小泉義之の一覧
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ユーザーレビュー
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だいぶ訳文が硬い(あとがきにあるように意図的なもの)ので、一読で意味の取りにくいところがけっこうある。なんかメルロ=ポンティの訳書みたいだと思った。論の進め方も似ていてフランス哲学の伝統の源なんですね。この本の初読にはちょっと勧められないかなぁ。
Posted by ブクログ
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度肝を抜かれた。前半部が最高にいい。今年ベスト。「なんでいきるのか」「幸福になるために生きている」……これは非常に凡庸な問い(と答え)だ。
そこからの、小泉=レヴィナスのよる、問題構造の立て直し方がすごい。
目的を問わなくても、人は生きていける。息を吸って、食物を食べて、風景を眺めること…、我々はそ
...続きを読むれらをすでに享受してしまっている! 享受し続けている時点で、生きているという時点で、我々はもうすでに幸せなのだ。
……それでも、享受しているはずなのに、元気じゃないときがあるよね、特に理由もなく。
→→それは、「実存そのもの」に疲れてしまっているのだ。生きて、存在することへの倦怠。
そしてそこから抜け出す方法は、ただ自分が「幸福に生きる」という堂々巡りするだけの回答から導き出すことは出来ない! という。
もう、こんな入口を建てられた時点ですごい。ものすごい。
それにくらべて後半部は引き込みが若干弱いと思う。それが、ただ単に私の理解不足なのか、おぼろげに理解していても小泉=レヴィナスに共感できないからなのかは、わからない。
でも、いずれにせよ、こんな「問いの入り口」があるのだ、と知れただけでも大きな収穫である。入り口に入ったあとの道は、自分で探してみるのもよいと思う。…とにかく、読んでよかった。
Posted by ブクログ
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いつもドゥルーズの求めた「新しい人間」は仏陀みたない存在なのではないか、と思うわけだけど、他方で、ドゥルーズは第一の自然としての欲望を捨て去った先に「新しい人間」を見ているわけでもなさそうなので、あらゆる欲望(煩悩)を消滅させる仏陀のイメージとは、やはり、違うのかなぁ。でも、いつもドゥルーズの「新
...続きを読むしい人間」の生きる所の雰囲気が、悟りの境地を思うときの静謐で何もないような空虚な所に思えてしまう。そして、それはかなり怖いイメージでもある。ただし、ドゥルーズが考え抜いても、答えを出せない来るべき新しい人間、来るべき民衆への渇望を共有したいと思ってしまう。別のしかたでの人間があって欲しいと思う。小泉先生の徹底して、苛烈で、優しのある読解のおかげで、また少し、ドゥルーズの思想に近づけた気がする。
Posted by ブクログ
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構成は
・永井ー小泉の対談
・永井論考
・小泉論考
<文庫版書き下ろし>
・永井論考
・小泉論考
対談は恐ろしく噛み合ってない。
それは永井先生も論考内で「この対談に際して小泉氏は私の以前の著作をずいぶん勉強してこられたようで、氏の発言には私の用語がちりばめられている。しかし、その用法が私の理解
...続きを読むと食い違っているため、逆に理解しにくかった。」(p82)と言っていたり、「小泉氏の発言の意味がわからなかった」といった趣旨の発言をかなりの回数使っているところからも伺える。(逆に小泉先生はそのような類の発言はしていなかったように思う)
ただ、この噛み合わなさ、対談後の論考の議題設定のあまりの違いが非常に良かった。
個人的には永井先生のほうに与する。永井先生の方が、表題の問に真摯に答えているように思うからだ。
小泉先生の議題設定は、(私はよくわからないので、あくまで直感的に「そうではないか」という予想で言うならば)極めて脱構築的であるように思った。
その議題設定が悪いなどというわけでなく、今ひとつ私にとってはスカされた印象を持ち、永井先生の方が<子ども>としての立場から誠実に答えているを印象を受けたという話である。
もちろん文庫版にして200頁に満たない書籍である。永井先生も頻繁に以前の著作を前提としていることを提示しながら論理的補完を行っていた。この一冊で成敗することなどできるわけもなく、ただその導入としては非常に良い一冊だと思う。
Posted by ブクログ
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訳者解説で書いているように文章が原文に忠実?なせいかだいぶ意味がとりにくい。とはいえ、こんなもんだろうという気もする。訳者解説が骨子になっているが、17世紀の人の文章はこんなに持って回った言い方をしないといけないのかという気もする。ただ、このような言い回しがないとデカルトともいえず、それがないとこん
...続きを読むなに長く再読される書物にはなっていなかっただろう。
しかし講談社学術文庫は硬派にいい本を出していて好感が持てる。同時に出版されたのがカントだし。絶版になっているいい本も多いので復刊も含め頑張っていただきたい。
Posted by ブクログ
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