度肝を抜かれた。前半部が最高にいい。今年ベスト。「なんでいきるのか」「幸福になるために生きている」……これは非常に凡庸な問い(と答え)だ。
そこからの、小泉=レヴィナスのよる、問題構造の立て直し方がすごい。
目的を問わなくても、人は生きていける。息を吸って、食物を食べて、風景を眺めること…、我々はそ
...続きを読むれらをすでに享受してしまっている! 享受し続けている時点で、生きているという時点で、我々はもうすでに幸せなのだ。
……それでも、享受しているはずなのに、元気じゃないときがあるよね、特に理由もなく。
→→それは、「実存そのもの」に疲れてしまっているのだ。生きて、存在することへの倦怠。
そしてそこから抜け出す方法は、ただ自分が「幸福に生きる」という堂々巡りするだけの回答から導き出すことは出来ない! という。
もう、こんな入口を建てられた時点ですごい。ものすごい。
それにくらべて後半部は引き込みが若干弱いと思う。それが、ただ単に私の理解不足なのか、おぼろげに理解していても小泉=レヴィナスに共感できないからなのかは、わからない。
でも、いずれにせよ、こんな「問いの入り口」があるのだ、と知れただけでも大きな収穫である。入り口に入ったあとの道は、自分で探してみるのもよいと思う。…とにかく、読んでよかった。