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「ずっと、好きでした」
泣いて、隠して、あきらめて。それでも女の子になりたかった――。
『罪の声』の著者がたどりついた「本当に人を愛する」ということ。感動の傑作長編。
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「えっ、真壁君、ほんまにするの?」
「目つむれ」
「へっ? あかん、あかん」
後ずさった翔太郎の肩を真壁君が両手でがっしりとつかんだ。
「深呼吸しろ」
言われるがままに大きく息を吸って、長く吐いた。その間、お互い顔を見られなかった。(本文p111-112より)
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小学四年の春、同じクラスになった真壁君の顔を見たとき、翔太郎は恋のきらめきと痛みを知った。小さな希望すらも打ち砕かれる人生。仮面の下、ずっと女の子になりたかった――。終章、二十四年後の春に明かされる優しく美しい秘密とは。生きてゆくことの切なさに共感せずにはいられない感動の青春恋愛小説。
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Posted by ブクログ
最後に驚き。イバラの道を辿ってきた翔太郎の、でもその裏には親の愛が隠されていた。自分の禁断の淡い恋心が叶いはしないけれども報われた。終わり方がとても好き。
ネトフリのthis is AIを思い出させた。
自分の家族に性同一性障害に悩む兄弟や親がいたら、自分はすんなり受け入れてあげられるかな…と考たし、自分がもしそうだったらかつての友人にカミングアウトとかできる勇気があるのかな…とも考えたけど、どちらも正直躊躇が先になるなと思った。
父が恋人ならいいのに、息子を受け入れられなかった気持ちもよく分かった。
この本の登場人物はみんな温かい。その人をその人として受け入れることができる、そんな風になりたい。
今命があるのは姉のおかげ
自分らしくは千里子ママのおかげ
自分を貫けているのは周りの友人のおかげ
初恋を引きずらずに生きているのは真壁くんのおかげ
人は誰しも誰かの人生と交錯して生きているし、
周りの人のおかげで今日も生きてる
「二人の父の娘でよかった。申し訳ない」
「俺の…初恋の子なんや」
Posted by ブクログ
好きな作家の塩田さんの作品。
なんで、関西弁のボケ&ツッコミは健在!
今回のテーマは、
性同一性障害
めっちゃ重そう…
今でこそ、市民権を得て来ている感じはするけど、やはり肩身の狭い思いで生きんとあかんねんな。
確かに、カラダとココロが反対なんやからしんどいんやろうな…
主人公は、カラダは、男性で、ココロは、女性。小さい頃から、気付いてるけど隠して生きる。
そのうち隠しきれなくなるにしても…
でも、周りが良い人多くて良かった〜
肉親にしても
幼馴染にしても
好きだった彼にしても
想いは遂げれなかったかもしれんけど、分かってはくれてるし。
最後に、分かった真実に…涙(T . T)
ずっと守られていたんやな…
辛さが分かってただけに、直接には違う態度にはなってだけど…
一度は、そういうショー(ドラッグクイーンというんかな?)に行ってみたいな!
トークも面白いみたいやし。ナジャさんを連想。
Posted by ブクログ
塩田武士さんの作品は今回が初読み。
医学用語でいうところの性同一性障害を扱っており「体は男性だけれど心が女性」の翔太郎の成長する過程を描いた物語。
小学校4年生で自分の性に対する違和感をはっきりと認識し始めてからの日々の苦悩や葛藤を、決して誰にも相談出来ず、悩み苦しむ様子が切なくて胸に迫って来た。
同級生の真壁くんに対する恋心、男友達と自分とのギャップや、中性的な外見からクラスで揶揄われいじめの対象にされる辛さが、自分の経験と照らし合わせても、翔太郎が性に対して抱えている悩みの分だけ、何倍にも繊細で脆く感じた。
家出して蘭子として生きていく過程で、様々な出会いを通じて成長していくのだが、この成長過程が悲しい程に痛々しい。世間の非難の目や、スタートラインにすら立てない恋愛、性を隠して社会で生きていく厳しさがひしひしと伝わってきて苦しくて泣けてしまった。
そんな中でも救いはあるー
翔太郎の悩みに気付き理解してくれた姉の恵。
翔太郎の悩みを初めて受け入れてくれたヘルス嬢の茜。
蘭子に生きる道標を教えてくれたチーコママこと千里子。
辛い時いつもその存在に励まされた真壁くん。
地元の幼馴染である祥三に健二。
家出した後も決して我が子を見捨てなかった両親。
ー蘭子は決して独りぼっちではなかったのだと気づく。
そして24年後の春に明かされる優しくて甘美な秘密が、たまらなく愛おしい。鳥肌が立ち涙が溢れた。
いつも氷の仮面をして本心を隠し、ただずっと女の子になりたかった蘭子こと翔太郎。
24年後に明かされた秘密を足しても全然満たされない位、蘭子の人生は波乱に満ちているし、今後もそれは変わらないのだろうけど、それでも氷の仮面は人の温かさに触れて、溶けることは出来るのだと思う。
欲を言えば、もう少し家族…とくに父親と蘭子の親子関係や父親にとっての蘭子の存在を深掘りして描いて欲しかった。そこだけ消化不良だが、希望の光が見えるラストであったことが何よりの救いだった。
本作は、性の多様性に当事者目線で触れることが出来て、とても新鮮な作品だった。現実の世界にも、同じ様に悩んで生きている人はたくさんいるし、悩み苦しんで本当の姿をひた隠しにしている人も大勢いるだろう。法律が新設されたり、社会の仕組みが少し変わっても、人の考えが直ぐに変わる訳ではないのだから。
戸籍上の性は染色体による性の分化で決まる。
でも成長の過程で起こるホルモンの分泌によって、更にその性差割合が変化するのだから、性の多様性があって当然だろう。
完全な男性、完全な女性など存在しないのかもしれないと私は思っている。
本作を通じて、人との違いを受け入れて人を思いやることが出来る人間でありたいと改めて思った。
Posted by ブクログ
小学校4年生の翔太郎は、心が女であることを自覚していた。スカートを履きたいと思ったり、同じクラスの男の子.真壁くんに一目惚れをしたり。
白水翔太郎から白水蘭として生きようとする中で、自分自身との葛藤や、人との繋がりによって、逞しく成長していく姿は見ていてとてもかっこよかった。
翔太郎の姉.恵が、翔太郎の性について1番最初に気づいて、すんなりと受け入れ、寄り添うことがなければ、翔太郎はここまで変われることはなかったと思う。
身近な人に、自分自身を丸ごと受け入れてもらえることは何にも変え難い勇気や自信に繋がっていくと思う。
もし、これから自分の周りで、性に関すること以外でも生きづらさを抱えている人と出会った時、丸ごと受け入れられるような恵のような広い心を持っていたいと思った。
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