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Posted by ブクログ
短編集。どれも面白いアイディアがギューっと詰まっていて、密でディープな世界を楽しめます。
「ある女王の死」
榛遵葉は七十三になる守銭奴で冷血漢の闇金業界の金貸し。彼女の殺人現場から話が始まる。彼女は誰に殺されたのか?どんな人生を歩んできたのか?
主人公の生きざまがカッコいいのと、小道具がチェスなのと、最後に、最初の現場で何が起こったのかがわかるところがよかった。
「妹の夫」
荒城務は繰り返しワープを続けて遥か彼方へ飛ぶ有人宇宙飛行に選ばれた。しかし、彼は会えなくても妻の姿を見たくて、太陽系内だけでも自宅の映像データを見ることにした。その映像で妻に起こったとんでもない事をどうにかしてワープごとの短時間通話で相手に伝えたいのだが、こんなときに翻訳機が壊れるとは…。宇宙の科学要素(理)と言葉の伝達(文)が融合しているのが良い。
「雌雄七色」
これだけが『斬新THEどんでん返し』で既読でした。息子が母の手紙を疎遠な父に渡すのだが、その手紙は色付きで、虹の色順に読むものなのだ。
「ワイズガイによろしく」
ニューヨークのギャングスタ、シャックス・ジカルドはシチリアの家族由来のトマトグレービーを愛していて、週に4度作るし、味は誰にも負けない。最低の父親のせいで孤独になったことも、今の生き方になったことも、時々ジュークボックスから声が聞こえることも、全てがシチリアの風が吹いているようでカッコいい話。
「ゴールデンレコード収集物選定会議予選委員会」
タイトル長っ!色んな国や立場の人が宇宙に向けて発信する記憶媒体に入れるデータの選考会場の様子。ここに登場する日本代表が名探偵なんだか、変人なんだか、とらえどころがない御竈門玖水。アニメやマンガへの愛やうんちくを垂れ流すように紹介するが推しは手塚治虫。斜線堂先生の年齢を誤解させる知識関心表現です。
多少性関連叙述あり、中学校以上。
Posted by ブクログ
遠い宇宙の果てへの長距離ワープに挑む男。自宅にモニターを繋ぎミッションに臨もうとしていたが、そこで妻が殺害される映像をみてしまう。犯人の姿も目撃していたため、それを伝えようとするが翻訳機の故障によりフランス人通信官とは言葉が通じない状態に陥る。(「妹の夫」)
特殊設定の多いミステリー短編集。「妹の夫」ではフランス語が数多く登場するのだが、ワタクシの不勉強ゆえ全く理解できずそれ故主人公の男の追体験ができた。翻訳機の発達により外国語を学ぶ機会のなくなった近未来を舞台にしているが、この話を読んで以来、学びの重要性を強く感じた(こんな特殊な状況には陥らないとは思うが)
「ゴールデンレコード収録物選定会議予選委員会」は設定がとてもユニークだとは思うのだが、結末をどう捉えていいのか分からず困惑する。ただ、手塚治虫作品をとにかく読みたくなった。
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