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Posted by ブクログ
警察マニア。
制服はもちろんのこと、警察手帳、手錠、警棒、拳銃などの必携装備品に憧れ、模造品を手に入れて悦に入る。
けれど、そんな人はまだ初心者だ。捜査や射撃、果ては鑑識や盗聴に至る警察スキルまで身につけてしまった人たちがいる。
そんな、マニアが高じてオタク化した人たちで作る警察愛好家サークル「警官倶楽部」の活躍を描くエンタメサスペンス。
◇
2人の制服警官が寂れた商店街を自転車で通っていた。やがて、右手にブルーのタイル貼りの奇妙な3階建ての建物が見えてくる。怪しげな教義を掲げる新興宗教「ギヤマンの鐘」の施設だ。
それを右目で捉えつつ商店街を抜けた2人が自転車を停めたのは、廃墟のようなボロアパートの敷地で、人は誰もいない。その片隅で、メガネやつけ髭で変装していると1人の携帯に着信があった。
ターゲットが来たことを知らされた2人は自転車を押して進み、道の真ん中に立ったのだった。 ( 第1話「強奪」) ※全24話。
* * * * *
大倉崇裕さんらしく、設定がシャレていておもしろい。
敵は新興宗教団体「ギヤマンの鐘」。
宗教は本来、人々の平安を守り幸福へと導くための献身的役割を担う組織のはず。献金と偽って財産を毟り取り幹部の栄華のみしか考えないのなら、それはもはや詐欺組織でしょう。謂わば宗教団体の粗悪模造品です。
対する森田信治率いる警官倶楽部。その名のとおり、警察の模造品です。 ( ただしかなり優秀ではあります。)
ということで、フェイク組織同士の激突がメインストーリーなのですが、そこに絡んでくるのが闇金組織シスコシステムズと取り立てを請け負う便利屋の大葉久太郎、さらには謎の誘拐組織とその黒幕。
筋を追うだけで忙しいほど、息もつかせぬ展開の娯楽サスペンスでした。 ( ターミネーターのような大葉がいい味を出してます。)
また、警察マニアの生態が興味深く描かれていたのもよかった。
特におもしろかったのは、鑑識マニアの落合が登場した場面です。
落合の行う入念な現場検証と残留物採取のほか、死体とウジの相関などの知識を披露する落合に赤堀涼子が重なって見えてしまいました。
その他、盗聴マニア、尾行マニア、射撃マニアなど、そこまでやるのかーと感心するほどのオタクたちも登場。とにかくおもしろくて、笑いながら読み終えました。
鉄道マニアほどではなくても、警察や自衛隊のマニアも決して少なくないと聞きます。
( 実際に自衛隊マニアの方にお会いしたこともあります。蘊蓄の凄さには驚きでした。)
その楽しみの一端を、本作で垣間見ることができました。
あーおもしろかった。
Posted by ブクログ
無法地帯のオタクぶりにほれぼれの大倉作品、あげいん!
いやもう、なんでしょうこのドタバタぶり。
こういった、巻き込まれ型の結果犯罪者集団ものって、
面白いけど正直、やや出尽くした感はいなめない。
伊坂幸太郎の「陽気なギャング」シリーズの賢さには一歩も二歩も及ばず、
かといって垣根涼介の「ヒートアイランド」のようなかっこよさはまるで皆無。
出てくるメンバーはイマイチのおたくだし(やっぱりねー)、
喧嘩も強くなくあまり頭脳もいけてない。
だからキレはないけど、なんだか可愛くいとおしい。
がんばれ!って気にはならないけどなははは、にやり。
そんな感じの読後感。
すんげー勧める、ってことはないけどね、
でも、例えば待ち合わせに、あるいはお風呂につかりながら、さくさくさっぱり、
そんなシチュエーションならおっけーと思います。
Posted by ブクログ
警官もの。ではない。
二人の制服警官が悪徳宗教団体の裏金運搬車を襲撃。
が、本物の警官ではなく、本職顔負けの技を持つ警察愛好サークルであった。つまり、警察マニア。
宗教団体から金を強奪するも、別組織に奪われ、仲間の息子を誘拐される。更にそこから、敵方の誘拐犯組織と共謀。するも、さらに今度は新たな借金取立屋が絡み、更にさらに新宿の犬が...
どことなく伊坂幸太郎の『ギャングシリーズ』に近いかな?とは言え、一つのテーマで、綺麗にまとまっている。
初めて読む著者だが、「趣味」「好き」に全てを投げ打つ人間を描いてきたそうで、ぜひ、そちらも読んでみたいものだ。
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