【感想・ネタバレ】イギリス国制論 下のレビュー

あらすじ

ジャーナリストのウォルター・バジョット(1826-77)がイギリスの議会政治の動きを分析した古典的名著.選挙権のさらなる拡大が迫っていた当時,政治をいかに安定的に動かしていけるかが課題であった.下巻では,政権交代や議院内閣制の成立条件を扱うほか,第二版の序文を収録.現代の民主政治を考えるうえでも注目すべき考察が展開される.

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Posted by ブクログ

上巻がイギリス国制についてダイレクトに触れていた一方、下巻では外国の国制(主にアメリカの大統領制やフランスの自由帝政)を引き合いに出しながらイギリス国制が論じられていた
更に、上巻では制度全体について触れられていた一方、下巻では制度の中身(内閣を構成する大臣や階級ごとの違い)が詳しく論じられていた

付された「第2版の序文」と「補論 選挙法改正について」は、後者が第二次選挙法改正で労働者階級全体に選挙権が付与される以前、前者はその以後に書かれたという違いはあるものの、論じられているのは一貫している。つまり、労働者階級全体に選挙権を与えること、ひいては民主制などは愚かなことであり控えるべきだ、という主張
現代に思えば貴族主義的だと思われるが、当時はそれが喫緊の問題として立ち現れていたため、危機感全開で書かれていて面白かった

解説も必読。本書を一読しただけではその膨大な分量と登場する比喩・例示・皮肉によって論旨を見失ってしまうが、解説がそれを上手に補完してくれる

イギリスの国制を「尊厳的部分」と「実効的部分」にわけ、とりわけ軽視されがちな尊厳的部分が喚起する「崇敬」と「恭順」の念が、如何に議院内閣制を維持するかを描き出した傑作

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2026年06月25日

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