殺める女神の島

秋吉理香子

リゾートアイランドに集められた、外見と内面の美を競い合うコンテストの最終候補者。メンバーは女子高生モデル、経営者、小説家、医師、シェフ、インフルエンサー、大学院生の七人。これから二週間、互いを知りながら、高め合いながら、助け合いながら、最終選考の準備を行う。その日々を見守ってグランプリを決めるはずだった主催者が、二日目の朝、瀕死で見つかった。次々と殺人が起きるなか、巧妙に隠された参加者たちの「嘘」も明らかになっていく――。この中で、一番嘘つきの殺人鬼は誰？ 最高に後味の悪いイヤミス長編！

• カテゴリ: 小説・文芸
• ジャンル: 小説 / 国内ミステリー
• 出版社: KADOKAWA
• 掲載誌・レーベル: 角川書店単行本
• 電子版発売日: 2024年03月04日
• コンテンツ形式: EPUB
• サイズ(目安): 2MB

[ブクログ · ★★★★★]

美しい女神たちが集まり、頂点を目指すはずだった。
WhoはわかってもWhyがわからず、最後まで読んでたどり着いた結末は、幸せだったのか。

クローズドサークルものでも、主要登場人物のほとんどが女性というのは珍しく、女性ならではの強かさや強さが出ていて、読む手が止まらなかった。

[ブクログ · ★★★★☆]

イヤミスと孤島ミステリーが融合！美女たちによる醜い争い… 映像で見たくなる美惨劇 #殺める女神の島

■あらすじ
ビューティーコンテストのファイナリストとなった美女七名が、モルディブ近海のリゾート島に招待された。グルメやヘルスケア設備が整った施設、ここで最終審査が行われるため参加者は楽しみつつも気合が入る。到着した日の夜、主催者から審査方法について告げられる。七人だけで二週間滞在するというものだったのだが…

■きっと読みたくなるレビュー
いくつになっても美しく、健康的でありたいですね。しかしそんな女性たちの裏側にはどんな思いがあるのか…美しさと醜態さが骨身にしみわたる、エグさ抜群のイヤミス×本格ミステリーです。

孤島ものミステリーですが設定がニクイ！ ひょっとして美女たちが殺し合っちゃうの？と思ったら怖いながらも垣間見てみたいというスケベ心が情けない。雪下まゆさんが描く美女たちの装画も素敵すぎて、トキメキがとまらなくなっちゃう。

ひとりひとりの性格も背景も現代的に設定されていて、特に主人公の美咲の心情がめっちゃ共感できて不安でいっぱいになる。これからどうなってしまうのか…

しかし現代においてはビューティーコンテストも大変なようですね。健康的なのはもちろん、内面や生き方も求められる。当然、美を追求するストイックさも必要ですし、私みたいな生半可な男が話しかけようものならハジキ出されてしまいますね。

ストーリーは予想通り次々と事件が発生していくのですが、一番の読みどころは本音が漏れだしてくるところ。本能むき出しの罵詈雑言爆発シーンがむしろ尊くて、ぜひ映像で見たい…キャストはギャルモデルの大木美里亜さん希望。

たびたび挟まれる脱出後のシーン、真相が少しずつ見えてくる感じが怖いすね～ 心が落ち着かないよ。そして真犯人、真相が明かされたとき…あらためて秋吉理香子先生の作品であることを認識することになるのでした。

■ぜっさん推しポイント
本作、役者の見せ場が多くてマジで映像化してほしい。主人公の美咲なんか最初から最後まで芝居で観客を惹きつけて止まないでしょうし、姫羅の素直でカラっとした性格は癒しになる。舞香のパワーは圧倒させるし、エレナの医師としての責任感が痺れる。他京子もユアンもまりあも画になるし、バラエティに富んだ特技が素敵すぎ。

キャラクター性が強く演じ甲斐があるでしょうし、物語の背景も実は重厚感があって脳裏に焼き付いちゃうに違いない。ぜひお願いしますｍｍ

[ブクログ · ★★★★☆]

大々的なミスコン「ミューズ・オブ・ジャパン」のファイナリストに選ばれた美女七名が、リゾートアイランドの豪邸に集められた。彼女たちはそこで行われるビューティーキャンプにおいて互いに高め合い、最終選考に臨むことになる。しかしその最中に事件が起こり、その後も次々と被害者が……絶海の孤島ミステリです。
集められた女性たちは美しいだけでなく、誰もが理知的で各々に秀でた部分を持ち、しかもライバル同士争うこともなく非常に和気藹々と切磋琢磨するという、何とも素晴らしい状況です。まさしく誰もが女神のような、完璧な女性たち……と思えますが。もちろんそんなわけがない（笑）。徐々に判明する彼女たちの本心と、それに伴って高まっていく疑心暗鬼。そりゃあね、ミスコンなんて足の引っ張り合いで当然ですってば。そしてこれぞ孤島ミステリ。
最後に誰が残るのか、誰が犯人なのか、そして犯人の目的は何なのか。スリリングでぐいぐい読まされ、一気読みです。被害者として脱落していく「条件」も、わかってみれば納得。しかしこの真相にはぞくりとさせられました。

[ブクログ · ★★★☆☆]

「ミューズオブジャパン」というミスコンのファイナリスト７人が、モルディブからクルーザーで５時間弱のリゾートアイランドに集められた…。この島で2週間共同生活を送りながら、最終選考に望むはずだったが、次々に不審な死を遂げる…。ファイナリストたちが隠した嘘と、主催者の真の目的とは…？？

　この表紙がいいんですよね…。ファイナリスト７人がリゾートアイランド到着後の晩餐会で身にまとった衣装…それぞれが個性的で自分の良さを前面に売り込む勝負服と言っても過言でないものだけど、その裏にそれぞれが秘密をも隠しているかのようで…読みながらついつい表紙を眺めてしまうような…。ミスコンって今まで縁のなかったことの代表格だけれども、結構興味あったことなのでその点ではファイナリスト達の熱い戦い…みたいなものが読めたのは面白かったと言えます。

　ありえない設定で、う～ん…と感じちゃうこともあったけれど、美女は怖いわ…。もう少し、ファイナリストたちのこととか、メートルDは誰かとか…知りたかったこともありましたね…。そして、エンディングはこのままでいいんでしょうか？と、つい思ったりもしました。

[ブクログ · ★★★☆☆]

予測不能なノンストップイヤミス長編。

孤島に集められたのは、ビューティーコンテスト『ミューズ・オブ・ジャパン』のファイナリスト七名。
内面も美しいと思われた彼女達だが徐々にその化けの皮が剥がれていく。

そして起こるべくして起きた連続殺人事件。

合間に挟まれる救助者との会話でこの島から二名は無事脱出出来た事を確認するが、犯人もその動機も全く予想が付かず、終盤で明かされる真実には驚愕のち戦慄。

リアリティには欠けるがリーダビリティが高く本当の悪女を知りたくて一気読み。

フィクションならではの展開で秋吉ブラックを堪能した。

[ブクログ · ★★★☆☆]

アガサ・クリスティの「そして誰もいなくなった」を彷彿とさせるような、クローズドサークル系かと思ったら、オチが凄かったですね。　
ネタバレになるので言えませんが、一言申すなら　
犯人サイコすぎるだろうと言いたいです。
ミスコンの最終候補に選ばれた7人の女性たちが、
次々と島から消えていく、誰が犯人なのか、過去のある事件も絡んでいく、ミステリー作品でした。

[ブクログ · ★★★☆☆]

孤島でのビューティコンテストと言うからには、美女達の足の引っ張り合いでドロドロかと思いきや案外仲良く始まります。

しかし最初の事件が起こってから、徐々に裏の顔が現れてきてギスギスし、次々と事件が起こる展開の途中に事件後の場面が挟まるので、何度も自分なりの推理をしては裏切られるというミステリーの楽しみを満喫するにはお薦めです。

ただし、結末が満足できるかと言われると…