高学歴兵士は何を体験したか
第1章 月給取と腰掛OL―高学歴兵士はなぜ嫌われたか
第2章 エゴイストを撃て―高学歴兵士はどこでつまずいたか
第3章 帰ってきた学徒兵―高学歴兵士はいつ追悼されたか
第4章 エリートの作り方教えます―高学歴兵士はどう教育されたか
第5章 アプレゲールの高学歴兵士―山崎晃嗣という一例
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