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深夜の見舞客
人気シリーズ〈当節怪談事情〉の第三弾! 表題作を含む全五編を収載。現代社会のありふれた場を舞台に奇妙な恐怖譚が次々と語られていく。◆第一話「近道」:団地と駅を結ぶ普段は通らない近道に足を踏み入れた妙子が目にしたものは―。◆第二話「宙吊り」:トラブルで宙吊り状態のロープウェイ。密室での事故がさらなる悲劇を呼ぶ。◆第三話「深夜の見舞客」:新入社員の真衣は社長の入院に一人付き添うことに。真夜中に訪れた客は…。◆第四話「幽霊の椅子」:ベテラン社員の久仁子は停年退職後もなぜか出社を続ける。次第に社内には息苦しさが広がる。◆第五話「涙の味わい」:映画監督の武藤に新作の監督依頼が舞い込む。主役に無名の女優を据えることが依頼の条件だった。 -
仔羊の巣 ひきこもり探偵シリーズ2
季節はめぐり、僕、坂木司と鳥井真一の間にもゆっくりと変化の兆しは訪れていた。ひそやかだが確実な羽ばたきの予感、それが僕を不安にさせる。鳥井がひどい風邪をこじらせたある日、僕は同僚の吉成哲夫から、同期の女性の様子がおかしいと相談される。病気の鳥井に代わって慣れない探偵役をつとめることになった僕は・・・・・・。また、木工教室を開くようになった木村栄三郎さんのもとで出会った男性、そして地下鉄の駅構内で見掛けた少年が抱える悩み、そして僕自身に降りかかる悪意の連続、それらの真実を鳥井はどう解くのか――。坂木と鳥井に加わる、新たな仲間と風。ひきこもり探偵シリーズ第二弾。 -
二度のお別れ
《黒川博行警察小説コレクション》 4月1日午前11時34分、三協銀行新大阪支店に強盗が侵入。400万円を奪い、客の一人をピストルで撃ったのち、彼を人質にして逃走した。大阪府警捜査一課は即刻追跡を開始したが、強奪金額を不服として犯人は人質の身代金1億円を要求、かくして犯人と捜査陣の知恵比べが始まる。名手の記念すべきデビュー作となった、シリーズ第1弾! ※本作品はKADOKAWA/角川書店、東京創元社、文藝春秋で同一タイトルの作品が販売されております。本編内容は同じとなりますので予めご了承下さい。既に同作品をご購入されているお客様におかれましてはご注意下さい。 -
刑事葛城
【電子版限定特典!】 電子版には、シリーズ第二弾「刑事葛城 届かない警告」の冒頭試し読みを収録しています。 〈どんでん返しの帝王〉が放つ新シリーズ! 緊迫の警察×心理ミステリー 「戦場に物的証拠は存在しない」 年がら年中、人を殺す方法ばかり考えているミステリー書きが絶えず念頭に置いていたテーマがこれだ。今回、やっと使えることと相成った。他のシリーズでちょくちょく顔を見せている葛城公彦。優しいが平凡極まりない男が非凡な事件に挑む。 乞うご期待。 ――中山七里 【人物紹介】 ・葛城公彦 警視庁捜査一課の刑事。暴力団とトクリュウの銃撃戦で死亡した警察官の死に違和感を覚え、捜査を進める。 平凡な風貌と柔らかな物腰で相手の懐に入り込み、本音を引き出す。罪は憎んでも、犯人は憎まない。 ・紅島雛多 新宿署刑事課の刑事。警官殺しが発生した「新宿騒乱」の現場に出動し、壮絶な銃撃戦を潜り抜けた。 葛城とコンビを組み、事件の真相を追うことに。 戦場と化した歌舞伎町で額を撃ち抜かれた警察官。 誰もが殉職を疑わなかった。葛城を除いて―― -
あなたには、殺せません
「犯人だって、好きで犯罪に走ろうとしているわけではありません。必ず迷いがあります。その段階でうちに来てもらえれば、犯罪の発生を未然に防ぐことができます」──そのNPO法人には、罪を犯すか悩む人が相談にやってくる。相談員はそんな犯罪者予備軍たる人々から聞き出した犯行計画の穴を次々と指摘していく。相棒の剽窃に怒るミュージシャン、夫の罪が露見することを恐れる妻、想い人の死に復讐を決意した大学生……。不備を突かれた者たちの殺意は、果たして本懐を遂げるのか。犯罪発生を未然に防ぐ!? 新しい形の倒叙ミステリ短編集!/【目次】五線紙上の殺意/夫の罪と妻の罪/ねじれの位置の殺人/かなり具体的な提案/完璧な計画/解説=若林踏 -
あなたが正しくいられたとき
その正義、正しい? 驚愕の反転ミステリー どんでん返し×驚愕の心理トリック そのときあなたの“正義“が揺さぶられる 『嘘と隣人』が直木賞候補、『夜の道標』で日本推理作家協会賞(長編および連作短編集部門)を受賞した芦沢央さんの最新短編集です。 日常に潜む人間の心の歪みや、「正しさ」が孕む危うさを鋭く描き出した6編を収録しています。どの物語も、登場人物が信じる「正しさ」が、思わぬ悲劇や皮肉な結末を呼び起こし、人間の心理を深くえぐる筆致に価値観が激しく揺さぶられます。 鮮烈な印象を残すのが、表題作の「あなたが正しくいられたとき」。 同窓会で再会した元カノ・黒川の娘が川に落ちるという、衝撃的な場面から物語は始まります。主人公の窪田はとっさに川へ飛び込み、少女を救助します。自らの行動を「正しい」と信じて疑わない窪田ですが、物語が進むにつれて意外な真相が明らかになり――。 「窪田くんは、正しい人だよね」「物語に出てくるヒーローみたい」と黒川に言われる窪田の「正しさ」とは何なのでしょうか。 現代社会の不安を巧みに掬い取った「立体パズル」もまた、忘れがたい一編です。 主人公の幼稚園児の息子と同い年の子どもが、「子どもは静かにするもんだろうが」と主張する犯人に殺されるという事件が起こります。 犯人はかつて神童と呼ばれたエリートでした。その犯人が、主人公が住む街をうろついているらしいという噂が流れます。子どもの安全を守りたいという親としての「正しさ」が行きついた先とは……。 本書に収められた6つの物語は読者の心に鋭い棘を残します。登場人物たちの行動は、決して他人事ではありません。損をしたくない、誰かを守りたい、過去の過ちを正したい――。誰もが抱く切実な思いが、「正しさ」という名のナイフに変わる瞬間を、芦沢さんは描きます。 あなたが信じる正義は、本当に正しいのか。読み終えた後、その問いが深く胸に突き刺さる、傑作短編集です。 -
痛い人たち
矢場北太郎というお笑い芸人が主人公のサスペンスフル・ミステリー。 この鳴かず飛ばずの主人公は、早朝にネタを考えながらランニング中に 死体を発見してしまう。警察の聴取などで、番組の放送にはギリギリになった 北太郎は笑いもとれず、他の番組出演者に食事をおごらなくてはいかなくなる。 また別の日にも、殺人事件の死体の第一発見者になって・・・。 さらに出演するテレビ局でも殺害現場に巻き込まれてしまう! 「なぜ、自分ばかりが第一発見者になるのか」芸人仲間と容疑者を探すが、 なかなかたどり着かない。誰が、何のために?が判明すると、 まさに笑えない(汗)戦慄の結末! -
あなたへの挑戦状
競え、プライドを賭けて。 挑め、敬愛を込めて。 業界最注目ミステリ新世代、激突。 「奇怪な城の密室殺人」 VS. 「死体と眠る犯人」 ☆☆☆ 本書には、あなたへの挑戦状が含まれています。 気鋭の若手二人が、あなたへの挑戦状という共通テーマで小説を書いて競い合う! 阿津川辰海「水槽城の殺人」 ――巨大な水槽のある円柱型の建物「水槽城」で怪死事件が発生。犯行当時、水槽で現場は隔離されていた。 斜線堂有紀「ありふれた眠り」 ――犯人は犯行後、死体の横で一晩眠っていた。才能あふれる妹を持つ凡人の兄は、とある秘密を妹に話せずにいた。 競作過程を描いた競作執筆日記とミニ対談も収録。作家のプライドと友情がここに。 -
ナッハツェーラーの城 或いは最後の〈奇書〉
謎の失踪を遂げた探偵作家と、彼の未完原稿をめぐり起こる殺人事件―― 小栗虫太郎『黒死館殺人事件』(1935)、夢野久作『ドグラ・マグラ』(同)、中井英夫『虚無への供物』(1964)は「日本ミステリー三大奇書」と呼ばれ、現在も人気を誇っている。 過去、多くの作家が「第四、第五の奇書」を目指してきた。 本作の主人公・倉賀野影比古もその一人。彼は敬愛する先輩・御霊神矢が失踪直前、「第●の奇書」ならぬ「最後の奇書」を名乗る『ナッハツェーラーの城』という未完の原稿を残していたことを知り、その完結篇を書き継ぐことを思いつく。 しかし御霊の遺族が住む「畸幻館」を訪ねた倉賀野は、そこで謎めいた連続殺人事件に巻き込まれる……。 はたして「最後の奇書」の正体とは? 〈新変格推理小説〉を標榜する注目の作家による、渾身の書き下ろし。 ◆◆◆3氏推薦◆◆◆ 竹本健治 飛鳥部勝則 白井智之 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 装画は、国内外のメタル・バンドのアートワークを手掛ける画家・イラストレーターの江川敏弘氏。 -
有罪、とAIは告げた
AI介護ロボットが、人に殺意を抱く日。 都内で一人暮らしをしていた浅沼啓造が突然死した。心臓にペースメーカーを埋め込んでいた啓造の死因は虚血性心疾患と判断された。だが警視庁捜査一課の犬養は、介護のために導入され、リタと名付けられたロボットN365に注目する。果たして、リタに内蔵された害獣駆除用の超音波と電磁波が、啓造の死亡時間直前に発振されたことが明らかになった。これによりペースメーカーが停止、啓造を死に至らしめた可能性が浮上する。捜査本部は、事件はN365の異常行動によるものとし、製造元〈マッカーシー・エクスペリメント〉社を業務上過失致死傷で立件しようとした。だが上層部が打ち出したのは、リタ本体を殺人容疑で起訴するという前代未聞の方針だった。 この裁判を担当することになった東京地裁の判事補・高遠寺円は、事前に被告人との面談に臨む。最新AIを搭載したリタとの会話に妙な人間臭さを感じ、おののく円。AIは人格を持つのか、ならば人間との違いはどこにあるのか。これは〈ヒトであること〉を再定義する裁判になる――。 AIがヒトに〈殺意〉を抱く可能性はあるのか。AIとの共存共生が現実になるなかで、われわれの未来を問うリーガル・ミステリ。 -
リーガル・ピース!
裁判せずにあなたのトラブル、解決します――。 上司の収賄疑惑が原因で退職に追い込まれた明日花は、“和解の達人”と呼ばれる弁護士・津原と出会う。終始薄い笑みを絶やさず掴みどころのない彼の周りには、一流の専門知識を持ちつつもクセが強すぎる仲間が集まっていた。賄賂の真相を知るため津原に依頼した明日花だが、個性的な仲間も巻き込み事件は思わぬ展開に……。 「それってどっちが正しいの?」「世の中、白か黒かじゃない。グレーな答えが人を幸せにすることもある」。最強チームが織りなす、新感覚のリーガル・エンターテインメント開幕! -
ぎんなみ商店街の事件簿
前代未聞の“パラレル・ミステリー”! 古き良き商店街で起きた不穏な事件に、三姉妹が挑む! 〈Brother編〉では、四兄弟が探偵役。手がかりは同じでも、導き出される真相はまったく別で……事件に隠された、もうひとつの真実を知るには〈Brother編〉との両面読みがオススメです! ぎんなみ商店街に店を構える「串真佐」の娘、佐々美、都久音、桃。ある日、近所の商店に車が突っ込む事故が起きた。運転手は、食べていた焼き鳥の串が喉に刺さり即死。詮索好きの友人を止めるため、都久音は捜査に乗り出す。まずは現場で目撃された謎の人物を捜すことに。(第一話「だから都久音は嘘をつかない」) 交通事故の謎を解いた三姉妹に依頼が。中学校で起きた器物損壊事件の犯人を捜してほしいという。現場には墨汁がぶちまけられ、焼き鳥の串が「井」の字に置かれていた。これは犯人を示すメッセージなのか、それとも?(第二話「だから都久音は押し付けない」) 「ミステリーグルメツアーに行く」と出掛けた佐々美が行方不明に!? すわ誘拐、と慌てる都久音は偶然作りかけの脅迫状を見つけてしまう。台風のなか、姉を追う二人に、商店街のドンこと神山が迫る!(第三話「だから都久音は心配しない」) ※この作品は過去に単行本として配信されていた『ぎんなみ商店街の事件簿 ~Sister編~』 の文庫版となります。 -
三人書房
大正8年(1919年)東京・本郷区駒込団子坂、平井太郎は弟二人とともに《三人書房》という古書店を開く。二年に満たない、わずかな期間で閉業を余儀なくされたが、店には女優・松井須磨子の遺書らしい手紙をはじめ、奇妙な謎が次々と持ち込まれた──。同時代を生きた、宮沢賢治や宮武外骨、横山大観、高村光太郎たちとの交流と、数々の不可解な事件の顛末を、若き日の平井太郎=江戸川乱歩の姿を通じて描く。第18回ミステリーズ!新人賞を史上最高齢の69歳で受賞した著者による、滋味深い連作集。/【目次】三人書房/北の詩人からの手紙/謎の娘師/秘仏堂幻影/光太郎の〈首〉/文庫版あとがき/解説=辻真先 -
青の純度
その「青さ」は、本物か――? 最年少で管理職となり、仕事一筋で駆け抜けてきた編集者・有沢真由子。 五十歳の誕生日を迎え、つかの間の息抜きに訪れたリゾートホテルで、彼女は一枚の絵画と出会う。 ジャンピエール・ヴァレーズ――バブルの時代に煌びやかな海中画で大衆の心を掴み、一方で当時悪質商法が話題にもなった、“終わった画家”。 かつて鼻で笑っていた彼の絵に、不覚にも安らぎを覚えた真由子だったが、ほどなくして都内の外資系ホテルでヴァレーズの原画展が行われるという情報を得る。 なぜ今再び、ヴァレーズなのか? かつての熱狂的ブームの正体とは? 違和感を手繰り、真由子は単身ハワイの地を目指す――。 煌びやかな「バブル絵画」の裏に潜んだ底知れぬ闇に迫る、 渾身のアート×ミステリー大長編! 【著者略歴】 篠田節子(しのだ・せつこ) 1955年東京都生まれ。90年『絹の変容』で小説すばる新人賞を受賞し、デビュー。97年『ゴサインタン』で山本周五郎賞、『女たちのジハード』で直木賞、09年『仮想儀礼』で柴田錬三郎賞、11年『スターバト・マーテル』で芸術選奨文部科学大臣賞、15年『インドクリスタル』で中央公論文芸賞、19年『鏡の背面』で吉川英治文学賞、2020年紫綬褒章を受章した。他の著書に、『夏の災厄』『弥勒』『ブラックボックス』『長女たち』『失われた岬』『セカンドチャンス』『四つの白昼夢』『ロブスター』など多数。 -
昭和探偵物語
『永遠の仔』『悼む人』……感動を送り続ける著書の進化、一大エンターテインメント誕生! ビートルズが日本を訪れてコンサートを開いた一九六六年。昭和四一年。日本の片隅で、或るおぞましい事件が起きた。私にとっては、忘れがたい……というより、いまなお当時の光景といい、匂いといい、感触といい、生々しい記憶で胸が焼かれるような想いがする事件である。加えて、あの悲しみに満ちた出来事には、表向き解決した内容――すなわち、裁判になったり、新聞記事になったりした事実とは、また別の驚くべき真相がある。たとえば被害者の数は、公表された数よりも、はるかに多かった。――「プロローグ」より -
不等辺五角形
避暑地の別荘で、事件は起こった。三十歳を間近に控え、久しぶりに顔を揃えた五人の男女。インターナショナルスクールで出会って以来二十年以上の付き合いになる重成、聡也、梨愛、夏澄、雛乃は、海外赴任が決まった重成の送別も兼ねて、葉山にある聡也の別荘で旧交を温めていた。ところが深夜、雛乃が頭から血を流した状態で死体となって発見される。続けて梨愛が「私が殺したの」と告げ、警察に連行されてしまう。五人の関係は、一夜にしてひとりが被害者に、ひとりが被疑者になる悲劇へ転じた。幼馴染みの面会も拒否し、殺害の動機を語ろうとしない被疑者。弁護士は、残された関係者三人の証言をあつめる。しかし、同じ出来事を語っていても、当事者たちの思惑は三者三様に異なり、証言を重ねるごとに人物像と関係性はめまぐるしく変貌していく。果たして五人の間には何があったのか。あの夜、なぜ事件は起きたのか。関係者の証言から展開される、息を呑む心理劇の結末は――。 -
電報予告殺人事件
ヴィクトリア朝大英帝国の巨大情報網の核となった電信事業。それを担う一員である電信士ローラ・テンパートンは、仕事と家庭を持つという夢の間で悩む日々を送っていた。ある晩、彼女は電信局を訪れた局長アクトンの甥ネイト・ホーキンスを案内するが、アクトンは密室と化した局長室で死体となって発見された。容疑者と目されたネイトの無実を確信したローラは、自らの職能を活かして調査に乗り出す。翌日、警察署には謎めいた電報が届くが、そこには被害者アクトンともう一つ別の名が記されており……。本格ミステリならではの趣向を随所に凝らした第三十三回鮎川哲也賞受賞第一作。 -
巨鳥の影
心の不思議にせまる長岡ミステリーの醍醐味! 窮地に陥った時、人は何をするのか? ーー長岡弘樹が紡ぎ出す短編には、考え抜かれ、磨き上げられた短さのなかに奥深さがある。ーー宇田川拓也(ときわ書房本店) 生活のなかで、ふとした心の隙間に忍び込む殺意や悪意が、蟻や、鳥、魚、犬、プラナリアなど、さまざまな生物と絡んで事件が発生する。 のぞきや、泥棒、殺人など、犯罪の背後にあるドラマを描き、謎解きだけではないミステリーの魅力を放つ。 その根底には温かなまなざしと伏線のしかけがめぐらされている。 心の揺れや、ゆがみが引き起こす犯罪&どんでん返しの妙を堪能する8篇の極上ミステリー。 仕事中の刑事が給油に立ち寄ったガソリンスタンドで、勤務していたのは外国人だった。そのとき、聞き慣れない鳥の鳴き声がした。 ある盗難事件の捜査過程で、その外国人従業員の友人が浮かんだ。彼は逮捕されたが、違和感が残る。その後、真犯人が判明したが……。(「巨鳥の影」) 語り手は新米刑事・空き巣男を女教師が正当防衛で殺人という通報。 侵入犯は教え子の父親だったと判明。小さなやせた息子に掃き出し口からしのびこませ、鍵をあけて泥棒していたという。父親は、息子をガリガリの状態のままにするため、食べさせず、虐待していた。 自宅に侵入された担任教師は犯人の父親をゴルフクラブで殴って殺した。盗犯等防止法が適用され、不起訴という判決が出た。その後、孤児となったその子の行く末は……。(「死んでもいい人なんて」) 隣室のキャバ嬢の部屋にそっと忍び込む。ときどき鍵をかけ忘れると知っている。 内気な学生のペットは蟻だけ。柑橘系の彼女の香りを吸い込む。 そのとき大きな地震が起き、彼女が戻ってきた。そして蟻をペットに借りたいと彼女が訪れて…。(「水無月の蟻」) 医者の父から教わったのは、ホワイトボードマーカーで手鏡に描かれた魚が水に浮くということだった。それが思いがけぬ破滅を生んで……。(「鏡面の魚」) 他、ミステリ短編の醍醐味を堪能する4篇収録。 -
あの日、タワマンで君と
かつてない、タワマン文学×恋愛ミステリ! 山下創一は配達員をしながら日々を食いつないでいる。ある日、高級レストランから料理を届ける仕事が入った。依頼人は六本木でもっとも高いタワーマンションの最上階に住む多和田という男で、創一が到着すると、強引に部屋に上がらせた。戸惑う創一だったが、窓の外に広がる地上47階の景色に心を奪われてしまう。さらに、そこに現れた人物に驚く。それは高校時代、密かに想いを寄せていた静香だった。リビングに入ってきた女は「玲良」と名乗り、多和田は自分の婚約者だと紹介した――。 配達員の登録番号「4443番」にちなみ「ヨミ」と名付けられた創一は、金を持て余している多和田の享楽的で奔放な言動に振り回されながらも、誘われるままタワマンに通う。やがて玲良との距離も縮まりだしたころ、多和田は唐突にヨミと自分の「入れ替わり」を提案した。この暮らしを、この景色を自分のものにできるならと交換生活を受けいれたヨミに、多和田は告げる。「約束してくれ。このタワマンから絶対に一歩も出ないこと」。そして、三人の関係は大きく歪み始めるのだった。 彼らのあいだに隠された秘密とは? 太陽にもっとも近い虚飾の密室で起きる恋愛ミステリ。 -
団地メシ!
ベストセラー『じい散歩』『団地のふたり』(ドラマでも評判!)の著者による、人生が愛おしくなる団地と散歩の物語!「ゆっくりでいいよ、わたしはいつも花の味方だよ」16歳の花は高校になじめず、ずっと休んでいる。そんなある日、母方のおばあちゃんのゆり(70歳)から、むかし住んでいた「つつじが丘の団地に行ってみたい」と言われ――そこからふたり(たまにいとこも参戦)は、つつじヶ丘、狛江、豊洲……といろいろな団地をのんびりめぐって、お寿司、蕎麦、カレー、ケーキ、ラムネなどおいしい御飯やスイーツを楽しむことに。花&ゆりの年の差コンビが、お互いを思いやりながら、ちいさな幸せをみつけていく。 -
交番相談員 百目鬼巴
交番相談員が見抜く、警察官たちの闇と罪。 2025年度最注目の連作ミステリ短編集! 警察を定年退職し、非常勤の「交番相談員」として働いている百目鬼巴(どうめき・ともえ)。 見た目は普通のおばさんで、性格も穏やかだが、彼女には妙な噂があった。 「彼女には県警本部の刑事部長でも頭があがらない」 「現役時代には、未解決事件の捜査にあたってほしい、と熱烈なお呼びが掛かっていた」 「なぜか科学捜査の知識も豊富に有している」 半信半疑で一緒に働いていた若手警察官は、 しかしすぐにその噂が真実であることを知る。 彼女は卓越した洞察力で、目の前で起こっていることの 真相・裏側を立ちどころに見抜いてしまうのだ――。 『教場』シリーズの著者であり、 当代きっての短編ミステリの名手による、 新「警察小説」シリーズ、開幕です! -
探偵機械エキシマ
【人間は、馬鹿だ。ただの機械に、命のないモノに、自分の命を懸けてしまう。】 大学生の実沙は、「探偵の記録者」のアルバイトを教授から頼まれた。探偵事務所を訪ねると、そこにいたのは、AI探偵・エキシマと、エキシマにこき使われる助手・空木のコンビだった。どこか不自然な科学者の家、13年前の少年の死の謎を解こうとする容疑者の集まり、殺人犯が出歩く雪の夜道……。エキシマは、誰よりも早く殺人犯を見つけ出し、ある目的を達成しようとする。不自由な機械の体で犯人を探すエキシマ、彼女が唯一心を許す空木、そして「最悪の未来」を回避するために真相究明を急ぐ実沙の推理バトルが幕を開ける! -
令和忍法帖
忍者はあなたのすぐそばに 普段は会社員、キャバクラ嬢、小学生…… しかしひとたび事件が起これば、命をかけて日本を守る! 江戸時代、徳川幕府の安寧を陰から支えてきた「忍び」たち。明治維新を機にひっそりと姿を消したと思われていたが……実は新政府の警察制度に組み込まれていた。 警視庁警備企画課諸犯罪対策係、通称マルニンに所属する甲賀忍者、白神蝶三郎を司令塔に、現代に生きる忍者たちが躍動、疾走する。 手足に微細な毛を持ち、どんなところでも上ることができる木陰良則。 相手の懐から物を抜き取る「懐中殺」の使い手、雲川セイラ。 どんな毒でも死なない体を持つ毒術使い、赤味敦彦。 手裏剣をはじめ小物を巧みに操り、敵を攻撃するくノ一、一ノ坂はるみ。 息継ぎなしで長時間水中活動ができる潜水術の名手、小岩瀬新八。 現代まで忍法を受け継いできた甲賀流忍者たちが、 最後に闘うこととなる、最強の敵集団とは!? 忍者たちの日常と活躍を描く連作ミステリ短篇集! -
ヒポクラテスの困惑
感染爆発に付け込む悪意がセレブを喰い殺す。 2020年4月、コロナに感染したある富豪が急逝。 しかし男は“未承認のワクチン”を秘密裡に入手していた――。 光崎教授が暴く、男を死に至らしめた“悪”の正体とは!? 2020年4月。新型コロナウイルスが猛威を振るう中、一人の女性が埼玉県警の古手川を訪ねる。彼女は、オンライン通販の創設者で現代の富豪、そして前日にコロナ感染症で急逝した萱場啓一郎の姪だという。 大金を払って秘密裡に未承認ワクチンを接種していた啓一郎がコロナで死ぬはずはない、本当の死因を調べてほしいと頼まれた古手川は、浦和医大法医学教室に解剖を依頼。 光崎教授が見出したのは、偽ワクチンによる毒殺の可能性だった――。 真実は死体に刻まれる―― 傑作法医学ミステリー第6弾! -
砂男
ついに読める! 火村英生 幻の事件 都市伝説“砂男”を調べていた学者が刺殺された。 死体にはなぜか砂が撒かれていて……。 奇怪な殺人事件に火村とアリスが挑む表題作など、 これまで雑誌掲載のみとなっていた幻の〈火村シリーズ〉2作をはじめ、 〈江神シリーズ〉やノンシリーズの貴重な作品6編が一冊に! すべて単行本未収録。 江神二郎と火村英生が一冊で競演する、贅沢なミステリ作品集。 【目次】 女か猫か(☆) 推理研VSパズル研(☆) ミステリ作家とその弟子 海より深い川(★) 砂男(★) 小さな謎、解きます ☆……江神二郎シリーズ ★……火村英生シリーズ -
ミステリな建築 建築なミステリ
名探偵は「事件」の謎を解き明かし、 小説家は現場となった「建築」の謎を解く。 『グリーン家殺人事件』(ヴァン・ダイン)が書かれてから九十六年、『黒死館殺人事件』(小栗虫太郎)から九十年、『虚無への供物』(中井英夫)から六十年。いまでも謎解きのミステリは世界中で書かれ続けています。 ミステリの核となるトリックは、事件の舞台となった建築にこそ隠されています。 また、時代が移り変わる中で、春風のように颯爽と登場した近代建築の中にも多くの思念と謎が秘められています。 この本では、前半に「鹿鳴館」「中銀カプセルタワービル」「水晶宮」などの近代建築から建築に潜むミステリを読み、後半では『Yの悲劇』『ねじれた家』『悪魔が来りて笛を吹く』などの名作ミステリから近代建築を論じます。 本格ミステリ「建築探偵桜井京介の事件簿」シリーズなどで有名な、建築を愛する小説家・篠田真由美さんが紐解きます。 建築に潜むミステリを、ミステリの鍵となる建築を解き明かす一冊。 -
ビタートラップ
「大好きなんです……」 女の告白、嘘か本当か!? 恋人は、中国のハニートラップだった! 月村了衛だから書けた「恋愛×スパイ小説」 普通すぎるふたりの 普通じゃない恋愛冒険譚! 「私は中国のハニートラップなんです」。 農林水産省で働くノンキャリア公務員の並木は、 恋人から突然、告白される。なぜぼくが? 警視庁公安部からは追尾され、 中国の国家安全部からは拉致される。 両国組織を欺くために、同棲を始めるが……。 何が真実で、誰を信じればいいのか。 「本気で好き」と語る彼女は信じられるのか――。 恋愛×スパイ小説の極北。 解説/藤田香織 -
特命捜査対策室
27年前の轢き逃げ事案、あれは〈殺し〉だったのか? 電気街・秋葉原に眠る“ある一族の秘密”が、時を経ていま目覚める―― 警察小説の巨匠・佐々木譲が描く未解決事件【コールドケース】 ◆あらすじ 1997年10月、神田明神下の路地で起こった轢き逃げ事案。被害者は秋葉原【アキバ】に根を下ろす一族経営の電器店の常務だった。 未解決のままだったこの事案に、2024年11月、〈殺し〉の可能性が浮上する。 警視庁捜査一課特命捜査対策室の刑事・水戸部と、地元・万世橋署の“やる気のない年上部下”柿本のバディは、電気街の歴史をかき分け真実をつかめるのか!? 主演・松重豊でドラマ化も果たした〈特命捜査対策室〉シリーズ、待望の最新刊! ◆シリーズ既刊 『地層捜査』 『代官山コールドケース』 (ともに文春文庫刊) -
家族
動けなくなった家族は、誰が看るのですか? 自宅火災の跡から殺害された家族三人の遺体が出た。唯一生き残った長女は典型的なヤングケアラーだった。少子高齢化、認知症、貧困、格差、少年犯罪、教育――。日本が抱える問題は、すべて家族の問題につながっていく。いずれ誰もが直面する現実を描く問題作! 雑誌記者の笹山真由美は、若年性アルツハイマーを発症した父に付き添い病院を訪れた。彼女はその病院のICUで、頭に包帯が巻かれ、複数の管につながれた意識のない少女・美咲が流す涙を目撃する。美咲の家族は殺害され、自宅火災の焼け跡から遺体で発見されていた。事件を調べ始めた真由美は、美咲が典型的なヤングケアラーだったことを知る。重度の障害者の兄と認知症の祖母の面倒を、看護師の母にかわって一人で看ていた美咲が、衝動的に家族を殺して放火したと考える警察の見解に違和感を覚えた真由美が突き詰めた衝撃の真実とは……? -
いいえ私は幻の女
忘れられたら楽なのに――。 傷ついた言葉。消せない過ち。ふたりだけの約束。 すべてなかったことにしよう。この人生が変わるなら。 ミステリーの新鋭が贈る、奇妙であたたかな“忘れられない”物語。 小江戸川越の街にひっそりと佇む「Memory」は、“記憶を消してくれる”カフェ。不思議な力を持つ家入蘭のもとに、過去の失恋やトラウマに苦しむ人々が、今日も引き寄せられるようにやってくる。 最愛の人に先立たれ生きる気力をなくした坂下麻季は、自分のことは忘れてほしいという亡き恋人の遺志にしたがい、Memoryを訪れた。 記憶が完全に消去されるまでの間、川越の街をぶらつく麻季。そこに死んだはずの恋人が現れて……。 麻季の最後のデートを描いた「あなたに似た人」や、表題作「いいえ私は幻の女」のほか、驚きと感動せまる追憶の物語集。 -
死体で遊ぶな大人たち
取扱注意! 変な死体×本格ミステリ 作家デビュー30周年記念作品 不謹慎だがガチ本格の死体ミステリ! 「本格・オブ・ザ・リビングデッド」 夏の山荘で起きた惨劇。殺人犯はゾンビ!? 「三人の戸惑う犯人候補者たち」 「人を殺したかも」相談の内容は殺人で… 「それを情死と呼ぶべきか」 〈死者が生者を殺した〉密室心中の真相は!? 「死体で遊ぶな大人たち」 なぜ腕だけ別人に“すげ替え”られたのか? 「死体を有効活用すれば、ここまで奇怪な状況をロジカルに成立させられるのか! 著者が示した4態(シタイ)に驚嘆!」――村上貴史氏(書評家) -
謎解きはディナーのあとで
「失礼ながら、お嬢様の目は節穴でございますか?」 令嬢刑事(デカ)と毒舌執事が難事件に挑戦!ユーモアたっぷりの本格ミステリ、ここに登場! 国立署の新米刑事、宝生麗子は世界的に有名な『宝生グループ』のお嬢様。 『風祭モータース』の御曹司である風祭警部の下で、数々の事件に奮闘中だ。 大豪邸に帰ると、地味なパンツスーツからドレスに着替えてディナーを楽しむ麗子だが、難解な事件にぶちあたるたびに、その一部始終を相談する相手は“執事兼運転手”の影山。 「お嬢様の目は節穴でございますか?」 暴言すれすれの毒舌で麗子の推理力のなさを指摘しつつも、影山は鮮やかに謎を解き明かしていく―― 書き下ろしショートショート収録! 2011年本屋大賞受賞、2011年 年間ベストセラー1位の大人気ミステリ! 櫻井翔&北川景子のW主演でドラマ化され、2013年には同キャストで映画化!