【感想・ネタバレ】イギリス国制論 上のレビュー

あらすじ

ジャーナリストのウォルター・バジョット(1826-77)がイギリスの議会政治の動きを分析し,議院内閣制のしくみを描き出した古典的名著.イギリス国制を,国民の崇敬の念をかき立てる「尊厳的部分」と,実際に統治をおこなう「実効的部分」にわけ,それぞれの機能を斬新な視点から考察する.上巻では,内閣,君主,貴族院,庶民院を扱う.全2冊.

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Posted by ブクログ

『エコノミスト』紙の編集長でもあった経済学者のバジョットが当時(1850〜60年代)のイギリス帝国の国制について述べた論文集

大体一段落に一つくらい英国人らしい皮肉が覗いたり、新聞の編集長としての職能か、文章が非常に明快だったりしたために、本格的な議院内閣制についての学術書でありながら大変読みやすかった

本書は内閣・君主・貴族院・庶民院という四つの部分で構成され、議院内閣制という制度とはどういうもので、どういう特長があって、どういう仕組みによって維持されているのか、について当時を生きている人間らしい現実的な文章で論じる

「イギリス国制がうまく機能している秘密は、行政権と立法権の密接な結合、ほぼ完全に近い融合として説明できるだろう。」と言って、むしろ三権が分立しているアメリカの大統領制は非効率的だと主張する点や、君主と貴族は民衆「恭順の本能」を掻き立てる機能において擁護されるという点など、非常に現実主義な人間性が感じられた

現代の政治における問題などはこの時代から変わっていないんだなと、人間の変わらなさとバジョットの先見の明を実感した
「現代の思想において大原則になっているのは、万事に寛容であれということばかりでなく、万事を吟味せよということでもある。」というのは、現代に正に当てはまる至言だと思う

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2026年04月29日

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