バジョットの作品一覧
「バジョット」の「イギリス国制論」「ロンバード街 ロンドンの金融市場」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「バジョット」の「イギリス国制論」「ロンバード街 ロンドンの金融市場」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
ビジネス・実用
Posted by ブクログ
上巻がイギリス国制についてダイレクトに触れていた一方、下巻では外国の国制(主にアメリカの大統領制やフランスの自由帝政)を引き合いに出しながらイギリス国制が論じられていた
更に、上巻では制度全体について触れられていた一方、下巻では制度の中身(内閣を構成する大臣や階級ごとの違い)が詳しく論じられていた
付された「第2版の序文」と「補論 選挙法改正について」は、後者が第二次選挙法改正で労働者階級全体に選挙権が付与される以前、前者はその以後に書かれたという違いはあるものの、論じられているのは一貫している。つまり、労働者階級全体に選挙権を与えること、ひいては民主制などは愚かなことであり控えるべきだ、という主張
現代に思えば貴族主義的だと思われるが、当時はそれが喫緊の問題として立ち現れていたため、危機感全開で書かれていて面白かった
解説も必読。本書を一読しただけではその膨大な分量と登場する比喩・例示・皮肉によって論旨を見失ってしまうが、解説がそれを上手に補完してくれる
イギリスの国制を「尊厳的部分」と「実効的部分」にわけ、とりわけ軽視されがちな尊厳的部分が喚起する「崇敬」と「恭順」の念が、如何に議院内閣制を維持するかを描き出した傑作
Posted by ブクログ
『エコノミスト』紙の編集長でもあった経済学者のバジョットが当時(1850〜60年代)のイギリス帝国の国制について述べた論文集
大体一段落に一つくらい英国人らしい皮肉が覗いたり、新聞の編集長としての職能か、文章が非常に明快だったりしたために、本格的な議院内閣制についての学術書でありながら大変読みやすかった
本書は内閣・君主・貴族院・庶民院という四つの部分で構成され、議院内閣制という制度とはどういうもので、どういう特長があって、どういう仕組みによって維持されているのか、について当時を生きている人間らしい現実的な文章で論じる
「イギリス国制がうまく機能している秘密は、行政権と立法権の密接な結合、ほぼ完全に近い融合として説明できるだろう。」と言って、むしろ三権が分立しているアメリカの大統領制は非効率的だと主張する点や、君主と貴族は民衆「恭順の本能」を掻き立てる機能において擁護されるという点など、非常に現実主義な人間性が感じられた
現代の政治における問題などはこの時代から変わっていないんだなと、人間の変わらなさとバジョットの先見の明を実感した
「現代の思想において大原則になっているのは、万事に寛容であれということばかりでなく、万事を吟味せよということでもある。」というのは、現代に正に当てはまる至言だと思う