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任官七年目の裁判官、安堂清春は幼い頃に発達障害と診断され、周囲との関わりを断ち、自身の特性を隠しながら日々を過ごしていた。Y地裁に赴任して半年、副市長が襲われた傷害事件を担当することになった安堂は、弁護士の小野崎から被告人が無言を貫いていると聞き、何かを隠しているのではないかと気づくが……。微笑みながら殺人を告白する教師、娘は殺されたと主張する父親。生きづらさを抱えた青年が様々な事件に挑む、異色の青春リーガルミステリ!
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Posted by ブクログ
ドラマが近年稀に見る面白さだったので、その面白さを下回らないことを期待しながら読み始めたが、杞憂だったとすぐに気づいた。やはり映像には映像の、文章には文章の強みがそれぞれある。
やはり一番の見どころは自閉スペクトラム症に関する描写だ。最近は多くのドラマでASDの特性を持った人が描かれているので基本的なことは理解しているつもりになっていた。しかしこの作品を読み、はじめて様々な症状が起きたときに脳内で何が起きている感覚になるのか、どんなことがどんな風に辛いのか、それを制御したり、社会のルールにフィットさせることがどれだけ大変なことなのかを深く想像して、考えた。「安堂裁判官、かわいいな、愛おしいな」と思いながら、あんなに食い入る様に見ていた本作のドラマでも、やはり想像力が追いついていなくて、本人の気持ちが想像できていなかったということは、身近にASDの人がいても、自分は同じように表面を見て分かった気になっていただろうと自覚させられて、その無自覚の自覚が本を読んでの最大の収穫だった。どんなことも分かった気になることが1番怖い。スペクトラムという名前が示す通り、個人差だってきっとたくさんあるだろう。
(※いま自分が患っている病気も、症状が出た時の脳内の状態を言葉にすることはとても難しくて、他人に分かってもらうことをほとんど諦めそうになることもあるけれど、ASDのことも誰かがこうして言葉にする努力をしてくれなかったら自分は一生想像することができなかったんだと思うと、やはり諦めたくないなという気持ちになった。)
そして、ドラマではあまり描かれていなかったが、小説ではそのASDの特性のおかげで、裁判を根本から覆すような真実を安堂が発見していくという過程を丁寧に描いていて、それがとても読み応えがあった。
NHKのドラマ化にあたっては、それぞれの事件の詳細や裁判所内の人間関係、登場人物の男女の設定などがかなり緻密に、それも小説とは別のメッセージを込めて再設定が行われていることにも気付けて、大きな価値のある二次創作だと思ったし、小説、ドラマまとめてテミスシリーズの大ファンになってしまった。続編が楽しみだ。
Posted by ブクログ
社会に交わり、ままならぬ心身と向き合い罪を裁く。青春×リーガルミステリ
主人公検事は、人の気持ちを読み取るのが苦手な自閉スペクトラム症=ASD、衝動性がじっとしていることを許さない注意欠如多動症=ADHDを自覚しながら生きている。読み書きや計算が困難な「学習障害(LD)」、自閉症を持病としての裁判官であるが、裁判モノとしての構成、文体はとても良いデス。
1.カレンダーボーイ
安堂清春は任官七年目の裁判官である。すぐに発達障害の専門医である山路薫子のふっくらした顔が画面に出てきた。人の気持ちを読み取るのが苦手な自閉スペクトラム症=ASD、衝動性がじっとしていることを許さない注意欠如多動症=ADHDを自覚しながら生きている。読み書きや計算が困難な「学習障害(LD)」
後任の弁護士、小野崎乃亜という名を思いだすまで、例のごとく時は要さなかった。
2.恋ってどんなものかしら
彼は〈上田正〉といった。「宗春美さんです」谷口栞という女性の名が頭から離れていかないのだ。
3.擬装
「こちらは羽鳥賢一さんです。きょう法テラスに相談に来られ、私がお話を聞きました」
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任官七年目の裁判官、安堂清春は幼い頃に発達障害と診断され、周囲との関わりを断ち、自身の特性を隠しながら日々を過ごしていた。Y地裁に赴任して半年、副市長が襲われた傷害事件を担当することになった安堂は、弁護士の小野崎から被告人が無言を貫いていると聞き、何かを隠しているのではないかと気づくが……。微笑みながら殺人を告白する教師、娘は殺されたと主張する父親。生きづらさを抱えた青年が様々な事件に挑む、異色の青春リーガルミステリ!
Posted by ブクログ
なかなか重い発達障害の主人公。自らの意思と身体の制御が必ずしも連動してくれないのが大変だなと思った。理解し難いようなところもあるが、自分の特性を知り、必要に応じて対処を講じている努力家な主人公には好感が持てる。周囲からも比較的好印象に受け止められているようで良かった。
以前に発達障害の特性がありそうな部下を持ったことがあるが、本人には自覚がない上にそれまでにも挫折や衝突が多かったようで性格にも影響が出ており、とても生きづらそうだった。主人公は早々に医師に出会えて良かった反面、作中でも子供が特別学級は嫌だという親御さんが出てきたりしていて、適切な支援が受けられないのは本人が一番辛いだろうなとしみじみ思った。
テーマも扱っている題材も正に現代という感じで全体的に興味深く読むことが出来た。
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