ブックライブでは、JavaScriptがOFFになっているとご利用いただけない機能があります。JavaScriptを有効にしてご利用ください。
無料マンガ・ラノベなど、豊富なラインナップで100万冊以上配信中!
来店pt
閲覧履歴
My本棚
カート
フォロー
クーポン
Myページ
4pt
供給が過剰となり、従来的な手法だけでは容易にモノが売れない時代を迎えている。企業にとっては生活者や顧客との関係をいかにデザインするかが喫緊の課題となっている。市場に向けて、どのような戦略を練るかというマーケティング・マネジメントの見直しが必要だ。これからのマーケティング像を描いた、実践的入門書。
アプリ試し読みはこちら
※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。
Posted by ブクログ
わたしのようなマーケティング初学者からすると、マーケティングとはいかにモノを売らせるための技術である、なんていうひどく雑でひねくれた見方をしてしまうが、「本書では、企業の生活者・顧客との接点を、どうデザインするかに焦点を絞り検討してきた」(P301)とあるように、本書の目的にあるのは「生活者」といか...続きを読むに「接点」をみつけ、それを構築(「デザイン」)するかというのがマーケティングであると示され、曚を啓かされた。 こんな始まり方をすると堅苦しいように感じるかもしれないが、誰もが知る企業の、成功例も失敗例もふくめた豊富な事例(ソニー、パナソニック、サントリー、伊藤園、P&G、花王、JTB、アート引越センターetc.)が紹介され、新書にしては厚めの300ページ超だが、読んでいて飽きなかった。また細かく章が分かれているので、拾い読みもできると思うし、デスクの脇にでも置いて都度振り返っておきたくなる本だと感じた。 本書の結論は、現代の低成長・低収益の時代には、たんなる技術のイノベーションではなく、商品・ブランドと生活者との新しい接点を見つけ、意味や価値を創造する「コマーシャル・イノベーション」が求められるのだ、ということだ(「終章 コマーシャルイノベーションに向かって」)。いいかえれば現代は、ハードパワー〈機能/効能/性能〉の時代から、ソフトパワー〈経験/意味/価値〉の時代へのマーケティング転換期なのだ。 たとえば、P&Gは二十世紀末に、「世界の【消費者のニーズに最も適した】、秀でた品質と価値をもつ製品を提供する」、という宣言を、「世界の【消費者の生活を向上させる】、優れた品質と価値をもつ宣言へと変えているという(P173、【】は本書内傍点)。その意味するところは、既存のニーズに向けて商品を提供するのではなく、生活を向上するという切り口で商品価値を創造するという転換なのだ。 技術から生活価値への転換を果たした事例として、ウォークマンやiPodなどのほか、キットカットを挙げている。キットカットはかつて安いチョコ菓子というポジションだったが、ひとつのキャンペーンを打ったことで、ほかのチョコ菓子とは違った生活者との接点を得てポジショニングを達成した。それは「キットカット→きっと勝つ」の語呂合わせから出た受験のゲン担ぎをしている、という受験生のキットカットとの関係から発想を得ている。商品の中身は変わっていないが、生活者との関係が変わることで価値創造した好事例だ。 個人的に気になったところは、ブランドやリサーチということを考えるなかで、企業/組織の強さをいかに高めるか、という視点を強調していた点だ。自分の過去の仕事を考えると、組織というより個人を重きにおいた仕事内容だったので、たいへん勉強になった。 ニーズが細分化されている現代において、大企業ほど動きが遅くキャッチアップできない、と「大企業病」などと非難がちだが、これを読んでると大企業だからこそ、細やかなニーズをキャッチアップできるマネジメントができるのではないかと感じた(第Ⅳ部など)。そう思わせたほど事例が大企業が多いので、リソースのない中小企業が市場という複雑性にどう対処するか、という事例も多くほしい気もした。 とはいえ、そのなかでも第1章で例示された、地方の地場産業による障がい者スプーンの例は、生活者に向き合うことでニーズを発見するという好事例で印象に残った。 また「指標化」(P255)という概念は、わたしとしては学ぶものが多かった。「指標化」とはマーケティングの接点を考える際に、「あらかじめみずからの可能性・選択肢を限定」し、「自分たちの力に見合った形で処理可能な状態にする(架け橋を架ける)という作業」を指す(第Ⅲ部結論~第Ⅳ部あたり)。 なぜ「あらかじめみずからの可能性・選択肢を限定」する必要があるのか。それは、市場環境は無限に複雑なので、それをすべて処理できず成り行きでこなしてしまっては、マーケティングを長期に渡りマネジメントできず、成長もしない。「組織が存続するためには、自分たちの処理可能な状態に、できれば意識的に環境を作り替えておくことである」(P244)。 マーケティングとは話はずれるが、個人的に仕事の優先順位がつかないことが多く、苦労することが多かったので、「指標化」の概念はマーケティング以外にも役立つのではないかと思った。本書のなかで、そんなカオス状態のとき組織の指示として重要になるのは、「いろいろ起こっていて、気になることも多いだろうが、とりあえず『店頭品質』の諸要素に注目するだけでよし。他のいろいろある出来事は、無視してもかまわない」(P244)と書かれていて、なにか思わずほっとさせられるものがあった。 読み応えがありつつかつ読みやすいので、マーケティングの入門書をさがしているひとは、ぜひ本書を手にとってほしい。わたしの場合、本書を読む前に著者のべつの本『マーケティングの神話』(岩波現代文庫)を読み、たいへん面白かったので、他にないかと探したところ本書に出会った。『神話』のほうは、文化人類学や哲学、記号論など人文系の知識を用いて、マーケティングの本質に迫っている名著だと感じた。興味がある人はこちらも一読を。
マーケティングという名前の下で、アイデア発想やフレームワーク論に終始する本が多い中で、「マーケティング・マネジメント」という観点から、ブランド戦略・営業戦略のふたつの柱で、マーケティングのマネジメント方法を事例豊富に語った新書。 それは結果的に、企業と生活者(顧客)との接点を、どうデザインするか?と...続きを読むいう観点を、立体的に語っている。 素晴らしい。
ポジショニング、組織論、ブランドマネジメント、情報リテラシーなど、マーケティングに関する幅広いトピックスが網羅されている。構成も非常に体系的で、自分のような門外漢がマーケティングを学ぶには大いに参考になった。 特に、組織形態のありようで経営判断が大きく変わりうることが具体的な事例(サッポロ・ドラフト...続きを読むワンなど)で示されており、新しい発見となった。ウチの会社の経営陣は伝統的に組織に手を入れるのが大好きでしょっちゅう組織変更があるが、どこまでその影響を認識しているのだろうかと考えさせられる。どう見ても気まぐれとしか思えない組織改編も多く、ある意味恐ろしくなった。
この本を読む前は、マーケティングという言葉をなんとなくイメージで理解し、マーケティングはなんとなく大切なんだろうなぁという理解だったが、読んだあととなっては、マーケティングなしに商品を売り続けていられる企業は単に運がいいだけなんだと思うようになった。 いまの自分の職場から見て、いまの会社はあまりマ...続きを読むーケティングをしているように思えないのが残念。ただ、これからマーケティングを行おうとがんばってはいるのかな。 ちょっと話を変えて、文系・理系の話。 自分は今まで文系・理系という言葉を思い浮かべるときに、なんとなく、感性的・論理的といったようなイメージで対比させていたのだが、このマーケティングの話をする上でもそうだが、文系では論理がさほど重要ではないというイメージは大きく間違っている。むしろ、理系よりも文系こそ、論理を重視せねばならない。理系の学問においては、論理を組み立てる根拠が比較的確固としている場合が多いように思うが、文系の学問においては、論理を組み立てる根拠が理系ほど客観に確固としていない場合が多いように思う(確率的にある程度の憶測や主観を含む)。よって、根拠の、その、ときに不十分な確からしさを補って余りある論理立てが必要なのだと思う。 マーケティングを行う上での根拠も十分確からしいと言えない場合が少なからずあるのではないかと思う。よって、それを補う明確な論理立てが必要なのだ。
マーケティングとは関係のない仕事をしているが、参考になる。どんな仕事をしていても、状況としてマーケティングの考え方が必要になる。よくまとまっていて勉強になる。創造的適応を意識したい。
王道マーケティングを学ぶなら、この1冊で十分。 コンパクトに非常によくまとまっている。 後は、現実の世界に触れるのみ。実践、実践、実践!
タイトルの通り、“マーケティングを学ぶ”ための本だが、教科書的ではなく読み物のようなスタイルで書かれているのでスラスラ読むことができる。 前半から中盤にかけてはSTP、後半は顧客へのアプローチと顧客管理、マーケティング組織のマネジメントが中心となっている。 10年以上前に出版されたものであるため...続きを読むケースは古いが、今でも十分通用するものである。
様々な事例を交えマーケティングの基本的な考え方を学べます。一方で事例の羅列ではなくなぜそれが大切なのかが抑えられており、新書でさっとマーケティングについて学びたい場合におすすめの一冊です。
かつての「作れば売れた」という大量生産・大量消費の時代を終え、供給過剰になった現在のビジネスシーンにおけるマーケティングについてまとめた書籍です。 初歩的なセグメント、ターゲティング、ポジショニングと、ブランド戦略について、各々実際の事例を交えて論じていますので、理解しやすい入門書と言えます。
マーケティングに関する書籍は、アカデミックに特化したものか企業の現場に特化したものの両極にしか出会ったことがなかった。 これは非常にバランスよく、理論と実践が取り上げられている。 さすが、流通科学大学学長。 企業はユーザ視点で健全で真摯な取組が必要という当たり前のことを今更ながら再認識した。
レビューをもっと見る
新刊やセール情報をお知らせします。
マーケティングを学ぶ
新刊情報をお知らせします。
石井淳蔵
フォロー機能について
「ちくま新書」の最新刊一覧へ
「ビジネス・経済」無料一覧へ
「ビジネス・経済」ランキングの一覧へ
営業が変わる
試し読み
ゼミナール マーケティング入門 第2版
ビジネス・インサイト 創造の知とは何か
ブランド 価値の創造
マーケティングの神話
「石井淳蔵」のこれもおすすめ一覧へ
一覧 >>
▲マーケティングを学ぶ ページトップヘ