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新しいビジネスモデルが生まれるときに働く知を、ビジネス・インサイトと著者は呼ぶ。この創造的な知は何なのだろうか。M。ポランニーの「知の暗黙の次元」に関連づけ、ビジネス・インサイトが作用した多くの実例を考察して、ケース・スタディで習得できる可能性を探る。マーケティング研究の第一人者による経営学の新展開。
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Posted by ブクログ
とにかく文章の質が良い。 ポランニーの「暗黙知」のような、記述しえない洞察のようなものがビジネスのブレークスルーにおいて作用する例が多い。それは、熟練の、あるいは熱意の求道者が、オブジェクトに棲み込むほど一体化した感覚を得て、初めて発動しうるのかもしれない。
マーケティングの大御所、石井淳蔵の本。”経営者は跳ばなければならない”として、これまでの延長で事業を進めるのではなく、創造的に事業を創りだすビジネス・インサイトが必要なのである。前書きから惹き付けられることが多く、マーケティングにおける定性的研究の重要性が感じさせられる一冊だった。 ①実証主義の限...続きを読む界(第1章 実証主義の経営を検証する/第2章 ビジネスインサイトとは何か) それまでは既に存在している市場を分析すること、つまり実証主義の経営が主流とされてきた。だが、それは裏を返せば既存のニーズを中心に分析しているため、自社にとって新しいニーズであっても市場では馴染みのあるものになりやすい。 そこで、市場志向ではなく、「消費者の経験の中で生まれる価値」に焦点を置くことが重要となる。消費者にとってその製品はどういった存在なのかから問い直し、新しい市場を生み出すのである。それを見つけ出すためには、インサイト(成功を見通す構図)を発見しなければならない。 ②ケース教育の意義(第4章 ビジネス・インサイトをケースで学ぶ/第5章 ケース・リサーチの可能性) インサイトや、そこに隠された暗黙知を発見するためには、消費者をより深く理解すること、つまり消費者への棲み込みが必要である。棲み込みを学ぶ一つとして、ケースは優れているという。 ケース教育で大切なことはいくつかあるが、特に「当事者の視点に立つ」ことは重要である。対象を理解するためには、外側を見つめるだけでなく、内側に入り込む(=棲み込む)ことを行わなければならない。現在時点でケースを眺め、50年前よりも進んだ世界を自分が知っているように理解してはいけない。そうではなく、歴史や経緯を入念にたどりながら、当事者になったことを意識する。このようにケースを追うことは、因果関係だけでケースを理解することなく、プロセスやその変化などを解明していくことであり、重要である。 ③これからの経営、マーケティング(第6章 経営における偶有性) なぜケースにおいて、原因や結果だけでなく、プロセスを理解する必要があるのか。それは、マーケティングは、誤解のようなコミュニケーションを繰り返す過程に含まれており、その帰結が偶有性(偶然のたまもの)なのである。そのため、企業と市場や消費者の中で行われる対話の中で、ニーズは生まれてくる。 これまでの市場調査から消費行為の意味を理解する「消費者理解」が重要となり、対象への棲み込み、そしてそれを通じて得た共感的理解から経営が始まるだろう。 ニーズはあるようで、存在していない。それを学術的に説明した非常に示唆に富んだ本だった。消費者への棲み込みから出てきたニーズを考えていくことは、今の日本企業には重要なことである。これからケースを読むときにも視点を変え、インサイトを見つけ出せるように丹念に読んでいきたい。
野中郁次郎のSECIモデルで言っている暗黙知と、M. ポランニーの暗黙知は違うという話を聞いて興味を持って買った本です。 野中郁次郎の暗黙知は、たとえば、杜氏が上手にお酒を造る技術のことを言っていますが、SECIモデルはそれを形式知化することの重要性を述べており、つまりは、時間や手間はかかるかも...続きを読むしれないけれど形式知化可能な暗黙知を含んでいます。 一方、M. ポランニーの暗黙知は決して形式知化することができないものを指しています。M. ポランニーは科学者なので、アインシュタインの例を使って説明していましたが、相対性理論が生まれる瞬間に使った知恵がそれにあたります。 簡単に言うと、閃きであり、書名のインサイト(insight)にあたります。 本書は、この、M. ポランニーの暗黙知を経営に応用し「ビジネス・インサイト」という概念にまとめたものです。 仮説検証型の経営には限界があり、どこかで、ビジネス・インサイトを用いて飛躍しているという話から始まります。 後半では、ビジネス・インサイトを習得するにはどうしたらよいかという議論が展開され、対象に棲み込む(内在化する)ことの重要さが語られます。 形式知化できない暗黙知を伝えていく方法としても興味深く勉強になる本です。 今年読んだ中で一番脳を刺激した本でした。
「ケースに棲みこむ」「知の暗黙の次元」 なんとかっこいいことか。友人は、この本はまだ社会科学の次元に達していないというが、僕としてはその次元を超えているという印象です。方法論としては十分に社会科学に適用できているし(本書は経営学に適用している)、あとはその「知の暗黙の次元」に達するかどうかは棲みこ...続きを読むんだうえでの運に委ねられる。 まちがっても「就活」というケースには棲みこんではならないな笑 だって手段を目的化するようなものだから。
主にマーケティング理論と科学の基本を用いながら、マーケ対象に入り込み、その視点(インサイト)でニーズを分析することの重要性を説いている。ポランニーの認知学の要素も入り、ものの見方を大きく変える入門書としてオススメ。この本の良さを書くと文章が稚拙となるが、何回も読み直してちゃんと意味するところを押さえ...続きを読むたいと思う。
経営学・経営研究パラダイムの転換を、身をもって教えてくれる。つまりは、実証主義の超克だ。 わかりにくい概念を、様々な文献を参照しつつわかりやすく解きほぐしてくれる。また、個々のケースの紹介・分析も、簡にして要を得ている。とても知的刺激に満ちた本だ。 「ビジネス・インサイト」を学び得るかについては...続きを読む、この本を読んだあとでもやや懐疑的にならざるを得ない。ただ、経営学がこうした知をうまく消化できれば、経営者育成の歩留まりは向上しそうだ。
読みやすい本ではありません。 安易に使われすぎている「インサイト」の本来の意味をあらためて認識させてくれます。
ビジネススクール在学中の方は、ぜひ。 これから進学を考えている方も。 ・対象に棲み込む。 いかにして、ヒラメキが生まれるのか、 に対する著者からの回答かもしれない。
前半部分は経営学の教科書のような退屈さを感じたが,中盤で興味深いところが多数でてきた. 著者の名前をどこかで見た(経営学者なら知っていて当然なのかも知れないが,残念ながら私の専門は経営ではないので)と思ったら,流通科学大学の学長だったのか.
本書は、事業の様相を大きく飛躍させるイノベーション的着想をビジネスインサイトと定義し、その着想が生まれるメカニズムについて探求している。一般的には「(先天的な)センス」の一言で片づけられてしまいがちなテーマに対して真理を暴き出そうとしていて、またその探求した内容が非常に納得できる内容で興味深く読み進...続きを読むめることができた。また、その一環として事業戦略における既存のフレームワークや理論の落とし穴についても言及しており、非常に勉強になる。 惜しむらくはその着想を得る頭を育てるためにケーススタディによる学習等を紹介しているのだが、創造的な着想を得るクリティカルな方法である印象を持てなかったこと。 おそらくまだ理解が追い付いていないところがあるので、あと数回読み返したいと思う。
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