Posted by ブクログ
2019年07月06日
「この世で、また会いましょう」
「ウォーカロンにしては、人間らしくない。最も人間らしく作られているのが、ウォーカロンだからです。人間よりも、人間らしい」
「この世というのは、あの世ではない、という意味だ」
「その言葉は、インドではよく使われているようです」
「インドで?」
「あの世では、誰だって...続きを読む再会できるから、そうではなく、生きているうちに会いましょう、という意味だそうです」
「あのように撃ち合わなければならぬのは、何が不足しているのでしょうか? お互いの理解、愛、それとも、血ですか?」
『子供の成長を親は喜ぶという。
自分たちが生み出した、新しい生命の未来に幸あれ、と祈らなければならない。
美しい、というのは、そういうことだろう。
その感覚を、人間は持っているはずだ。』
『だから、どうなるのか、ということを考えてみたが、意義がよくわからない。試験的な試みであることは理解できても、試験的という言葉が既に、こちら側の概念である。自分の思考が、こちらの世界に支配されていることを意識し、逆のバイアスをかけて考えないかぎり、あちらの存在を理解することはできないだろう。』
『僕たちは、居留守を使うことにした。これも、立派なフェイクだし、トリックだ。人間というのは、現実を変えてしまうために、忙しく知恵を使う生き物のようだ。』