2025年10月17日公開の映画『おーい、応為』の原作のひとつに挙げられているので、読むことにした。
天才芸術家としての技能、経済観念に疎い浪費、赤貧、禁酒・禁煙、引っ越し好き、そして金や成功のために妥協しない、芸術家としての魂を売らない高潔な態度などが著者の筆によって明らかにされている。応為ももちろん登場するが、しかし、ほんの少し。とはいえ、「おーい、応為」は映画が脚色したダジャレではなく、本書にそういう名前の由来が触れられている。
本書の提示する葛飾北斎伝は人としてこうありたいと思うようなそれだった。