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「エリーズ・ギャロワ博士が会いたがっている」人工知能たちがグアトにそんな噂を教えてくれた。面談を求められるような理由に心当たりはなかった。ほどなくして彼女は行方不明になってしまう。 ギャロワ博士は、ヴァーチャル世界に資する研究を続け、ついに「究極の恵み」とまで賞される成果をあげたという。博士は自らの意志で姿を消したのか、それとも事件に巻き込まれてしまったのか。
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Posted by ブクログ
人間がヴァーチャルへシフトすることができる時代。 エリーズ博士はなぜ語らなかったのか?どこにいるのか? シリーズとして安定して楽しめるのもグアトとロジのやり取り、グアトと人工知能のやり取りが楽しいからかな。 読みながら毎度ニヤニヤしてしまう
「意識というものが、ソフト的に構築されるものであり、経験と判断の積み重ねによる反応のシステム化にすぎない、いわば幻想といっても良いくらいの存在だということを、人間は受け入れざるをえなくなった。まだ、これは全世界、全人類には浸透してない。認めたくないだろうね、スピリットの存在を、単なる観察、あるように...続きを読む見えるだけの幻想だとは、信じたくない。人間がそれに抵抗するうちに、人間以外のものが、どんどん発展を遂げて、人間を凌駕していくことになる。人間が迷っているうちにね、人間以上のものになる。まあ、それもまた、自然淘汰かもしれない。悪くないよ、全然」 「ヴァーチャルで究極の幸せを手に入れることができる確かな手法が完成したのであれば、リアルのボディは重荷だと感じられる、ということかと」 人間は、自分の亡骸を自分一人で処理することができない。誰かに頼むしかない。リアルでは、そんな不自由な制約がある。 死んでも、不自由だということだ。 死は、自由を獲得するものではない。 「人間が幸せを感じるためには、不幸せな状態からの脱却であったり、少なくとも不幸せが想像できる状況が必要なんだろうね。だから、マイナス面をすべて排除してしまったら、幸せを感じられなくなる。空腹だから食事が美味い。食べ続けていたら、食欲もなくなる。平和すぎる社会には、鈍い幸せによって閉塞感が蔓延するはずだ」 どうすれば良いかな、と考える。 何をしてあげられるだろう、と悩んだ。 言葉はいろいろ思いついたけれど、どれもずれているように感じる。 まあ、言葉というものは、そんな程度のもの。 それに、人間って、だいたいずれているんだな。 生まれたときには、そうじゃなかったのに、成長するほどずれてくる。 本当の自分から、周囲に合わせ、社会に合わせ、少しずつずれていくんだ。 それに、ときどき気づいて、泣きたくなる。 だから、泣けば良い。 泣いている彼女を、僕は抱いていれば良い。 それだけのことか、と結論が出た。
あぁそうか…(._.)ここまでバーチャルの世界が確立されていても、リアルで不老長寿が実現しても、結局行き着く先はそこなのか?(-_-;)ロジの不調はホルモンバランスの乱れか?母性本能のせいか?それとも他に理由が?(・・;)と気になるけれど、とても可愛い(*^^*)
自分が存在した痕跡を消した研究者は何を願っていたのかという話。 グアトは何かを感じるが、具体的には判らないとき、確かに読んでる当方も何か感じるものがある。何だか判らないから、もどかしく感じる。 最終的に答えに行き着くけれど、何がどうつながったのかよく判らなかった。まあ、当方の頭が悪いんだろうけれど...続きを読む。 バーチャルに移行すれば身体の軛から逃れ、寿命や病気や様々の面倒な諸々からオサラバできるだろうと思うのだが、作者からの提示には納得しつつ、長い物語の此処で此れが出てくるのかとも思う。 前作から登場人物が増える展開かと思ったが、そうでもなかった。ロジはすっかり人が変わって、本人も戸惑っている。グアトは相変わらず鈍いなと感じる。 3人で暮らしたら、グアトも変わるかな。
今作も深く考えさせられましたよ。 幸せとは?不幸とは?生きるとは?死ぬとは? 森先生の作品を読むと毎回死生観を考えます。
もうホントに、語ってくれよエリーズって感じでしたね。割と最後まで「究極の恵み」の正体が分からなかったなあ。 そして、思ったよりミステリィしていて驚いた(僕は一体、何を読んでいるんだ)。 キャラ萌えは今回も素晴らしく、セリンは癒やし枠として確立したなあ、とかオーロラも人間味が出てきたとか、今後も楽しみ...続きを読むです。
究極の恵み、とか、神が与えた最後の恵み、という、いかにも怪しい言葉が出てきて、これがどこかで覆るのかと思っていたら、ある意味で、そのまんまの意味だった、というのが驚きだった。 あと、前巻の最後での展開については、あんまり大きな影響がなく細やかに進んでいるという感じだった。 このシリーズ、最初のあたり...続きを読むはウォーカロンとかの話になっていたはずだけど、最近は(ここ数年は)リアルとバーチャルで人間の意識はどう変わるのか、という視点に移ってきたように思う。人間の意識もどうなるのか、というのも気になるし、ウォーカロンがどうなるかも気になるので、できれば最新刊を毎月読みたいところ。
エリーズ・ギャロワ博士が行方不明に。彼女が作り上げた「究極の恵み」とは何なのか。 人間にとっての死とはどういうことを指すのか、バーチャルが広がった世界で死とはどういう意味を持つのか、がテーマ。 森博嗣さんの本を読んでいると本当にこういう問題が起こっているような気になる。ここまで想像が先を行く事が...続きを読むすごい。 でもWシリーズから(もっと遡ると四季シリーズあたりから)リアルからバーチャルに行く、つまりリアルの体は殺してバーチャルの世界に移るというのがどうしても感覚として理解が及ばない。 リアルの意識が途絶える事はやはり死ではないのかな?
久しぶりの森博嗣〜!後半のアクションシーン、久しぶりでドキドキした! ヴァーチャルの世界がリアルの世界と同じくらい発達すると、こういう願いに辿り着くのか…こうやって提示されると、そうかもしれない、と思うけど、ぜんっぜん自分では思いつかなくて、最後のグアトの説明を読んでなんかちょっと唖然とした。究極の...続きを読む恵み、究極の賜物。自分もそんな境地に辿り着くことがあるのかな。考えさせられるなあ。 p.113 「もはや、人間が役に立つような仕事なんてないんだ。むしろ、足手纏いで、しかも妨害ともいえる邪魔をする。それでも、そんな邪魔から、彼ら人工知能は発想を得ている。だから、けっして人間を排除しない。無駄なことができない連中だから、無駄の塊のような人間に、少しはいてほしい。そんな具合なんだよ」
匿名
難しい
存在していることはわかりやすけど、現実やヴァーチャルて存在していないこと証明することって難しい。それを証明していくことが、楽しい時感じる本でした。
#深い #カッコいい
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