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原始経典の中にはブッダの生涯は殆ど記されていない。だが彼の死は信徒にとって永久に忘れえぬ出来事であったのだろう。パーリ語本『大パリニッバーナ経』の中に、ブッダの死とその前後の事件が詠歎をこめて語られている。本書はこのパーリ語本を底本とし、サンスクリット本、漢訳本を参照して邦訳。巻末に周到詳細な注を付す。
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Posted by ブクログ
ブッダが「ただの人」であった事がよくわかる。食中毒になって苦しんだり、疲れたから横になりたいと言ったり、チュンダに気を使ったり、本当に「ただの人」。 これは自分のような「ただの人」でもブッダのように悟りを開き、苦しみから解放されうるという希望でもある。 臨終間近の講話中に「若き人アーナンダー」が...続きを読む「ご婦人にばかり気がむいてしまう事」を相談する所がとても人間らしくてリアル。今その事を相談するかね?とも思うし、そんなだから2000年経っても「若き人」って書かれるんだなとも思う。 また、文章自体がめちゃくちゃ読みにくい。主語を変えて同じ言葉を繰り返したり、本当にただ繰り返したり。作文技術自体が未発達だったのか?とも考えてしまう。 大パリニッバーナ経成立時では、詩を読んだり、日記をつけたりすることは無かったのかな?作文技術が成熟する前の文章という意味でも興味深い。
◯全く月並みな感想ではあるが、師の入滅を聞いたアーナンダが、悲しくて閉じこもったところを、師に呼び戻され、諭されるところ、とても古い古典ではあっても、慕う人をなくすということの喪失感への寂しさや悲しさを感じる思い出深いシーンであった。 ◯しかし、過剰に神格化することや、教団を形成するための都合であ...続きを読むるとか、そういったことの入る余地がないシーンだけに、事実であるように感じられ、また、その際の師の教えも、虚飾なく、真実語られた言葉なのかなとも思えた。
亡くなった同僚僧の名前を次々と上げて、彼らはどうなったんだと聞いたり、ブッダが死んだらどうしていいのかわからないと縋り付いたりする、アーナンダとのやり取りが印象的。 ブッダは、それに対して決して明確に死後について語らない。自らの老いや寿命を率直に説いて、人は皆死ぬんだと諭す。その上で、ただブッダとそ...続きを読むの教えを守って正しく生きよと説くのみ。 宗教と聞いて、思い浮かべる奇跡とか超人的な力とは全く別次元、普通の人間としてのやり取りがある。そして、この悩みや対話は、数千年を経た我々にも全く同じ質量感で迫ってきます。 実は、本書を読む前に、本書については、五木寛之さんの百寺巡礼のインド編とNHKの100分de名著という番組の2系統の解説に触れています。 私の印象は、ひとりの老いた人間としてのブッダに焦点を当てた五木さんの解説に寄るところが多いものです。 NHKの番組の方は、番組のコンセプトに沿ってか、サンガという組織論に重点が置かれていて、それはそれで興味深いのですが、私は五木さんの読み方の方が好きです。
一周するとここに辿り着く本。 ウンベルト・エーコが「全編アクション、現代の読者が現実から逃避するために書物にもとめるすべて、セックス(それもたっぷり)、不倫、男色、殺人、近親相姦、戦争、虐殺、なんでもござれときている」とおちょっくっていた「聖書」とか、その親戚(「聖書」で反省したのかかなり堅物)の...続きを読む「クルアーン」よりは面白くないけど。
難しいので流し読みだったが、アーナンダとの絆は感じられた。 ニルバーナして、骨となってそれぞれに送られたとのこと。 古代インドの国名など、知識がついたらもっと面白いのだろう。
仏陀の死までの最後の旅を描いた仏典。 仏典にしては珍しくストーリー性が有り、 死という結末に向かって話が展開される。 阿南尊者が懇願すれば死ななかった事になっていたり、 地震が起こったりと神話的な描写もあるものの、 驚くほど人間らしい「死」の様子が描かれている。
釈迦の最期の日々が、事実・創作入り乱れて詳細に綴られている。 永遠の命であるはずの神格化されたブッダと、生身の人間として必ず臨終があるブッダに、どう整合性を持たせるか。 そんなことに後代、経典をつくった人々は悩んだに違いない。 もちろん、下痢をしたとか腹痛を起こしたなどの生々しい描写のほうが、惹きこ...続きを読むまれる部分だ。 詳細な訳注とともに読めば面白い。
『大般涅槃経』ともいいますが、お経のような難しいことが書いてあるのではなく、ひとつの物語調に書かれていてとても面白いです。
お釈迦様は、なくなる前に何を思われたのか。後悔されたりはしなかったのか。そんなことが知りたくて、この本を読みました。お釈迦様もお弟子さんも、「良く気をつけて、念じていて」来るべき時を慫慂と受けとめておられるようでした。すごいなぁ。 …師を喪う…お釈迦様は、ご自身がなくなった後は、年長の修行者を師と...続きを読むして仰ぐように言い残されました。私もある芸事で最近師を喪いました。が、根先輩が自ら「師」として立ちました…。人間の集団はお釈迦様の時代も現代も、同じような形で引き継がれていくのだ、と感慨を覚えました。
「悟った人」に対する超能力者とか完璧な人というイメージが打ち壊されます。 まず、ブッダが非常に「気配りの人」だった事が分かります。 食あたりを起こした食べ物を提供したチュンダが死後周りから責められないようにしたり、号泣するアーナンダに言葉をかけたりと、やさしい気遣いを見せています。 次は、組織を...続きを読む運営する長としてのブッダです。 教団の問題児チャンナには清浄な罰を加えなさい、と指示したり、自分の死後の色々と細かい事を指示したりしています。 そして、感情も残っています。死んだ人の名前を次々と挙げ、死後どうなったのかといちいち聞いてくるアーナンダーに対して、いかにもウザイなあ、みたいな反応をしています。 【引用です】 さて、アーナンダーよ。人間たるものが死ぬというのは、不思議な事ではない。しかしもしもそれぞれの人が死んだときに、修行完成者に近づいて、この意義を尋ねるとしたら、これは修行完成者にとって煩わしいことである。 さらに、これは驚きました。 「うるさい事を言う人がいなくなって清々した」みたいな事を言う人が死の直後に教団の中に居て、それがブッダの神格化の波が著しい仏典に残されている事が、非常に衝撃でした。細かい事に口うるさい人だったのかもしれません。 【引用です】 さて年老いて出家したスパッダはそれらの修行僧にこのように言った。 「やめなさい、友よ。悲しむな。嘆くな。われらはかの偉大な修行者からうまく解放された。(このことはしてもよい。このことはしてはならない)といって、われわれは悩まされていたが、今これからは、われわれは何でもやりたいことをしよう。またやりたくないことをしないようにしよう」と。 悟りを開いた人として、超能者で奇跡を起こして欲しいという信者の願いに反して、「疲れた、横になりたい」を何度も口にして、最後は食あたりで死んだブッダ。 これを読むと、より偉大な存在に思え、是非本人から直接教えを受けたかったと思うはずです。
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ブッダ最後の旅-大パリニッバーナ経
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中村元
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