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主著『リヴァイアサン』で知られるホッブズ(1588-1679)の政治論はいかに構築されたのか.本書は著者晩年の代表作.世代の異なる2人の対話形式で,1640―50年代のイングランド内戦の勃発から王政復古までをたどった同時代史である.主権解体の原因と経過,その後の無秩序の分析に著者の歴史観がうかがえる.本邦初訳.
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Posted by ブクログ 2018年09月17日
まだ、リヴァイアサンを通読できていませんが、先にベヒーモスを読んでみました。イングランド内戦の原因と経緯を踏まえて、主権論を検討しようというものと理解しました。
Posted by ブクログ 2015年04月06日
『リヴァイアサン』で知られるトマス・ホッブズの晩年の著作。イングランド内戦を体験した年長者Aとそれに質問や合いの手を入れる若年者Bの対話篇という形式をとっている。イングランド内戦の歴史的経緯を追うといっても、史実を細かく列挙するのとは少し趣を異にしている(というか日付の間違いなどの指摘が訳注などでな...続きを読むされている)。むしろ、イングランド王国が崩壊し、主権の担い手が変遷し、最終的に王政復古によって秩序が回復していく経緯に因果論的説明を加えていくのが本書の主旨だといってよいだろう。その意味で、第一部は、内戦勃発の原因を聖職者集団に求めるあたり、教会の力と国家秩序確立の努力が相反するに至った17世紀の経験を濃縮的に表現している。その後は内戦の経緯をたどりながら、王の処刑、クロムウェルの護民官就任、王政復古といった事件が語り出されていくが、いずれにしても、内戦という最大の悪を現出させた(とホッブズは考える)長老派や議会に対しては非常に手厳しい批評が加えられている。この悪を防ぐためには、誰にでも分かる正義の準則を大学で教えるしかないという主張は、『リヴァイアサン』に対する自負の念を窺わせる。また、「至高の権力」は民兵権であるという本書で度々強調される主張は、ホッブズの主権理論理解の参考にもなるだろう。
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