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小学三年生のあきらは最近学校に行くのが憂鬱だし恥ずかしい。お母さんが登下校時の通学路で児童の安全を見届ける「見守り隊」隊長になり張り切っているからだ。しかしある朝、お母さんの目の前で同級生が自転車に轢かれ……。自分の気持ちをうまく言葉に出来ずあがく子供たち。そんな彼らの姿は思わず抱きしめたくなること必至。要注目作家・真下みことの傑作感涙小説、誕生。
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Posted by ブクログ
「やさしさには温度の違いがある」 特別な誰かと仲良くならないことで、みんなに同じようにやさしくできる「冷たいやさしさ」と、 逆にみんなを受け入れる「温かいやさしさ」 の二種類、、 この表現に心の殻から何かが生まれ出たような腹落ちする理解が出来た。 5つの物語の主人公はみんな小学生だ、 彼ら(彼女ら)...続きを読むが日々の日常の中で友達から、大人から何を感じて成長していくのか? その背景に「やさしさ」があることを作者の真下さんは強く信じている。 だからこそ物語の中の子供達の心情や成長が生き生きと際立っているように思える。 友達からの言葉そして態度、大人からの言葉そして態度、これらを積み重ねて優しい人間が育っていくんだな、、とページを捲りながら感じた。 真下さんの作風が大きく変わったな、、と思える大切な一冊だと思えた。
とある小学校の3年2組の5人の子どもたち。それぞれが主人公となる連作短編集。 小学3年生って、まだまだ子供。「やさしい」って漢字だって習っていない。なのに、頭の中ではいろいろいっぱい考えている。それでいて、どんな子もみんな母親が好き。なのに、夜遅くまで1人で留守番させたり、自分の気に入らないことが...続きを読むあるとすぐに怒り出したり、自分勝手で第三者から見たら許せない母親たちだから、なんかやるせなくなる。 小中学生(特に女子)は、他人と同じじゃないと「ちょっと変」と仲間はずれになる。発達障害の子もそうなる。でも、そういう子ほど、一つのことに集中して、大人になった時大きく羽ばたいたりするんだよね。 上の子が小学3年生の時、仕事を始めて留守番させることが多くなった。あの時、全然平気そうな顔をしてたけど、きっと頑張ってたんだろうなぁと、いろいろ思い出した。 朝の出欠確認。「はい、元気です」って、地元あるあるすぎて、真下さんの出身県を調べたら、地元でした。
どの章も優しさあふれる話で面白かったです。 教師ではないけれど小学校勤務なので、とても興味のある内容でした。 小学生でもいろんな気持ちを持ってることはとても理解していましたが、深いところまでよく考えているんだなと改めて思いました。 いろんな人の気持ちも大事にしながら、自分の気持ちも大事にしてほしい...続きを読むなと思います。
「見守り隊見習い」 「クラゲのしっぽ」 「やさしいの書き方」 「赤いリボン」 「スルーパス」 同じ小学校に通う3年2組の児童5人の視点で描かれた連作短編集。 小学3年生と言えば可愛くてまだまだ子どもっぽいイメージだけど、大人が思うよりずっと切実で様々な想いを抱えている。 お母さんが取った行動で、...続きを読むクラスで仲間外れにされた子。 『かわいそうな子だから仲良くした』うっかり口にしてしまった一言で友情にヒビが入った子。 この年代ならではの純粋さや不器用さが伝わって来て愛おしさが込み上げた。 失敗も成長の糧となる。 みんなみんな頑張れ!
同じ小学校の同じクラスの5人の視点から描かれるそれぞれのお話。 あきらのお母さんは通学路に立つ見守り隊の隊長となった。隊長として張り切る母親だったが、ある日その母の目の前であきらの同級生が自転車に轢かれてしまう。サッカーのレギュラーでもあった彼の怪我により、見守り隊の隊長であったあきらの母親はちゃん...続きを読むと見守っていたのかと責められる。それを機にあきらの母親は家から出られなくなってしまう。 その他に隣の部屋に住む女子大生と仲良くなる亜子、学級委員で真面目な守、リボンがトレードマークなクラスの中心的存在の美紗都、サッカーのレギュラーから外された翔吾。それぞれが少しずつ関わって、でもそれぞれの暮らしを生きていて。個人的には美紗都の話が一番感情移入できたかな。やっぱり学生時代の女子はグループがどうしてもあるもんだよね
小学3年の少年、少女たちの悩みがけっこう深刻なのに驚いた。 まだまだ子どもだと思っていたけれどこんなに悩みがあるなんて…と。 親のせい…って、親のこと…って子どもにとって、どれだけ関係があるのか難しくもあり、悩ましい。 関係ないとは言い切れないけど、だけど子どもだけの世界では関係ないと思いたい。 そ...続きを読むれぞれの子どもたちを応援したくなる話だった。
読み始めると、すう〜っと自分が小学生になっていた。そう、私も小学生のときこんなふうに思ってた。子どもだけど子どもなりに一生懸命考えて毎日を過ごしていたなぁ。子どもの力ではどうにもならないことはたくさんあった。すっかり忘れていた、子どもだった私を思い出させてくれた本でした。
小3って少しずつ家族の中の自分と、クラスという社会の中の自分が分かれてくる時期だったな。言いたいこと、言えないこと、不安なことが増える時期でもあり、その瑞々しさと柔らかく繊細な感性の脆く危うい純粋さが眩しくもあり苦さもあって切なくなる。
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