あらすじ
ルネ・デカルト(1596-1650年)の代表作は、この新訳を待っていた――。
本書の訳者を務める小泉義之氏は、哲学や精神医学から現今の政治に至るまで、幅広い問題をめぐって繊細かつ大胆な思考を展開してきた。その根底に、自身が『意味の論理学』の翻訳をしたジル・ドゥルーズの哲学があることは、よく知られている。
だが、小泉氏自身の「原点」として厳然と存在し続けているのは、ルネ・デカルトにほかならない。最初の著書『兵士デカルト』(1995年)から四半世紀、ここに渾身の新訳をお届けする。
多くの訳書で採用されている『方法序説』ではなく『方法叙説』という日本語題を採用したことも含め、本書は細部に至るまで、小泉氏にしかできない思考と工夫が浸透している。
今後、デカルトの最も有名な著作を読むとき、この訳書を無視することはできないはずである。
[本書の内容]
第一部
第二部
第三部
第四部
第五部
第六部
訳者解説
文献一覧
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
デカルトの真理に至るまでの思考方法が書かれた本。
有名な「我思う故に我あり」はデカルトの哲学の根本であることを改めて知ることができた。
神や魂の存在証明など、受け入れ難い主張も文中いくつかみられたが、未知の事柄の真理に至るまでの過程は、非常に勉強になった。
①難問に突き当たった時、その問題を可能な限り細かく分割し、②比較的単純な要素から順序立てて真理の究明に向かっていく。③その後、自分の検証に見落としがないかの見直しを徹底する。
この思考方法は今でも実践的であると思った。
Posted by ブクログ
だいぶ訳文が硬い(あとがきにあるように意図的なもの)ので、一読で意味の取りにくいところがけっこうある。なんかメルロ=ポンティの訳書みたいだと思った。論の進め方も似ていてフランス哲学の伝統の源なんですね。この本の初読にはちょっと勧められないかなぁ。