風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇

風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇

小説・文芸
1,089円 (税込)

5pt

4.6

安吾、安吾、安吾──安吾とはいったい誰か。坂口炳五はいかにして安吾になったのか。〈求道者・安吾〉、〈落伍者・安吾〉、そして何よりも〈作家・安吾〉。冷酷に現実を見つめる〈鬼の目〉、そして〈いたわりの視線〉。安吾にとって、自伝的作品を書くことは、自分の思想や生き方と自分の過去との全面的対決であった。(年譜・解説=七北数人)

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  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    岩波書店
  • 掲載誌・レーベル
    :
    岩波文庫
  • タイトル
    :
    風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇
  • タイトルID
    :
    233346
  • ページ数
    :
    422ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年11月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    カレー100人前頼んだり覚醒剤中毒だったりとなかなか破天荒な印象がある安吾だけど、これを読む限り彼ほど真面目な人はなかなかいないと思った。どれも全部面白かった!あと、好きな短編の「私は海をだきしめていたい」が入っていて、久しぶりに読めて嬉しかった。

    中原中也や牧野信一が出てくるのも面白い。当時の文壇についてもっと勉強して読み返したい!

    0
    2026年08月07日

    Posted by ブクログ

    文学史で戦後文学に「無頼派」がある。「無頼」とは、辞書によれば「正業に就かず、無法な行いをする者、またはその行為」とある。つまり、きわめて反社会的な価値観である。
    しかし、「青年期」は、ゲーテが「疾風怒濤の時代」と呼んだように、内面の葛藤の時期。その時期に、善良で社会規範に合う人間像だけを求めるのは、大人の側の身勝手だ。青年を成長させるのは、無数の宿題よりも、全き一人旅であり、燃える恋であり、慣れぬ社会での労働だ。「無頼」の精神は、自己を模索する青年期にこそふさわしい。
    坂口安吾は、新潟市出身。私は以前、同地の海浜にある彼の文学碑を訪れた。そこは、彼が中学校時代に学校をさぼって空を眺めた場所。そこに立つ、日本海を臨む石碑には「ふるさとは、語ることなし」とある。
    「無頼」のもう一つの意味は、文字通り「たよるべきところのないこと」。「無頼派」の作家たちの身を削る人生とその創作は、何者にも頼らず、己だけを頼みにした者たちの壮絶さそのものだ。
    いや、それも違うかもしれない。「私は、私自身の考えることも一向に信用してはいないのだから」(「私は海を抱きしめていたい」)。
    自分自身の言葉を「虚偽」であり、生活も「虚偽」であるとする「私」は、「無償の行為」を想い続ける。しかし、息をひそめ、耳を澄ましても、私自身が何者かは見つからない。「いずこへ?いずこへ?私はすべてがわからなかった」(「いずこへ」)。(K)

    「紫雲国語塾通信〈紫のゆかり〉」2011年6月号より。

    0
    2022年09月05日

    Posted by ブクログ

    自伝的小説を集めたもの。『オモチャ箱』の主人公・牧野信一の作品を読みたくなった。
    この作品群を読んだ後に、巻末の年譜を読むのがまた面白い。

    0
    2022年01月09日

    Posted by ブクログ

    ‪語れば語るほど自分の言葉になるような。然し、表面だけの偽善的な言葉のようにも思える。‬
    ‪もっと、思考に対する時間的密度が必要なのか。‬
    ‪そして、時間を経てものになった言葉たちは果たして真実のものなのか。‬
    ‪前を向き後ろを向き、右、左、さてここは何処か。私は何処へ向かっているのか。‬
    考えれば考えるほど暗い。
    ただ然し、暗いこと、思い悩むこと、分からなくイライラすること、そんな類のものは何か次に進むための兆候があるのだろうと考え、希望は捨てず考え耽る。
    ある時、顧みると人間に近づいているのかなという自分。
    そしてまた考える。

    坂口安吾、自己との全面対決。
    その決意が読み進めると伝染し、結果そうなっている。
    もっと、もっと自分を知りたい。
    僕にとってそんな思いが強くなる本でした。

    0
    2019年09月15日

    Posted by ブクログ

    表題作「風と光と二十の私と」を読みました。
    主人公が抱く不安や、人生の一つの時期に、
    自分自身を重ねて読む人は多いのではと思います。

    0
    2011年06月04日

    Posted by ブクログ

    あんごすきだー
    結婚したいたぶんうまくいかないけど
    平気なふりしてるけど、奥底がこういうへなちょこなひとをみると愛しくて愛しくてたまんなくなる
    かわいいひとだなぁ

    「だが私は何事によって苦しむべきか知らなかった。私には肉体の欲望も少なかった。苦しむとは、いったい、何が苦しむのだろう。私は不幸を空想した。貧乏、病気、失恋、野心の挫折、老衰、不和、反目、絶望。私は充ち足りているのだ。不幸を手探りしても、その影すらも捉えることはできない。叱責を恐れる悪童の心のせつなさも、私にとってはなつかしい現実であった。不幸とは何物であろうか。」

    「『憎んでいる?』
     女はただモノうげに首をふったり、時には全然返事をせず、目をそらしたり、首をそらしたりする。それを見ていること自体が、まるで私はなつかしいような気持であった。遊び自体がまったく無関心であり、他人であること、それは静寂で、澄んでいて、騒音のない感じであった。」

    「虚しい形骸のみの言葉であった。私は自分の虚しさに寒々とする。虚しい言葉のみ追いかけている空虚な自分に飽き飽きする。私はどこへ行くのだろう。この虚しい、ただ浅ましい一つの影は。」

    で、やっぱり私は海を抱きしめていたいが大好きなのね。

    「『じゃ、あなたは、私の路傍の人なのね』
     『誰でも、さ。誰の魂でも、路傍でない魂なんて、あるものか。夫婦は一心同体なんて、馬鹿も休み休み言うがいいや』
     『なによ。私のからだになぜさわるのよ。あっちへ行ってよ』
     『いやだ。夫婦とは、こういうものなんだ。魂が別々でも、肉体の遊びだけがあるのだから』」

    「私は、肉慾自体が私の喜びではないことに気付いたことを、喜ぶべきか、悲しむべきか、信ずべきか、疑うべきか、迷った。」

    「肉慾すらも孤独でありうることを見出した私は、もうこれからは、幸福を探す必要はなかった。私は甘んじて、不幸を探しもとめればよかった。
     私は昔から、幸福を疑い、その小ささを悲しみながら、あこがれる心をどうすることもできなかった。私はようやく幸福と手を切ることができたような気がしたのである。
     私は始めから不幸や苦しみを探すのだ。もう、幸福などは希わない。幸福などというものは、人の心を真実なぐさめてくれるものではないからである。かりそめにも幸福になろうなどと思ってはいけないので、人の魂は永遠に孤独なのだから。そして私は極めて威勢よく、そういう念仏のようなことを考えはじめた。」

    0
    2012年10月15日

    Posted by ブクログ

    色恋沙汰の話は興味が湧かず読むのがダルかったが、行雲流水の教員時代、悟りを目指したが鬱になってしまった学生時代、暇なショクタク時代、「わが思想の息吹」などはとても興味深かった。なんというか、安吾は人生を通して青臭かったというか…自ら人生をベリーハードモードに設定し続けた人というか…。た、体力あるなあ…。

    0
    2025年11月25日

    Posted by ブクログ

    「白痴」が読みたくて買ったけど、「いずこへ」が良かった。
    生活臭を部屋に持ち込みたくない気持ちに共感した。

    0
    2010年04月25日

    Posted by ブクログ

    安吾は語る,私とは。

    自伝的作品ということで,その背景も知りながら読んだ方がよかったのかな。無頼派,あまり詳しいことは知らない。ここに描かれているのが,安吾の姿なのだろうか。真面目で,適当に世の中を生きていくのは難しい。だからいい人の振りをしてみたり,そんな自分を客観的に眺めたり。自伝的に物語りつつ,創作しているというところが,自分さえ外側から眺められるほどの真面目さを感じさせた。

    0
    2017年08月14日

風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇 の詳細情報

  • カテゴリ
    :
    小説・文芸
  • ジャンル
    :
    小説 / 国内小説
  • 出版社
    :
    岩波書店
  • 掲載誌・レーベル
    :
    岩波文庫
  • タイトル
    :
    風と光と二十の私と・いずこへ 他16篇
  • タイトルID
    :
    233346
  • ページ数
    :
    422ページ
  • 電子版発売日
    :
    2013年11月29日
  • コンテンツ形式
    :
    EPUB
  • サイズ(目安)
    :
    2MB

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