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戦局が破滅的様相を呈し始めた1943年12月、学業を中断されて戦地に向かった学生たちが、死と直面しつつ思索を重ねて遺した手記。本書は63年に『戦没学生の遺書に見る 15年戦争』の表題で刊行されたもの(のち『第二集 きけ わだつみのこえ』と改題)。長く読み継がれることを願い、学徒出陣60年を期して新たに校訂し直した新版。
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Posted by ブクログ
戦死した学生の記録だが高学歴の人が多いのが気になる。もっと多くの若者が亡くなったことを思わなくては。
「国に殉ずるということ,戦死するということ-それは何も犠牲といわれるべきものではなくて,ある人間の,ある時代における生き方ー必死の力をこめた生き方そのものなのである.」(p.165 長門) 「故国のことは忘れ果てる.ただ知性の活動は瞬時も忘れてはならない.知性の修練,軍隊における知性の修練がどんな結...続きを読む果を生ずるか?それを実験して見せてやる.学徒士官の道を見よ!わが棘の道を見よ!」(p.204 松永) 文章力も人生観もとても敵わないと思った一方,残した人への思いや死への心持ちが切実で,同じ人間なんだなぁと. 「この地上に踏みとどまること,あの世へ逃げ込まぬこと-真個の宗教生活はそこから始まるのです.」(p.66 中澤) 戦時だからこそ,ほんとの宗教の必要性を見出せたのでは.近年は,争いの種になったり,金の匂いのするものになってしまった.でも,本当は困難な状況でも生きぬくための指針を示してくれるものなのだと.
「新版 第二集 きけ わだつみのこえ」日本戦没学生記念会編 戦没学生遺稿集。檜皮色。 なげけるか いかれるか はたもだせるか きけ はてしなきわだつみのこえ 嘆いていたのか 憤っていたのか はたまた 黙していたのか 彼ら海つ神、英霊が永遠に遺した言葉を聞きなさい というところでしょうか。 この...続きを読む巻頭辞にあるように、学を修めたのち、また学半ばにして召集され志願していった戦没学生たちが書き遺した思いは、単純においそれと解釈できるものではなく、 人道と国家の狭間におかれた懊悩、死を目前にしてふつふつと綴られる人間観、家族への愛、軍隊に在る矛盾やインテリの無力感など… 語弊はあるかもしれませんが、これ程深い教養を持った人たちが、死に際してからこそ遺しえた文章は、平和にしか生きていない僕たちにはあまりにも重く尊い。 アレルギーを起こさず、読まないと分からんもの。(5)
本物の声を、わたしは彼等と同じ年頃のときに読んだ 二十代の人には読んでほしい本 わたしの人生に欠かせない本
戦前の大学生は、現代の四流大卒の私の知識とは、比べものにならないぐらいに教養があって、文章の内容が私にはとても難しいのだけれど、でも、しかし、一方で死と向き合った若者がまず第一に家族、特に母親に対しての恋しさを文章にしているところが、お母さんが大好きな若い男の子、悲しくなりました。
第1集のときより具体的な生活ぶりがわかった気がする。かなり極限状態だと思うけど、思想や本からいろいろ考えてたりしていた。 日本が第二次大戦をやるのに反対で、負け戦とわかってる人もいてみんな思想統制されたわけじゃないとやっとわかった。
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