岩波文庫作品一覧

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  • 八月革命と国民主権主義 他五篇
    5.0
    1945年8月のポツダム宣言受諾は,天皇主権から国民主権への革命であった――日本の憲法学を牽引した宮沢俊義(1899-1976)は「八月革命」説を唱えて,新憲法制定の正当性を主張した.その記念碑的論文をはじめ,主権の所在をめぐる尾高朝雄との論争時の論考,現在の通説の淵源となった論文「国民代表の概念」等を収録.

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  • 正岡子規スケッチ帖
    5.0
    「写生は多くモルヒネを飲みて後やる者と思へ」.子規の絵は味わいある描きぶりの奥に気魄が宿る.子規にとって絵を描くことは病床の慰めや楽しみ以上の,生きるよすがであった.最晩年の三か月に描き,『果物帖』『草花帖』『玩具帖』と題してまとめられた画帖をオールカラーで収録.漱石,鼠骨ら,子規の絵をめぐる文章を併載する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 中世荘園の様相
    5.0
    動乱が続く時代のさなか,狭い谷あいに数百年生きのびた小さな荘園,若狭国太良荘.争い合う支配者やたくましく生きる百姓ら,多くの「名もしれぬ人々」の小さくも壮大な歴史を,熱をおびた筆で克明に描く.徹底した史料調査から「歴史を動かす力」に肉迫し,今なお高く評価される,著者の研究の原点.(解説=清水克行)

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  • 鷲か太陽か?
    5.0
    ノーベル賞詩人オクタビオ・パス(1914-98)がパリに暮らした一九四〇年代後半に創作した散文詩と,イメージとリズムの法則に支配された,夢のような味わいをもつ短篇.シュルレアリスムの正統的・批判的継承者として知られる巨匠による,研ぎ澄まされた詩的直観が鮮烈な印象を残す初期の代表作.一九五一年刊.

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  • 物質と記憶
    5.0
    精神と物質,こころと身体の関係.アポリアと化した〈心身問題〉にベルクソンが挑む.実在論や観念論の枠組みを離れて最初から考え直してみること.そのためには問題の立て方じたいの変更が求められる.身体は生きるために知覚し,精神は純粋記憶のなかで夢みている.生の哲学から見られたときに現れる新たな世界像とは.新訳

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  • 原爆の子 広島の少年少女のうったえ 上
    5.0
    1~2巻935~990円 (税込)
    一九四五年八月,広島・長崎に投下された原爆による災害は,史上かつてない惨事として,四十五年たった今日もなお深い爪あとをのこしている.自らも広島で被爆した編者が平和教育のために編集した広島の少年少女達の真率な原爆体験記は,エスペラントをはじめ十数カ国語に翻訳され,全世界に感銘をよんだ.希有の記録.

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  • オーウェル評論集
    5.0
    オーウェル(一九〇三―五〇)といえば,ひとは『動物農場』『一九八四年』を想うだろう.だが三○年代から戦後にかけて展開された活発な評論活動を忘れてはならない.文学・政治・社会現象・植民地体験など多岐にわたる対象に鋭く深く切り込む彼のエッセイを貫くのは,自律的知識人に固有のあの強靱さと優しさだ.十二篇を精選.

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  • 楽しみと日々
    5.0
    プルースト(1871-1922)が20代前半に書いた短篇小説・散文・詩をまとめた第1作品集.鋭敏で繊細な感受性,細部にわたる緻密な観察,情熱や嫉妬といった心理の微妙かつ執拗な探究,スノビスムへのこだわりなど,大作『失われた時を求めて』にも見られる特徴の数々が本書にはすでに現れている.プルースト入門にうってつけの1冊.

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  • 次郎物語 一
    5.0
    1~5巻704~1,045円 (税込)
    次郎は生後まもなく里子にだされ,五、六歳になって実家に帰ってくるが,自分に対する家庭の空気が非常に冷たく感じられ,乳母が恋しくてたまらない.大人の愛に飢える次郎は,周囲に対して反感をいだいて,わざと嘘をついたり,乱暴をするようになる.つらい運命に耐えながら成長する次郎の姿を深く見つめて描く不朽の名作.

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  • 日本の古代国家
    5.0
    日本の古代国家はどのような構造だったのか.中国・朝鮮との緊張関係は,内政にいかなる影響を与えたのか.大王と国造,天皇制と官僚制,軍事と農事,租税と共同体…….推古朝から大化改新を経て律令国家の成立に至る過程に,首長制の切り口で正面から迫った本書は,今なお古代国家を論じるに避けて通れぬ必読文献である.(解説=大津透)

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  • 精神指導の規則
    5.0
    有名なデカルトの方法の詳しい規定はこの本にもとめなければならない。同時にここには彼の数学、自然学、形而上学の萌芽が生き生きと示されている。未完結の遺稿ではあるが、早くから写本でひろく読まれていたこの論文は、われわれに明確に考えるとはどういうことであるかを教えてくれる。

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  • アポロドーロス ギリシア神話
    5.0
    従来紹介されてきたギリシア神話は、のちのヘレニズム時代の感傷主義の影響を受けた甘美な物語が多い。ここにアポロドーロスが伝える神話伝説は純粋に古いギリシアの著述を典拠とした、いわばギリシア神話の原典ともいうべきものである。西欧文化のすみずみにまでしみわたっているギリシア神話の系統的・包括的理解に絶好の書。

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  • バッカイ バッコスに憑かれた女たち
    5.0
    「それ行け バッカイ 行け バッカイ」。木ヅタの冠、皮の衣、からだに蛇を巻きつけて、女たちは家を飛び出し山野を疾走する。「小賢しいことは知恵ではない」――陶酔と理性、自然と人智のはざまで、優しく恐ろしい神ディオニューソスと人間の直接対決がはじまる。ギリシャ三大悲劇詩人エウリーピデースの最後の悲劇。

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  • 政治の世界 他十篇
    5.0
    高い倫理性に裏打ちされた鋭い現実分析、それを伝える明晰な文体で、戦後の言説を主導し続けた丸山眞男(1914─96)。一瞬も静止することのない政治的状況を、権力の生産・再生産の循環という視点からダイナミックに素描した「政治の世界」の他、「権力と道徳」「政治的無関心」など、「科学としての政治学」創造の試みたる十篇を集める。

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  • 文語訳 新約聖書 詩篇付
    5.0
    「求(もと)めよ、然(さ)らば与(あた)へられん」「狭(せま)き門(もん)より入(い)れ」「太初(はじめ)に言(ことば)あり」……。聖典としての品格、簡潔にしてリズムのある文体で、日本のキリスト教界のみならず、思想、文学などの諸分野にも大きな影響を与えた「文語訳」新約聖書(1917年「大正改訳」版)に、おなじく格調の高さで定評がある「詩篇」(明治訳)を併収。総ルビ。(解説=鈴木範久)

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  • ラブレー 第一之書 ガルガンチュワ物語
    5.0
    1~5巻1,122~1,386円 (税込)
    フランス・ルネサンスを代表する大作家ラブレーの長篇「ガルガンチュワとパンタグリュエル物語」の第一冊。桁はずれに巨大な王ガルガンチュワの奔放自在な生涯と武勲を豪快に物語りながら、中世末期社会の権威と秩序を陽気に笑いとばす規模雄大な作品。(全五冊。第二之書以下は「パンタグリュエル物語」。)

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  • 万葉集(一)
    4.8
    日本の詩歌の源,最古の歌集.奈良時代末に編まれて以降,読み継がれてきた二十巻四千五百余首には,宮廷歌人から無名の男女に至る人々の心が映される.本冊には巻一―巻四,雄略天皇・額田王・柿本人麻呂・大伴旅人らの雑歌・相聞・挽歌・譬喩歌を収録.新日本古典文学大系に基づき,86年ぶりに全面刷新した文庫版.(全五冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • ラ・カテドラルでの対話 (上)
    4.8
    1~2巻1,430~1,573円 (税込)
    独裁者批判,ブルジョアジー批判,父と子の確執,同性愛――.居酒屋ラ・カテドラルにおける二人の人物の会話をとおして,独裁政権下ペルーの腐敗しきった社会の現実を描く初期の代表作.「これまでに書いたすべての作品の中から一冊だけ,火事場から救い出せるのだとしたら,私はこの作品を救い出すだろう」(バルガス=リョサ).(全二冊)

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  • 原爆詩集
    4.8
    広島,長崎に投下された原子爆弾によって命を奪われた人や,全世界の原子爆弾を憎悪する人々に捧げられた詩集.「ちちをかえせ ははをかえせ」で始まる「序」は,反核運動の旗幟としてひるがえる.自らの被爆体験をもとに,戦争や原爆に対する激しい抗議と平和への強い決意を訴える言葉の記念碑.(解説=大江健三郎,アーサー・ビナード)

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  • オウエン自叙伝
    4.8
    ロバート・オウエンは単なるユートピア社会主義者ではなく、若くして自ら経営したニウ・ラナアックの紡績工場を舞台に、新しい労働の原理に基づく新天地を開拓した実践の人であり、産業革命期の風雲児であった。この自伝は彼が徒弟見習から身を起し名を遂げるまでの一生の記録であり、また労働運動史上のもっとも興味深い資料でもある。

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  • モーゲンソー 国際政治 (上) 権力と平和
    4.8
    1~3巻1,276~1,386円 (税込)
    国際政治学は「モーゲンソーとの対話」の歴史である。あるがままの人間を観察すれば、政治はつねに権力闘争である、という命題に行きつく。人間性についての怜悧な仮説に基づくモーゲンソー(1904―80)の現実主義とは何か。国家の外交に「力」と「国益」という概念の導入を主張した、二十世紀国際政治学の古典的名著。(全三冊)

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  • 暗闇に戯れて 白さと文学的想像力
    4.7
    現代アメリカ文学を牽引し,その構図を一変させた稀有の作家による,革新的な批評の書.ウィラ・キャザー『サファイラと奴隷娘』,ポー,トウェイン,ヘミングウェイらの作品を通じて,アメリカ文学史の根底に「白人男性を中心とした思考」があることを明るみに出し,構造を鮮やかに分析すると共に,その限界を指摘する.

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  • 重力と恩寵
    4.7
    たとえこの身が汚泥となりはてようと,なにひとつ穢さずにいたい──絶え間なく人間を襲う不幸=重力と,重力によって自らの魂を低めざるをえない人間.善・美・意味から引きはがされた真空状態で,恩寵のみが穢れを免れる道を示す.戦火の中でも,究極の純粋さを志向したヴェイユの深い内省の書.その生の声を伝える雑記帳(カイエ)からの新校訂版.

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  • 北條民雄集
    4.7
    北條民雄(1914-37)は19歳でハンセン病の宣告を受け全生病院に入院してから僅か三年半で夭折した.隔離された療養所で様々な差別・偏見に抗しつつ身を刻むようにして記された彼の言葉は絶望の底から復活する生命への切望を証しする文学であった.川端康成によって見出されたこの稀有の作家の文章を,小説,童話,随筆,書簡,日記から精選する.

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  • タキトゥス 年代記 上 ティベリウス帝からネロ帝へ
    4.7
    1~2巻1,177~1,243円 (税込)
    『年代記』はローマ帝国初代の皇帝アウグストゥスの死(紀元一四年)から筆をおこし,以下ティベリウス帝からネロ帝の死(六八年)に至る四代五十五年の治世を物語る.人間の本性に肉迫してやまぬ洞察力,類まれな描写力.――この史書をひもとく者は,あたかも一篇の秀抜な歴史小説に接するかのごとき感を深くする.

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  • 吉野弘詩集
    4.7
    結婚式の祝辞としてよく引かれる「祝婚歌」、いのちの営みに静謐で温かい眼差しを投げかける「I was born」、現代における「受難」の意味を、心のやさしさに凝視める「夕焼け」‒‒‒‒。穏やかな語り口の、深い愛情に満ちた、鮮やかな抒情の音をひびかせる、吉野弘(1926―2014)のエッセンス。(解説=小池昌代・谷川俊太郎)

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  • 新版 第二集 きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記
    4.7
    戦局が破滅的様相を呈し始めた1943年12月、学業を中断されて戦地に向かった学生たちが、死と直面しつつ思索を重ねて遺した手記。本書は63年に『戦没学生の遺書に見る 15年戦争』の表題で刊行されたもの(のち『第二集 きけ わだつみのこえ』と改題)。長く読み継がれることを願い、学徒出陣60年を期して新たに校訂し直した新版。

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  • わが町・青春の逆説
    4.7
    人間はからだを責めて働かな嘘や――不撓不屈の精神で人力車引きをしながら孫娘を育てあげる男の、明治・大正・昭和にわたる波瀾万丈の生涯を描いた「わが町」。過剰な自意識に振り回される不器用な美貌の青年の成長を点綴した自伝的小説「青春の逆説」。織田作之助(1913-47)の代表的長篇二篇を収録。(解説=佐藤秀明)

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  • 鏡花随筆集
    4.7
    「外出の用を控えた人や働く方たちには、こう云っては失礼だけど、四時とも、私は雨が大好き……」(「雨のゆうべ」)。自然に風土に、生活に食に芸能に、そして思い出に――生活に根ざした随筆にこそあらわれる、もうひとつの鏡花の世界。多彩な題材と執筆時期の全55篇を収録。現代の読者のために詳細な注を付す、初の文庫版随筆集。

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  • 六白金星・可能性の文学 他十一篇
    4.7
    楢雄は頭も悪く、鈍臭く、ただ一つ蠅を獲るのが巧かった──。ずる賢く冷淡な兄、心根は優しいが強情な弟、身勝手でエゴイスティックな父、年とともに気弱になる母の関係を描いた「六白金星」のほか、大阪の庶民のねばり強い人生を描きつづけた織田作之助(1913-47)の戦後発表の代表作。(解説=佐藤秀明)

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  • 芥川龍之介選 英米怪異・幻想譚
    4.6
    芥川が選んだ「新らしい英米の文芸」は,まさに当時の「世界文学」最前線であった.旧制高校の英語副読本として編まれたアンソロジー八巻より,二二の短篇・エッセイを精選.ポーやビアス,スティーヴンソンから初邦訳の作家まで,芥川自身の作品にもつながる〈怪異・幻想〉の世界を,豪華訳者陣による翻訳で堪能する.

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  • ミヒャエル・コールハース チリの地震 他一篇
    4.6
    領主の不正により飼い馬と妻を失った馬商人が,正義の回復を求め帝国をも巻き込む戦いを起こす「ミヒャエル・コールハース」など,日常の崩壊とそこで露わになる人間の本性が悲劇的運命へとなだれ込む三作品を収録.カフカをはじめ多くの作家を魅了したクライストの,言葉と世界の多層性を包摂する文体に挑んだ意欲的新訳.

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  • 太平記 一
    4.6
    1~6巻1,111~1,650円 (税込)
    鎌倉幕府の滅亡に始まる南北朝の動乱.北条一族の終焉,楠正成らの知勇が支える後醍醐天皇の新政権,足利尊氏の離反と南朝北朝の分離,室町幕府の成立…….数十年にわたって列島を揺るがした巨大な戦乱を記す『太平記』全四十巻.後世に深甚な影響を与えた書の古態を伝える室町初期の「西源院本」に,初の校注を加える.(第一─八巻を収録)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 蘭学事始
    4.6
    福沢諭吉は友人とともに繰り返し『蘭学事始』を読んだが,『ターヘル・アナトミア』の原書を前にした玄白たちが「艫舵なき船の大海に乗り出だせしが如く」ただただ呆然とするばかりだったとある条に至るや,常に感涙し無言に終ったという.蘭学創始にあずかった先人たちの苦闘の記録は今も鮮烈な感動をよぶ.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 詩という仕事について
    4.6
    20世紀文学の巨人ボルヘスによる知的刺激に満ちた文学入門。誰もが知っている古今東西の名著・名作を例にあげ、物語の起源、メタファーの使われ方の歴史と実際、そして詩の翻訳についてなど、フィクションの本質をめぐる議論を分かりやすい言葉で展開する。ハーヴァード大学チャールズ・エリオット・ノートン詩学講義(1967-68)の全記録。

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  • ユートピアだより
    4.6
    目覚めると、そこは22世紀のロンドン――緑したたり、水は澄み、革命ののち人々が選びとった「仕事が喜びで、喜びが仕事になっているくらし」に、驚き戸惑いつつ触れてゆく「わたし」。社会主義者にして美術工芸家モリス(1834―96)のあらゆる実践と批判、理想と希望が紡ぎ出す物語。清新な訳文に、豊富な訳注を付す。(新訳)

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  • ブッダ最後の旅-大パリニッバーナ経
    4.6
    原始経典の中にはブッダの生涯は殆ど記されていない。だが彼の死は信徒にとって永久に忘れえぬ出来事であったのだろう。パーリ語本『大パリニッバーナ経』の中に、ブッダの死とその前後の事件が詠歎をこめて語られている。本書はこのパーリ語本を底本とし、サンスクリット本、漢訳本を参照して邦訳。巻末に周到詳細な注を付す。

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  • パイドン 魂の不死について
    4.5
    毒杯をあおぎ刑死するその日,ソクラテスは集まった弟子たちとともに「魂の不死」をめぐる探究に挑戦する.魂はいかにして肉体の死を超えうるのか.魂のあり方は人間の生き方にいかなる意味をもつのか.イデア論の豊かな可能性を切り開きつつ,主著『国家』へと続くプラトン哲学の代表的対話篇.文字を大きくし新解説を加えた改版.

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  • 葛飾北斎伝
    4.5
    浮世絵研究の先覚者として知られる著者(1840-1910)が,直接北斎を知る人からの聞書きや北斎自身の書簡などを素材に,極貧のうちに生きた画狂人の生涯を浮きぼりにした伝記.北斎の日常生活,著作,門人のことなどが詳細に記され,ゴンクール「北斎伝」にも影響を与えている.北斎にかんする基本文献といわれている貴重な書.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • マイケル・K
    4.5
    内戦下の南アフリカ.手押し車に病気の母親を乗せて,騒乱のケープタウンから内陸の農場をめざすマイケル.内戦の火の粉が飛びかう荒野をひたすら歩きつづける彼は,大地との交感に日々を過ごし,キャンプに収容されても逃走する.……国家の運命に巻き込まれながら,精神の自由を求めて放浪する一個の人間のすがたを描く,ノーベル賞作家の代表作.

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  • 孝経・曾子
    4.5
    「孝は徳の本なり,教えの由りて生ずる所なり」──孔子がその高弟曾子に,「孝」について説いた『孝経』.「孝」とは何か,「孝」によってあるべき世をいかに実現しうるかを語る本書は,『論語』とともに読み継がれ,東アジアの伝統的な道徳観の基底をなす,儒家の経典の一つ.曾子学派が師の言動と思想を伝える『曾子』を併収する.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • サラゴサ手稿(上)
    4.5
    1~3巻1,177~1,276円 (税込)
    ポーランドの大貴族ポトツキ(一七六一—一八一五)が仏語で著した大伽藍のような小説.フェリペ五世治下,シエラ・モレナの山中をさまようワロン人衛兵隊長アルフォンソの六十一日間の手記によって,彼が出会った謎めいた人々とその数奇な運命が語られる.作者没後,原稿が四散し,二十一世紀に全容が復元された幻の長篇,初の全訳.(全三冊)

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  • 源氏物語(一) 桐壺―末摘花
    4.5
    皇子に生まれ,幼くして母を亡くし,位人臣を極めた光源氏.その数多の恋愛を軸に,平安貴族の華やかで翳りある世界を描き尽くした,世界最古の長編物語の一つ.新日本古典文学大系版の厳密な考証に基づく全五四帖の原文に,最新の学術成果を盛り込んだ注解・補訳を付す.本冊には,桐壺から末摘花までの六帖を収録.(全九冊)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 俺の自叙伝
    4.5
    ロシア人を父に持ち,若くしてロシア,ヨーロッパを彷徨いトルストイの謦咳に接した.革命から逃れて日本に帰国,その後,東京の下層社会で極貧生活を送りながら旺盛な執筆活動を始める.才能を妬まれ虚言の作家と貶められ,文壇から追放された大正期のコスモポリタン作家が,生まれからデビューまで,数奇な人生を綴る.

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  • 冗談
    4.5
    絵葉書に冗談で書いた文章が,前途有望な青年の人生を狂わせる.十数年後,苦しみに耐え抜いたすえ,男は復讐をもくろむが…….政治によって歪められた1人の男の流転の人生と愛の悲喜劇を軸にして,4人の男女の独白が重層的に綾をなす,ミラン・クンデラ(1929-)の最高傑作.作家自らが全面的に改訂した決定版からの新訳.

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  • 芥川竜之介書簡集
    4.5
    1巻1,045円 (税込)
    芥川竜之介の残した全書簡から,代表的な書簡180通余を収録.芥川の書簡は,その生涯,文学,交遊を知るための第一級の資料であるとともに,芥川文学の「詩と真実」を最もいきいきと伝える作品の一つである.日本近代文学での書簡文学の名品に挙げられる.詳細な注解を付した.(解説=近藤信行)

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  • ビヒモス
    4.5
    主著『リヴァイアサン』で知られるホッブズ(1588-1679)の政治論はいかに構築されたのか.本書は著者晩年の代表作.世代の異なる2人の対話形式で,1640―50年代のイングランド内戦の勃発から王政復古までをたどった同時代史である.主権解体の原因と経過,その後の無秩序の分析に著者の歴史観がうかがえる.本邦初訳.

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  • 随筆 女ひと
    4.5
    「夏になると女の人の声にひびきがはいり,張りを帯びてうつくしくなる」.声,二の腕,あくび,死顔,そして蛇.齢六十を超えた作家が抱き続ける「女ひと」への尽きぬ思い.美男というにはほど遠い自分が女性の麗しさから離れられぬ哀しみとおかしみを軽やかに綴る.晩年の犀星ブームを導いた豊潤なエッセイ集.(解説=小島千加子)

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  • 日本の中世国家
    4.5
    「知識人社会の抜きがたい(…)仲間意識の源流を探りたいという現実的欲求が,本書の執筆を支えた,と言ったら,読者は笑うだろうか?」(「自歴略譜」より).律令国家解体のあとに生まれた王朝国家と,東国に新たに生まれた武家政権.中世国家の「二つの型」の構造と特質を,権力の二元性を軸に読み解く.(他一篇)

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  • 日本国憲法
    4.5
    戦後日本の憲法体制はいかにして成り立ち,その骨格とはどのようなものか.これを理解するのに欠かせない基本的な文書を集めた.日本国憲法のほか,英文日本国憲法,大日本帝国憲法,パリ不戦条約,ポツダム宣言,降伏文書,日本国との平和条約,日米安全保障条約を収録し,詳細な解説を付す.市民必携のハンディな一冊.

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  • 西行全歌集
    4.5
    願はくは花の下にて春死なんそのきさらぎの望月の頃――.山家集,聞書集,残集,御裳濯河歌合,宮河歌合ほか,現在知られている西行の和歌のすべて約2300首を集成.脚注のほか,詳細な補注・校訂一覧を付し,広く日本の詩歌に関心のある読者にとって読みやすいだけでなく,専門家の研究にも資する決定版.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 二百十日・野分
    4.5
    圭さんと碌さんの軽妙な会話を軸に,夏目漱石(1917―66)の阿蘇山旅行に基づき書かれた「二百十日」.若き二人の文学士と文筆に生きる男が,流動する社会に三人三様に向き合う姿を多面的に切り取った「野分」.先鋭な社会批評を中軸に据えた,長篇作家漱石誕生への橋渡しとなる二篇.改版(解説=小宮豊隆・出原隆俊)

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  • スケッチ・ブック(上)
    4.5
    1~2巻990~1,122円 (税込)
    「アメリカ文学の父」W.アーヴィング(1783-1859)の最高傑作.短篇小説ありエッセイありの雑記帳.上巻には,アメリカ版浦島太郎「リップ・ヴァン・ウィンクル」のほかに,おもに英国の風俗習慣を素描した,格調高い筆致の18篇を収録.上下巻あわせて日本語への翻訳史上初の全34篇を訳出.挿絵多数.(全2冊)[新訳]

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  • うたげと孤心
    4.5
    1巻1,089円 (税込)
    詞華集の編纂,歌合,連歌といった古典詩歌の創造の場としての「うたげ」,これに対峙する創作者たちの「孤心」.『万葉』『古今』,そして『梁塵秘抄』等々,日本詩歌史上の名作の具体的な検討を通して,わが国の文芸の独自性を問い,日本的美意識の構造をみごとに捉えた名著.豊饒なる詩のこころへの誘い.(解説=三浦雅士)

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  • 西遊記 1
    4.5
    1~10巻1,056~1,320円 (税込)
    東勝神洲傲来国は花果山にて石の卵から生れたサル、やがて仙術を身につけ故郷で王様になるも飽き足らず、招かれ出向いた天界では札付きの問題児。不老長生の蟠桃を盗み食い、玉帝の宴席を荒らして大暴れ、とうとう如来さまの手で山に封じられる。おなじみ孫悟空が新たな力を得ての活躍ぶり、まずはその誕生の様子から。(新訳)

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  • カント 実践理性批判
    4.5
    『純粋理性批判』において認識原理の批判を行なったカントは「第二批判」とよばれている本書において道徳原理の批判を主題とする。義務のための義務を説いた崇高な道徳観が厳密な論理によって展開されているばかりでなく、その行論の間にこの哲人の深い人間洞察をうかがうことができる。倫理学史上の不朽の古典。

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  • カラマーゾフの兄弟 1
    4.5
    暴力を否定し、調和的な愛を強調するこの作品は、作者最後のかつ最高の傑作で雄大な構想、複雑で緻密な構成、人間精神の深刻な把握、また人類の苦悩に対する深い理解と愛情とをもつ。淫蕩なフョードルを父に持つ三人の兄弟を主人公に、悪夢のような一家の形成から破滅に至るまでの複雑多岐な内容を短時日の事件の中に描き出す。

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  • パリ・ロンドン放浪記
    4.5
    インド帝国の警察官としてビルマに勤務したあとオーウェル(1903―50)は1927年から3年にわたって自らに窮乏生活を課す。その体験をもとにパリ貧民街のさまざまな人間模様やロンドンの浮浪者の世界を描いたのがこのデビュー作である。人間らしさとは何かと生涯問いつづけた作家の出発にふさわしいルポルタージュ文学の傑作。

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  • 七つの夜
    4.5
    1977年77歳の著者が七夜にわたって行った七つのテーマ――「神曲」「悪夢」「千一夜物語」「仏教」「詩について」「カバラ」「盲目について」――による講演。ボルヘスという謎、その秘密をそっと打ち明ける、格好のボルヘス入門。「悪くない。さんざん私に付きまとってきたテーマに関して、この本は、どうやら私の遺言書になりそうだ」

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  • 意識と本質 精神的東洋を索めて
    4.5
    東洋哲学の諸伝統の分析から得た根元的思想パターンを己れの身にひきうけて主体化し、その基盤の上に新しい哲学を生み出さなければならない。本書はこうした問題意識を独自の「共時的構造化」の方法によって展開した壮大な哲学的営為であって、その出発点には自分の実存の「根」が東洋にあるという著者の痛切な自覚があった。

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  • 新版 きけ わだつみのこえ 日本戦没学生の手記
    4.5
    酷薄な状況の中で、最後まで鋭敏な魂と明晰な知性を失うまいと努め、祖国と愛する者の未来を憂いながら死んでいった学徒兵たち。一九四九年の刊行以来、無数の読者の心をとらえ続けてきた戦没学生たちの手記を、戦後五○年を機にあらためて原点に立ちかえって見直し、新しい世代に読みつがれていく決定版として刊行する。

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  • 漱石文明論集
    4.5
    1巻1,012円 (税込)
    圧倒的な優位にたつ西洋文明を向うにまわし漱石は「自己本位」の立場を同時代のだれにもまして痛切に生きた。血のにじむようなその苦闘の跡を示す「現代日本の開化」「私の個人主義」など五篇の講演記録を中心に、かれの最も奥深いところから響いてくる肉声というべき日記・断片・書簡を抄録した。『漱石文芸論集』と対をなす。

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  • 文学とは何か 現代批評理論への招待(上)
    4.5
    欧米の文学理論の諸潮流を初心者にも分かりやすく解説するすぐれた入門講義。上巻では文学理論が対象とする「文学」とは何かを問うことから始め、十九世紀の英文学批評の誕生、現象学・解釈学・受容理論、構造主義と記号論について詳細に論じる。明確な視座に立ち、読者の思考を刺激し触発する、「二十世紀の古典」。(全二冊)

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  • 定本 育児の百科 (上) 5カ月まで
    4.5
    育児という未知の体験で日々不安に直面した多くの人々が本書によって導かれ、勇気づけられた。開業医としての経験の蓄積と内外の最新の医学書に目を通して改訂を続けた不断の努力による本書は、単なるハウツー本ではない。最晩年まで社会的活動を続けた著者の仕事の集大成であり、平易な言葉で書かれた思想の書である。(全3冊)

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  • 超国家主義の論理と心理 他八篇
    4.5
    日本ナショナリズムは、なぜ超国家主義(ウルトラ・ナショナリズム)へと突き進んだのか? 敗戦の翌年、日本軍国主義の精神構造に真っ向から対峙し、抑圧が下位に移されていく「抑圧委譲の原理」、それゆえの「無責任の体制」などを鋭く指摘し丸山の名を一躍高めた表題作。他に、冷戦下でのマルクス主義再検討など、著者の原点たる戦後10年の論考を集成。

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  • 宗教座談
    4.5
    「私は教師でも牧師でも神学者でも何んでもありません」。内村の思想・行動の中核をなす信仰とは学問的真理ではなく、自身の生に根ざした「事実」であった。なぜ信じるのか、なにを祈るのか――1900年、「ただの普通の信者」として率直な言葉で語られた理想的人間・社会論は、今なお新鮮である。(注・解説=鈴木範久)

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  • ジェイン・エア (上)
    4.5
    幼くして孤児となり、親類に疎まれ寄宿学校に入れられたジェイン。十八歳の冬、自由と自立を志して旅立つ――家庭教師として雇われた森深い邸で待つ新しい運命。自らの信念と感情に従って考え行動するジェインの率直で饒舌な語りは、今なお読者を魅きつけてやまない。ブロンテ姉妹のひとりシャーロット(1816-55)の代表作。新訳。(全2冊)

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  • 大学教育について
    4.5
    大学とは職業教育の場ではなく、専門知識に光をあてて正しい方向に導く一般教養の光明をもたらすところである。文学、自然科学、社会科学、道徳・宗教、芸術などの一般教養科目についてそれぞれの意義を述べながら、大学教育の原点と理念を指し示す。名高いセント・アンドリューズ大学名誉学長就任講演。(解説=竹内洋)

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  • 風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇
    4.5
    1巻1,089円 (税込)
    安吾、安吾、安吾──安吾とはいったい誰か。坂口炳五はいかにして安吾になったのか。〈求道者・安吾〉、〈落伍者・安吾〉、そして何よりも〈作家・安吾〉。冷酷に現実を見つめる〈鬼の目〉、そして〈いたわりの視線〉。安吾にとって、自伝的作品を書くことは、自分の思想や生き方と自分の過去との全面的対決であった。(年譜・解説=七北数人)

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  • ペドロ・パラモ
    4.4
    ペドロ・パラモという名の,顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく.しかしそこは,ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった…….生者と死者が混交し,現在と過去が交錯する前衛的な手法によって紛れもないメキシコの現実を描き出し,ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作.(解説 杉山 晃)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • まっくら 女坑夫からの聞き書き
    4.4
    「女も男と同じごと仕事しよったですばい」「どんなことにでも堂々とむかってやる,こい」.筑豊の炭鉱で働いた女性たちの声を聞き取り,その生き様を記録した一九六一年のデビュー作.意志と誇りを失わず,真っ暗な地の底で過酷な採炭労働に従事した彼女たちの逞しさが,生き生きと描かれている.(解説=水溜真由美)

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  • ドリアン・グレイの肖像
    4.4
    19世紀末、ロンドン。画家のモデルをつとめるドリアンは、若さと美貌を映した自らの肖像画を見て、自分自身はいつまでも若々しく、年をとるのは絵のほうであってほしいと願う――。快楽に耽り悪行に手を染めながらも若さを保ちつづけるドリアンと、かれの魂そのままに次第に恐ろしい醜悪な姿に変貌する肖像画との対比を描く。新訳。

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  • 二十四の瞳
    4.4
    1巻836円 (税込)
    日本人に記憶され続ける反戦文学の名作。瀬戸内の一寒村に赴任した若い女性教師と十二人の生徒の交流を描く。昭和初期から戦後までの二十数年にわたり、時代に翻弄されながら必死に生きるその姿を通して、戦争への怒り、悲しみが素朴な言葉で表現される。戦争の悲劇を二度とくり返させたくないという著者の思いが込められている。(解説=鷺只雄)

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  • 韓非子 第三冊
    4.4
    3~4巻1,078~1,210円 (税込)
    中国古代の法家思想の大成者とされる戦国末期の思想家韓非とその継承者の論著の集成。人間とは自分の利益を追求する存在であるという非情な人間観から、歯切れのよい文章で、法律・刑罰を政治の基礎だと説いてゆく。秦の始皇帝の法律万能の思想こそ、この法家思想であった。また、伝説・寓話に満ちた書としても有名である。付・索引。

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  • 童話集 風の又三郎 他十八篇
    4.4
    「これらのわたくしのおはなしは、みんな林や野はらや鉄道線路やらで、虹や月あかりからもらってきたのです。」ここには「風の又三郎」をはじめ、「セロひきのゴーシュ」「猫の事務所」「ざしき童子のはなし」「なめとこ山の熊」「グスコープドリの伝説」など、ふるさとの山や川に深く結ばれた作品を中心に十九篇を収めた。

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  • ゴルギアス
    4.4
    ソクラテスと三人の人物との対話は、弁論術が立身栄達の術とされている現実や若い人の実利主義的道徳意識などを次々と明るみに出す。プラトンは本編によって、個人の道徳と同時に政治の問題を追求し、アテナイの現実の政治に痛烈な批判を投げかけた。後に『国家』において発展させられた哲人政治の思想の第一歩である。

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  • 読書について 他二篇
    4.4
    前記『付録と補遺』の中から『思索』『著作と文体』『読書について』の三篇を収録。「読者とは他人にものを考えてもらうことである。一日を多読に費す勤勉な人間は次第に自分でものを考える力を失ってゆく。」――鋭利な寸言、痛烈なアフォリズムの数々は、山なす出版物に取り囲まれた現代のわれわれにとって驚くほど新鮮である。

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  • 漱石書簡集
    4.4
    漱石の手紙を読むとこの類まれな人物のあらゆる心の動きがその温もりとともに伝わって来るように感ずる。全集版におさめられた二二五六通の手紙から友人の正岡子規、妻の鏡子、弟子の寺田寅彦・小宮豊隆などに宛てた一五八通を選んで注解を付した。漱石を知るための基本資料であるばかりか、それ自身が見事な作品である。

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  • 漱石・子規往復書簡集
    4.4
    1巻1,034円 (税込)
    夏目漱石と正岡子規は、明治22年、高等中学校の同級生として出会い、寄席の趣味をとおして親しくなった。その友情は子規が明治35年、35歳で亡くなるまで終生変わることなく続いた。漱石が批評を求めて子規に送った俳句と子規の添削を含め、その間に交わされた手紙を年代順に収録した。(解説=粟津則雄)

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  • プラテーロとわたし
    4.4
    真っ青な空と真っ白な家が目にいたいほど明るい、太陽の町モゲール。首都マドリードで健康をそこなったヒメーネス(1881-1958)は、アンダルシアの故郷の田園生活の中で、読書と瞑想と詩作に没頭した。月のように銀色の、やわらかい毛並みの驢馬プラテーロに優しく語りかけながら過ごした日々を、138編の散文詩に描き出す。

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  • 久生十蘭短篇選
    4.4
    〈小説の魔術師〉として文学通の間で熱狂的なファンの少なくない、鬼才、久生十蘭(ひさおじゅうらん)(1902-1957)の精粋を、おもに戦後の短篇群から精選。世界短篇小説コンクールで第一席を獲得した「母子像」、幻想性の高い「黄泉から」、戦争の記憶が鮮明な「蝶の絵」「復活祭」など、巧緻な構成と密度の高さが鮮烈な印象を残す全15篇。

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  • 出家とその弟子
    4.4
    1高在学中から西田幾多郎に傾倒し、宗教文学に一境地を拓いた劇作家倉田百三(1891-1943)の代表作。浄土真宗の開祖親鸞を主人公とし、生き方に悩む多くの若い人々の心を捉えた本書は、のち各国語に訳され、海外にも数多くの読者を得た。ロマン・ロランのフランス語版への序文を付す。改版。(解説=谷川徹三 注・年譜=鈴木範久)

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  • トーニオ・クレーガー
    4.3
    「僕は旅に出るよ,リザヴェータ.新鮮な空気が必要なんだ」 芸術への愛と市民的生活との間で葛藤する繊細な青年トーニオ.自己を求めて遷ろい,かつて憧れた二人の幻影を見た彼は,何を悟るのか.トーマス・マン(1875-1955)の自画像にして数多の作家が愛読した名作が,原文のニュアンスに忠実,かつ読みやすい訳で蘇る.

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  • 夜間飛行・人間の大地
    4.3
    「夜の闇の中に橋を架ける必要がある」――夜空にひそむ美と脅威,人間の責務と幸福とのせめぎ合いを描く『夜間飛行』.アフリカ・南米航路の開拓者たちの命がけの挑戦や,現地の人々の気高さを語る『人間の大地』.生涯,飛行士として飛び続けた作家が,天空と地上での生の意味を問う代表作二作.原文の硬質な輝きを伝える新訳.

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  • 死せる魂(上)
    完結
    4.3
    全3巻792~858円 (税込)
    詐欺師チチコフは戸籍面では生きていることになっている死んだ農奴を買いあつめて,これを抵当にして銀行から金を引出すため,ロシア各地を遍歴する.作者はこの遍歴のなかで,随所に道徳的破綻者を発見し,それに対して鋭い社会的解剖を加え,腐敗したロシアの全貌と,その生活につつまれた「夢」とを白日の下に暴露して,誤った社会制度と国家組織に痛烈な批判を下す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 君たちはどう生きるか
    4.3
    著者がコペル少年の精神的成長に託して語り伝えようとしたものは何か.それは,人生いかに生くべきかと問うとき,常にその問いが社会科学的認識とは何かという問題と切り離すことなく問われねばならぬ,というメッセージであった.著者の没後追悼の意をこめて書かれた「『君たちはどう生きるか』をめぐる回想」(丸山真男)を付載.

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  • 日本橋
    4.3
    1巻770円 (税込)
    紅灯の街,日本橋を舞台に,芸者・お孝と清葉,医学士・葛木晋三,商人・五十嵐伝吾,四人の男女が激しく切なく交錯する物語.時代の風潮に抗して,女性に凛々しさ,哀しさを求めた作家は,華麗な言葉を全篇にまく様にして,愛の観念を謳い上げた.鏡花一代の名作,近代文学不朽の古典.(解説=佐藤春夫・吉田昌志)

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  • 戯曲 ニーベルンゲン
    4.3
    「最後のもっとも激しい戦いが始まるのだ.愛するもの同士が,首を絞めあう戦いがな.」ジークフリート,ブリュンヒルト,トロイのハーゲン….運命のいたずらか,王たちの嫁取り騒動は英雄の暗殺,そして骨肉相食む復讐に至る.中世ドイツの英雄叙事詩をリアリズムの悲劇へ昇華させた,ヘッベル(1813-63)晩年の最高傑作.

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  • アデュー エマニュエル・レヴィナスへ
    4.3
    さらば友よ.レヴィナスから受け継いだ「ア-デュー」という言葉.デリダによる応答は,レヴィナスの遺産を存在論や政治の彼方にある倫理,歓待の哲学へと導く.デリダがパンタン墓地で読み上げた弔辞と,集会「エマニュエル・レヴィナスへのオマージュ」で行った講演「迎え入れの言葉」を収録.

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  • 開かれた社会とその敵 第一巻 プラトンの呪縛(上)
    4.3
    ナチズムの虎口を脱したポパー(一九〇二―九四)は,亡命先のニュージーランドで,左右の全体主義と対決し,その思想的根源をえぐり出す大著の執筆に着手した.その第一巻では,プラトンを徹底的に弾劾,大哲学者を玉座から引きずりおろすとともに,民主主義の理論的基礎を解き明かしていく.政治哲学上の主著の全面新訳.全四冊.

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  • 精神の生態学へ(上)
    4.3
    現象に内在する精神とは? 精神のエコロジーとは? 科学と哲学をつなぐ基底的な知の探究を続けたベイトソンの集大成.その生涯にわたる思索の足取りをたどる.上巻はメタローグ・人類学篇.頭をほぐす父娘の対話から,隠喩と類比を信頼する思考の方法,集団間の緊張を高める「分裂生成」の型とそれを回避する「プラトー」の概念まで.

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  • 中江兆民 三酔人経綸問答
    4.3
    一度酔えば即ち政治を論じ哲学を論じて止まるところを知らぬ南海先生のもとに,ある日洋学紳士,豪傑君という二人の客が訪れた.次第に酔を発した三人は,談論風発,大いに天下の趨勢を論じる.民権運動の現実に鍛え抜かれた強靱な思想の所産であり,日本における民主主義の可能性を追求した兆民第一の傑作.現代語訳と注を付す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 根をもつこと 上
    4.3
    根をもつこと,それは魂のもっとも切実な欲求であり,もっとも無視されてきた欲求である.職業・言語・郷土など複数の根をもつことを人間は必要とする──数世紀にわたる社会的絆の破砕のプロセスを異色の文明観歴史観で辿り,占領下の祖国再建のために起草した私的憲法案.亡命先で34歳の生涯を閉じたヴェイユ渾身の遺著.(全2冊)

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  • ワシントン・スクエア
    4.3
    「父には,弱いといえるところが一つもないんですの」完璧な父を敬愛する,内向的で平凡な容姿のキャサリン.彼女の前に現れた,美貌で言葉たくみな求婚者――19世紀半ばのニューヨークを舞台に,鋭く繊細な会話と描写が,人間心理の交錯と陰影を映し出す.『ある婦人の肖像』とならぶ,ジェイムズ(1843-1916)初期の佳作.

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  • 石垣りん詩集
    4.3
    14歳で銀行に事務見習として就職し,定年まで家族の生活を一人で支えつづけた詩人,石垣りん.家と職場,生活と仕事の描写のうちに根源的な雄々しい力を潜ませた詩を書きつづけ,戦後の女性詩をリードした詩人のすべての詩業から,手書き原稿としてのみ遺された未発表詩や単行詩集未収録作品を含む,120篇を精選.

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  • ビアス短篇集
    4.3
    『悪魔の辞典』のビアス(1842-1914)はまた,芥川龍之介が「短編小説を組み立てさせれば彼ほど鋭い技巧家は少ない」と評した短篇小説の名手である.北軍の義勇兵として南北戦争の激戦地を転戦したビアスは,そこで人間の生死をつぶさに眺め,人間をみつめ,社会を知った.短篇集『いのちの半ばに』他から秀作15篇を収録.

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  • 功利主義
    4.3
    最大多数の最大幸福をめざす功利主義は,目先の快楽追求に満足しないソクラテスの有徳な生き方と両立する.人間生活全般の根本原理として,個人や社会が正義とともに個性や人類愛を尊重するよう後押しする功利主義のあり方を追究したJ..S.ミルの円熟期の著作(初版一八六三年).『論理学体系』の関連部分も併せて収録.

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  • モナドロジー 他二篇
    4.3
    「モナドには窓がない」という言葉で知られる単純な実体モナド.その定義に始まり,モナドが織りなす表象,予定調和の原理,神の存在と最善な可能世界の創造,物体の有機的構造,神と精神の関係まで,広範な領域を扱うライプニッツの代表作.「理性に基づく自然と恩寵の原理」ほか,関連する論文と書簡などを併収.新訳.

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  • 自由論
    4.3
    「本人の意向に反して権力を行使しても正当でありうるのは,他の人々への危害を防止するという目的での権力行使だけである」.大衆の画一的な世論やエリートの専制によって個人が圧殺される事態を憂慮したJ.S.ミル(一八〇六―一八七三)は,自由に対する干渉を限界づける原理を提示した.自由について考える際の最重要文献の明快な翻訳.

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  • 和泉式部日記
    4.3
    ものおもへば沢の蛍もわが身よりあくがれいづる魂かとぞみる――愛する男を失った式部が,神の力によって悩める魂を鎮めるべく貴船神社に詣でた折の歌である.この日記は,多くの男性遍歴の中で,とりわけ深い愛情を捧げた帥の宮との恋愛生活を,宮との贈答歌を中心に叙述したもの.式部研究第一人者による新校注.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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