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Posted by ブクログ
「どうして、世の中には、あれほど筋の通らないことを平気で主張できる人間がいるのだろうか。
こちらから、理由を尋ねても、なにも答えない。都合の悪い場合には、ただ声を大きくして叫ぶだけ。感情で、すべてを押し切ろうとする。まるで、自分たちの感情が正義だと言わんばかりである。これだけ、法治国家、自由主義が発展した現代においても、人間の精神は昔のまま、貧しいままではないか。」
「え、そんな大事な本を、捨てちゃったんですか?」
「大事なのは、書かれている文章です。それは、もう読みましたから、メディアは必要なくなりました」
「メディア?ああ、本のことですね」
「あれが、子供の頃から大嫌いだった。
だから、祖母のことも好きになれなかった。自分を可哀相だと思っている。そういう顔で見る。優しくしてくれる者は、例外なく、哀れんでいるだけだった。同情というのは、人を蔑むことと同じではないだろうか?」
「いつまでも他者に、そしてこの歪んだ社会に依存して生きていくのは、体液が濁るほど潔くない、と理解していた。」
「生きていることに価値がある、と意識させるのは、よくできたプログラムだ。自分も、それに逆らえない。生きている以上、逆らえないような仕組みになっている。優れた機能といわざるをえない。」
Posted by ブクログ
森博嗣作品初挑戦。
本屋で数ある森博嗣作品を見かける度に、
タイトルが秀逸だなと
感心しているだけであったが、
我慢できずに手に取ってみた。
まず驚いたのが、タイトルがそれとなく
回収されているところ。
森博嗣愛読者の方にとっては
普通のことなのかもしれないけれど、
字面だけみたら「なんのこっちゃ?」な
タイトルを終盤によく回収したなと思った。
加えて、登場人物が魅力的だった。
会話のテンポの良さが印象的で
それぞれの掛け合いは読む手が止まらなかった。
加部谷さんが、特にツボだった。
終盤の柚原の行動については、
自分の読解力もしくは想像力が足りていない為か
なぜそういう方向にいったのか
理解できなかったが、
それこそがむしろこの作品が取り扱っている
テーマの複雑さを表しているのではないか
と思った。
単なるミステリーでは片付けられない。
自分は続編も追いたいと思ったが、
ミステリー小説の読書体験に
何を求めているかによって
好みが分かれやすい作品だと感じた。
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小説・文芸