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作家・清水義範の小説スタイルは「パスティーシュ(模倣芸術)」と呼ばれてきた。さかのぼれば、『旧約聖書』の「ノアの方舟」の話は『ギルガメシュ叙事詩』からの引用だと言われる。スタインベック『エデンの東』は『旧約聖書』のカインとアベルの物語から作られた。また、デフォーの『ロビンソン・クルーソー』に腹を立てて生まれたのがスウィフトの『ガリヴァー旅行記』である。世界の文学はつながっている。膨大な読書体験と創作の方法をひもとくことで、それがそのまま文学案内となる面白くて便利な一冊。
...続きを読むPosted by ブクログ 2011年06月05日
講演を元にしている部分はもちろん、書き下ろしの部分も非常に読みやすく面白い。あらためて清水義範氏の技量を感じる。小難しいわりに何を言っているかよくわからない文学論ってあるもんなあ。
深刻な問題は、自分がいかに文学作品を読んでいないかが赤裸々になったこと。自分の教養の無さが情けなくなった。
そのことに...続きを読む
Posted by ブクログ 2018年10月23日
源氏物語、ドン・キホーテとその続編、罪と罰、ファウスト、ガリバー旅行記、ロビンソン・クルーソー、坊ちゃん、吾輩は猫である、ハムレット、酒場、などなど多くの小説に対する要約、解説。まさに「早わかり世界の文学」の面目躍如と言える。しかも、歯切れのよい文章でテンポよく分かり易く書かれていて実に面白い。 こ...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年10月30日
[ 内容 ]
作家・清水義範の小説スタイルは「パスティーシュ(模倣芸術)」と呼ばれてきた。
さかのぼれば、『旧約聖書』の「ノアの方舟」の話は『ギルガメシュ叙事詩』からの引用だと言われる。
スタインベック『エデンの東』は『旧約聖書』のカインとアベルの物語から作られた。
また、デフォーの『ロビンソン・ク...続きを読む
Posted by ブクログ 2014年02月19日
他人のモノマネが得意な著者が説く、小説の面白さ。
モノマネはそもそも書くことの動機であり、本能的に感じるユーモアであり、小説にとって欠かせないものであるということ。
世界文学はモノマネであることを解説した一章、読書の効能を説いた二章、書く技術について書いた三章
根源的にはどの章も一貫して同じ主張が...続きを読む
Posted by ブクログ 2016年03月12日
清水義範さんといえば、パスティーシュ小説。
第一人者にして、その後続く人はいないのではないかと思われる。
その、パスティーシュという手法への自負が書かれた本だった。
「ユーモア小説」と言われてもいいけど、「パロディ」と呼ばれるのは抵抗があるようだ。
つまり、批判や批評したいのではなく、毒がなく、あ...続きを読む
Posted by ブクログ 2011年01月21日
文学の傑作といわれる作品を十数作品挙げ、そのあらすじを紹介しながらある種筆者の文学論を展開している。昔の文学作品はとっつきにくくてまだ読めていない人にはあらすじが一気にわかって楽しめるのはもちろんだが、そのあらすじの話し方がとても面白いので原作を読んでみたくなること必至だと思う。とくにドン・キホーテ...続きを読む
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