あさひは失敗しない

真下みこと

母がかけてくれた「あさひは失敗しないから」というおまじない。それはやがて呪縛となり、追い詰められたあさひは衝撃の行動に走る。

メフィスト賞デビュー『＃柚莉愛とかくれんぼ』著者による、サスペンス・ミステリー

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内ミステリー
• 出版社: 講談社
• 掲載誌・レーベル: 講談社文庫
• ページ数: 256ページ
• 電子版発売日: 2024年09月13日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 3MB

[ブクログ · ★★★★☆]

母と娘の物語。こういう危うい関係性の母娘が描かれる場合って、必ず父親の不在がセットになってるよなぁ。ずっと不気味な雰囲気で、あさひの心の動きが丁寧に描写されていて、あさひを応援したくなる。最後にあさひが自分の過ちに気が付いて向き合えてよかった。

[ブクログ · ★★★★☆]

皆さんも経験あるのでは？という程度の違和感を与えてくる登場人物たち。そんな彼女たちの普通が何事もなかったかのように語られていく。こういう怖さもあったか…そう思わざるをえない一冊。初めて感じる読後感。

[ブクログ · ★★★☆☆]

過干渉で過保護な母親と娘のお話
この母親は今で言う毒親に該当するような気がするけど娘も娘でどうなのかな？って感じだった
親が過保護だと自己肯定感が低いのはあるあるだと思うし自分軸で生きられなくて生きずらいのもわかる。
でもあさひは平気で母親に嘘つくし性格もなかなか悪い…
そしてあさひの周りにいる人達もみんな性格悪い笑
読みやすいので一気に読めてハラハラしたりモヤモヤしたりする本だった

[ブクログ · ★★★☆☆]

言葉の恐ろしさを感じる作品。祖母、母、娘で繰り返される怨念。この娘も将来、自分の子供に同じことをするかな。

[ブクログ · ★★★☆☆]

過干渉の母親。
それが当たり前になってしまったあさひ。
お母さんが言う「あさひは失敗しない」というおまじないは「失敗させない」呪いな気がする。
母親がしれっと位置追跡アプリ入れて、それを拒否しないところは狂気を感じた。

とにかくあさひの周りの人物が最低な奴しかいなくて、どうしてこんな人たちばっかりと…と思ってしまった。
特に秘密を知った後の律子の態度が腹立たしかった。
そもそもあさひを都合のいいように使える人くらいにしか思ってなかったんだろうな。

せめて最後に負の連鎖を断ち切るために自ら行動したあさひに救いがあることを祈る…！

[ブクログ · ★★★★☆]

一気読み。
子どものためを思う気持ちは実は自分が子育てを失敗したと思われたくないということの裏返し…

[ブクログ · ★★★☆☆]

娘の朝着る服を一緒に選び、持ち物も予定も居場所も把握する母親という友だち感覚の仲良し親子関係が描かれる第一章の始まりだが、娘のあさひの年齢が大学生という事実にムズムズした気持ちの悪さを感じる。
エスカレートする母の過干渉、『あさひは失敗しない』という母のおまじないの言葉に縛られたままズレた方向に突き進むあさひ、彼女の友人たちのクズっぷりに嫌悪感は増す一方。
でも意外にもラストは共感もあって悪くなかったな。
律子への加害を“失敗”で終わらせるのは引っかかったけれど、毒親から逃れる自立への一歩は応援したい。

「きっとお母さんは私を閉じ込めてどこにも行かないでほしいと願っておきながら、早く出ていってほしいとも願っているのだと思った。相反する二つの願いが、私たちの関係を難しくしているのだ。」には親の心理を突かれた気がした。