三星京香の殺人捜査

三星京香の殺人捜査

小説・文芸
770円 (税込)

3pt

3.6

県警本部刑事部捜査一課の三星京香は、とあることから刑事部長に拳を振り上げ、十年の警察人生に終止符を打った。五歳になる娘を抱える彼女の再就職先は、県内でも有数の法律事務所。だが、事務所内にキッズルームまで作ってくれた居心地の良い事務所の副代表が、殺人事件の重要参考人として警察署に任意同行された!?京香にできることは事件の真相を探ることか……元女性警察官の著者が、警察における女性の立場や警察官の考え方をちりばめながら描く、新しい警察小説。

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三星京香の殺人捜査 のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ

     S県警捜査1課の刑事から県内有数の法律事務所の調査員に転職した三星京香。当初は事務所内で浮いた存在だったが、警察官時代のスキルと人脈で真価を発揮したことで、所員たちからも認められつつあった。

     そんなある日、事務所の代表と副代表を巻き込む事件が発生。副代表は調査に乗り出したが、代表はなぜか沈黙を守り続けていた。
     緊張を孕む事務所内。別件を調査していた京香は……。シリーズ2作目。
              ◇
     午後11時20分。葛貴久也は空腹を我慢して帰宅しようと車を走らせていた。
     ようやく高架橋にさしかかり、貴久也は運転するBMW−530eのアクセルを踏み込む。ここを越えれば自宅は目の前だ。そのときだった。

     いきなりライトの前に飛び出してきた白い人影。貴久也は反射的に急ブレーキをかけハンドルを目一杯切る。タイヤが耳障りな音を立て、車は横滑りしながら幅3メートルほどの道路で斜めになって止まった。
     ホッとしたもののハンドルを切ったときの何かに接触した感じが気になった貴久也は、すぐにドアを開け車から飛び出た。

     道の脇に男が座り込んでいる。貴久也が声をかけると男はうめくような声を上げた。
     スマホを取り出し救急車を呼ぼうとする貴久也に、必要ないと男は言う。なら病院に行こうと貴久也が言うと、男は「自分が悪いのだから気にせんでくれ」と固辞し、そのまま歩き去ろうとした。

     それでも重ねて、手当てをさせて欲しいと頼む貴久也に、男は笑って「なら、絆創膏でもしてもらおうか」と言うので、貴久也は男を自宅に連れ帰ることにしたのだったが……。(「1」) ※全33話。

          * * * * *
     
     サスペンス度が前作よりかなりアップしています。

     まず、事務所の副代表である貴久也が、自家用車運転中に巻き込まれた対人接触事故。

     いきなりの飛び出しという、相手の過失割合の方が高い事故とは言え、法律事務所の副代表にとっては大きなトラブルに違いありません。
     おまけに、相手の男はなぜか通報も治療も固辞。何やら不穏な空気を漂わせています。

     そして後日、この男が死体で見つかり、貴久也は重要参考人として警察に任意同行を求められる事態に発展します。
     さらに、あることからこの男は、貴久也の父親で事務所代表の道比古と大学同期生であることが発覚。なのに何も語ろうとしない道比古。その真意も気になるところ。 

     自身が抱える案件を所員たちに振り分けた貴久也は、死んだ男の実娘である女性と一緒に事件の真相を調べ始めるのですが……。

     序盤からこの展開。うーん気になる。

     ところで、そのころ京香はどうしたか? 実は、まったくの別件 ( 浮気調査 ) で夢良と動いていました。
     主人公なのに影が薄いなあと心配して読んでいると、途中からこの浮気調査が貴久也の調べる ( 殺人 ) 事件とリンクしていることがわかります。

     こうして事件の真相が少しずつ明らかになっていくのですが、その過程で京香の愛娘つみきが誘拐されたり、暴力団や半グレ相手の京香の大立ち回りがあったり、夢良や貴久也の生命の危機があったりと、緊迫のアクションシーンもたっぷり盛り込まれます。

     前作同様に、イッキ読みせずにはいられない展開。意外な事件の真相。パワーアップした2作目で、読後の満足度の高さは前作以上でした。
     また、エピローグとしての最終話。ほのぼのとした笑いの入るハッピーエンド風のラストシーンもよかったです。

     それにしても、県内大手の法律事務所で、それまでは堅実に法律相談や弁護士活動をこなしていたはずなのに、京香が来てからやたら身近で殺人事件に巻き込まれるなあと、少し所員たちが気の毒になったりして……。

     箱根駅伝以外のテレビ番組に見るべきものがない寝正月のよいお供になりました。

    0
    2026年01月05日

    Posted by ブクログ

    殺人事件と離婚調停、そんな事案が関連していきますが、ちょっと主人公のカンに頼りすぎかな。直観と直情行動が主人公の魅力でもありますが、もうちょっと理論立てがあってもいい気がします。

    0
    2023年08月14日

    Posted by ブクログ

    シリーズ第2弾。
    事務所の代表が殺人事件の捜査で任意同行を求められる。事件の本筋は平凡でしたが、もう一つのテーマであった恵麻の問題と離婚調停は結構複雑で、事務所の面々の個性がよく引き出されています。
    貴久也と京香の行末は如何に。

    0
    2026年02月21日

    Posted by ブクログ

    三星京香 シリーズ の第2弾

    一見関係ないと思っていた2つの事件が実は関連していた、
    正直よくあるパターンなんだけど、
    この作品はなかなかインパクトありましたꉂꉂ
    まさかこのパターンだったんだと驚かされました。

    次作も楽しみ

    0
    2025年08月24日

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『三星京香の殺人捜査』前作に続き元警察官で強引手法の目立つ三星京香うと法律事務所調査員が単なる離婚訴訟と葛家周辺に見え隠れする秘密、さらに殺人事件とバラバラに見えるストーリー、表面的な争いや捜査の目的が物語の終盤で全く別の狙いへと反転する手管が秀逸
    当初は、表向きの争い離婚調停や過去の個人的な因縁を読み進めますがラストに近づくにつれ、それらが実は「目くらまし」だったと判明する瞬間が推理小説読みの楽しみ、ミスリードを誘う手がかりと主人公らの心情を重ね巧みに配置することで謎も物語も動くのです

    0
    2025年02月26日

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