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Posted by ブクログ
塩田さんの作品はとても好きです。過激な描写がなく真摯で品の良さを感じます。
所々で、マスメディアへの不信や警告みたいなものを感じるのですが、最後の書評を読んで凄く納得しました。
小説は正義と不正義の狭間にあるものをすくいあげ寄り添う事の出来る数少ない媒体であり、作者は、危うくて弱いけれど個人の尊厳を手放そうとしない個人の姿を書いていくだろうとありました。
長い序章の先にある、ラストの風景はとても美しくすぐにでも雪の舞い降りる朱色の橋に立ってみたいと思いました。
しかし、車から降り立った咲子さんの発する言葉を聞きたかったと思った私は、次の章があるのを期待していました。
珠緒さんの穏やかな行先が描かれている事も。
再読してよかったです。
Posted by ブクログ
ある女性の姿を第三者に語らせ、取材という手法で浮き彫りにしていく意欲的な作品。「悪女について」を思い出した。そこに主人公の家族も絡んできて、少しずつ解き明かされていくその女性の人生には魅了されるし、深まっていくドラマに引き込まれて、香港に出張してる間に一気に読んだ。
って書くと面白そうだし、確かに面白かったんだけど、なんかこれはテーマを詰め込みすぎじゃないか?作者頑張りすぎじゃないか?知ってること全部詰めたのか?という気もした。簡単に取り上げられているテーマだけでも、女性が差別された時代、男に縋らないと生きていけない女性達、ゲーム業界、ゲームやアルコール依存、不倫、芦原大火などなどあり過ぎで、収拾がついていない印象を持った。それに、開幕がいきなり昭和30年代の火事のシーンで、ここがとっつきにくい。どんな話になるのかさっぱりわからないし、ラストまで読むと意味は通るんだけど、これは導入としては筋が悪いんじゃないかなあ。
それと最も無理があると思うのは、生きてる人間に対してそこそこ近い関係の人たちが軽々しく個人的なことまで喋り過ぎでしょ、という点。報じないからいいってもんじゃないだろ。ここが不自然を通り越して無理だろ、と思いながら読んでた。あとさ、途中で出てくる教師は女性で女子生徒に強制わいせつしたって事だよね?そんな事もあるのはわかるけど、ちゃんと書き分けてないからえ、って思って無駄に戻ってしまってわかりにくかったよ。
しかし塩田武士はすごく力のある作家なのは確かだよ。途中のゲーム依存の若者の「ゴミクズがあ!」とか「謝るまで止めんぞ」の描写がリアル過ぎて涙が出たよ。
少しずつ話がつながって広がっていくミステリとしてはとても面白かったし、サウンドノベルのファンとしてはそれが登場してて嬉しい限り。しかし全体的に風呂敷を広げ過ぎてちゃんと畳めてないなと思うし、ラストもあっさりしすぎという印象。それと、俳句の「朱の化身」とタイトルの「朱色の化身」について解釈を残してきちんと語られていないのも物足りなかった。
Posted by ブクログ
★-1としたのは登場人物が多すぎて頭の整理が追いつかなかったからでストーリーの完成度の高さは満点であることを先に弁明します。
塩田さんの作品はどれも罪≠悪を描いていて物事を一側面で捉えてはいけないという教訓じみた想いを抱かせてくれるのですが、本作はその点がとても色濃く描かれています。
罪のベースにある理不尽さ。その理不尽さが社会構造に起因するのだという作者からの問題定義と受け取りました。
現代社会がジェンダーフリーだマイノリティの尊重だと体裁だけ整えるような対応に終止しているように思えてならない私には、
現代でも、いや現代は過去よりさらに、この作品の被害者(?)を生み出しやすくしているのではないかと危惧してしまします。
Posted by ブクログ
久々の塩田さん〜
な〜んか切ないな…
やりきれん感満載。
大火事を契機に、揺れる女性の人生というか生き様…
それが、三代も…
今でも、男女平等といわれながらも、まだまだやのに、こんな前の時代の女性なんか、振り回されて生きて行くのかな。それも男によって。
不倫、
離婚、
アルコール依存症、
etc
生きていく上で、色々あって、
人を殺め…
罪の意識に苛まれながら、やっと…
行方不明の女性を探して、元新聞記者のライターが、取材しながら、明らかになる真実。
もうええやん!と言いたくなる。
何が正しくて何が正しくないのか、という問題が重要なわけではない。むしろ、どうすれば正しさと正しくなさの曖昧な世界の中で、私たちは、心に背負った傷を回復できるのか?という問題こそが問われるべきなのだ。
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