漱石追想

漱石追想

小説・文芸
1,155円 (税込)

5pt

5.0

「先生は相手の心の純不純をかなり鋭く直覚する。そうして相手の心を細かい隅々に亘って感得する」(和辻哲郎)。同級生、留学仲間、同僚、教え子、文学者や編集者、禅僧に担当医に芸者、ともに暮らした使用人や家族まで――同じ時間を過ごした四九人が語る、記憶のなかの素顔の漱石。

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漱石追想 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    漱石没後100年の今年、きっと関係書物がたくさん出るだろうと、わくわくしている。

    この本も、ほんとうによく編まれていて、作家としての漱石だけでなく、先生として、父として、どういう風に見えていたかがよくうかがえる。
    「すごい人」との出会いは、その人に大きな衝撃を与えるものである。
    衝撃は、もちろん点の力だ。だから、一点をさりげなく語っているのに、強く引き込まれる。

    冒頭の高浜虚子が、漱石が作家として世に出て行くのを寂しく感じる末尾に、虚子ほどの人でもこのような心持ちになるのかと思った。
    けれど、そこからはイヤな感じは受けなかった。
    また、先生としては、「この人は違う」と生徒自身が感じ、敬服していた話が多い。
    そこには、英語という言葉の背景を見んとした、言葉を言葉として見つめてきた、そんなエピソードが入っており、嬉しかった。

    父としての漱石を語る時の家族が、感じとして一番距離があるように思う。
    けれど、近いからこそ、掴めないことがある。
    躁鬱病であったと後から知り、ストンと心に落ちる様子などは、やはり家族である。

    こうして、様々な追想さえ、もう亡き人たちのメッセージである。
    かつての作家を、かつての人々が語る追想集に、自分が生きてこれを読んでいることの不思議さを感じずにいられない。
    書物は長い時間を経て、今尚在る。
    私はいつかは亡くなるまで、これを繋げてゆく役割を負うている。

    0
    2016年04月03日

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