筑摩書房作品一覧

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  • 野性の火炎樹
    4.0
    “オリュウノオバ”が住む路地裏にある七代のろわれた中本の家。そこに、突然生まれた肌の黒い子・マウイ。十歳で女を知り、中本の若衆に育ったマウイは、オリュウの謎のような言葉と中本の血の逆流に突き動かされ、故郷フジナミを棄て、欲望の巷へと向かう……。本書は、『異族』『千年の愉楽』の世界に新しい展開を試みた野心作であり、現代風俗を描き切った作者会心の青春小説である。
  • 日本海海戦の深層
    3.7
    連合艦隊が勝利した最大の要因は軍事技術の合理的で正確な運用にあった。日本は近代砲術の基礎となる「斉射法」を世界に先駆けて用いただけでなく、独自の砲術計算によって精度を高めていったのである。その後の海上決戦の範となった日本海海戦の全貌を検証し再現する。『坂の上の雲』では分からない日本海海戦の真実!
  • あなたの苦手な彼女について
    3.2
    たいていの人に「苦手な彼女」がいるという。いったい、それはどういうことなのだろうか? 七〇年代の高度成長期にウーマンリブ運動が起き、時を同じくして消費者運動が登場した。八五年には男女雇用機会均等法が成立し、その年、内需拡大のために個人消費が推進された。その後の好景気とバブルの崩壊、平成不況……。この四十年の間に、日本の男女関係がたどってきた変遷を、ときに女帝の時代にまで溯って深く考察する。
  • 「こころ」の本質とは何か ――統合失調症・自閉症・不登校のふしぎ シリーズ・人間学〈5〉
    4.0
    「こころ」の病はけっして「異常」ではなく、人間の「こころ」の本質の、ある現われとして把握する。統合失調症、自閉症、不登校という三つの「ふしぎ」を取り上げ、「個的」でありながら「共同的」でもある「こころ」の本質に迫る。本書は、私たちの「こころ」を根本から考え直す、人間学的精神医学の試みである。
  • わかりやすいはわかりにくい? ――臨床哲学講座
    4.1
    ひとはなぜ、自由が拡大したのに不自由を感じ、豊かな社会になってかえって貧しさを感じるのか。「自由」「責任」の本質は何か。哲学の発想から常識とは違う角度からものを見る方法を考える。人々と対話し思索を深める“臨床哲学”の立場から、複雑化した社会のなかで、自らの言葉で考え、生き抜いていく力をサポートする。
  • ヴェニスの商人 ――シェイクスピア全集(10)
    3.9
    もしも借金が返せないのならば、約束通り貴方のその体から1ポンドの肉を切りとらせろ――。ユダヤ人の金貸しシャイロックがアントーニオに要求した証文が現実となった。それに対してヴェニスの法廷が下した驚くべき判決とは? そして裁判官の正体は? 商業都市ヴェニスとロマンティックな愛の町ベルモントを舞台に、お金とセックスの隠喩をちりばめて繰り広げられる、世界で一番有名な喜劇を鮮やかな最新訳でどうぞ。
  • 百合子さんは何色――武田百合子への旅
    5.0
    泰淳夫人の色、詩人の色、秘密の色……。『富士日記』『犬が星を見た』『日日雑記』など秀れた文業で名高い武田百合子。その類まれな文筆家の本当の色とは? 光り輝く中に不思議な謎を秘めて逝った百合子さんの魅力に迫り、鎮魂の思いを込めてその生涯をさまざまなアングルから探った傑作評伝。
  • ハイデガー入門
    3.6
    二〇世紀哲学における最大の巨人と称されるハイデガー。半世紀以上にわたり、彼の思想はあらゆる知の領域に圧倒的な影響を及ぼしてきた。哲学史上最重要な作品の一つとして、大いなる成功と絶望的な無理解の断層に屹立する哲学書『存在と時間』。そこに隠された真の狙いとは何なのか? 本書は難解で知られるハイデガーの思考の核心を読み解き、プラトン、アリストテレス以降の西洋哲学が探求し続けた「存在の問い」に迫る。ハイデガー哲学の魅力の源泉を理解するための一冊。
  • 日本経済を学ぶ
    4.3
    日本経済は、この先、安定的な成長路線に復帰できるのだろうか。不良債権処理、累増する国債、少子・高齢化と年金といった問題が山積している現在こそ、戦後の高度成長期から平成の「失われた10年」までを丹念に振り返る必要がある。「日本的経営」の行方、コーポレート・ガバナンス、規制改革や構造改革などの課題を、さまざまな観点からダイナミックに捉える、最良の日本経済入門。
  • ソ連史
    4.1
    1巻902円 (税込)
    一九一七年の革命から生まれ、一九九一年に崩壊した社会主義国家・ソ連。二〇世紀の歴史上に巨大な存在感を持つこの国は、いまだ「冷戦の敗者」「失敗した社会主義国」「民意を無視した全体主義国家」といったイメージで論じられる。しかし、その歩みの内側からたどると、従来の印象に収まらない様々な試行錯誤がおこなわれていたことが見えてくる。簡潔で奥深いソ連史入門。
  • 誘拐
    3.8
    東京オリンピックを翌年にひかえた1963年、東京の下町・入谷で起きた幼児誘拐、吉展ちゃん事件は、警察の失態による犯人取逃がしと被害者の死亡によって世間の注目を集めた。迷宮入りと思われながらも、刑事たちの執念により結着を見た。犯人を凶行に走らせた背景とは? 貧困と高度成長が交錯する都会の片隅に生きた人間の姿を描いたノンフィクションの最高傑作。
  • かげろう忍法帖 ――山田風太郎忍法帖短篇全集(1)
    3.7
    「どんなきっかけで時代錯誤な忍術物語を書きはじめたのか、じぶんでも忘れてしまったが、いまくびをひねって思い出してみると、どうやら「水滸伝」を私流に書いてみないかとすすめられたことが端緒となったような気がする」(「『今昔物語集』の忍者」より)。風太郎忍法帖の多彩さの極みは短篇にある。長らく読めなかった短篇を多数収録するシリーズ第一弾。
  • ほんとはこわい「やさしさ社会」
    3.8
    現代社会は「やさしさ」「楽しさ」が無条件に善いとされ、人間関係のきびしいルールになっている。しかし、それは本当に生きやすい社会なのだろうか。なぜやさしいひとばかりが増えてしまったのか。その根本から丁寧に解き明かし、しんどさやこわさをなくして気楽に生きるための智恵を探る。
  • フーコー入門
    4.0
    「真理」「ヒューマニズム」「セクシュアリティ」といった様々な知の〈権力〉の鎖を解き放ち、「別の仕方」で考えることの可能性を提起し続けた哲学者、フーコー。我々の思考を規定する諸思想の枠組みを掘り起こす〈考古学〉においても、我々という主体の根拠と条件を問う〈系譜学〉においても、彼が一貫して追及したのは〈思考のエチカ〉に他ならなかった。稀代の哲学者の変容しつつ持続する歩みを明快に描き出す、新鮮な入門書。
  • 正義論の名著
    4.0
    「公正さとは何か」「正しさの基準はどこにあるのか」などなど、今日でも論じられる「正義」について、大思想家たちの「名著」は大きなヒントと刺激を与えてくれる。プラトン、アリストテレスから、ホッブズ、ロック、ベンサム、ニーチェ、さらにはロールズ、デリダ、サンデル…。主要な思想のエッセンスがわかる一冊。
  • ルポ 餓死現場で生きる
    4.5
    飢餓に瀕して、骨と皮だけになった栄養失調の子供たち。外国の貧困地域の象徴としてメディアに描かれる彼らはどのように暮し、生き延びているのだろうか? 世界各地のスラムで彼らと寝食を共にした著者が、その体験をもとに、児童労働、売春、児童結婚、子供兵、HIVなど見過ごされてきた現実を克明に綴る。
  • 「かわいい」論
    3.7
    世界に冠たる「かわいい」大国ニッポン。キティちゃん、ポケモン、セーラームーンなどなど、日本製のキャラクター商品が世界中を席巻している。では、なぜ、日本の「かわいい」は、これほどまでに眩しげな光を放つのか? 「かわいい」を21世紀の美学として位置づけ、その構造を通時的かつ共時的に分析する。
  • 落語百選 春
    3.9
    1~4巻924~1,023円 (税込)
    落語は本来噺家の芸によるものだが、高座で演じられる身振り手振りの可笑しさにとらわれていては、落語の奥に潜む人間の生態を見失うことになりかねない。本シリーズは、「落語」の素型を損なうことなく、そこに溜めこまれた人間の想いを写し取るように構成した新しい試みです。まずは「春の巻」。玉子焼きはタクアンでかまぼこは大根、もちろん酒は薄めた番茶。「近々いいことがあるようですよ、湯飲みの中に酒柱が立ってます。」おなじみ「長屋の花見」など春気分あふれる25話。
  • なめくじ艦隊 ―志ん生半生記―
    4.1
    「あたしはちょうど、うちにおったなめくじみたいに、切られようが突かれようがケロンとして、ものに動じずに、人にたよらず、ヌラリクラリとこの世のなかの荒波をくぐりぬけ……」(本文より)。酒がいっぱいあるということで満州行きを決意した話など、昭和落語を代表する噺家が酒、女、バクチ、芸をしみじみと語る。五代目古今亭志ん生の人柄がにじみでた半生記。
  • われらロンドン・シャーロッキアン
    -
    シャーロック・ホームズは生きている! 百四十歳の誕生日を迎えたホームズは、時折リューマチの発作に襲われることを除けば、今も元気でイングランド南部のサセックスの田舎で悠々自適の生活を送っている……。商社マンとして五年間ロンドンに駐在し、熱狂的シャーロッキアンになってしまった著者が、仕事の合間をぬって名探偵の足跡を追い、同時にホームズの拡大鏡を借りて英国と英国人の素顔を探偵する。
  • ピクウィック・クラブ(上)
    4.0
    実業界を引退した裕福な紳士にしてクラブの会長ピクウィック氏は、新たにつくった通信部の仕事として各地の風俗を調査報告すべく、3人の会員とともに旅に出る。もとより無邪気で素朴、人間愛の化身とも言うべき人物であるので、旅行は単なる調査にとどまるわけがなく、行く先々で世の虚偽を暴き悪を懲らしめ苦境にある人々を救わないわけにはいかない。しかし、その善意が飛び切りのものだったのでしばしば空回りしてしまい、悪人の奸計にかかり、滑稽な失敗をしてしまうのだった。
  • ペルシーレス(上)
    -
    蛮族、海賊、魔女たちが跳梁跋扈する極北の氷海から聖地ローマへ、いくつもの謎を秘めた世にも美しい兄妹の大巡礼の旅が始まる……。そのあまりの幻想性、奇想性のゆえに、世界の文学史の狭間に置きざりにされてきた、セルバンテス絶筆の大著の完訳。
  • 江戸川乱歩随筆選
    4.0
    <乱歩ワールド>を、さらに深く味わうための、めくるめくオモチャ箱。初恋の話、人形の話、同性愛文学の話、孤独癖の話、ドストエフスキーの話、歌舞伎の話、トリックの話、ディケンズの話、収集癖の話……などなど。作家にしてエンサイクロペディストである乱歩、その素顔と創作の秘密が明かされる。
  • 諸国物語(上)
    -
    1~2巻935円 (税込)
    いろいろな国の作家による奇妙な話、不思議な話、恐ろしい物語など、中・短編を森鴎外の格調高く、文学の香り豊かな名訳で送る。本巻には猿のもの悲しい運命を描く「猿」(クラルテー)、犬を捨てに行った男のドタバタ話「一疋の犬が二疋になる話」(ベルジエー)などの幻の作品やポー、リルケ、シュニッツラーはじめ、各国の名品25作を収録する。
  • ぼくのコドモ時間
    -
    ワクワク、箒でチャンバラ、ピカピカ、三角ベースに釘さし、ウロウロ、動物園遠足で迷子、ドキドキ、防空壕の探検、ハレバレ、さかあがりの練習、モタモタ、汲みとり式便所、ホレボレ、床屋さんのあめん棒、ポカポカ、日向くさい学生服。いまよりもいろんなことが心細くて不安だった。一日がずっと長かった。ゆったりのんびり流れていたコドモの時間は、レコード盤の溝を外側から内側に辿るように、今、大人のターンテーブルを回っているぼくへとつながっている。やわらかな文章とイラストで手繰り寄せるあのころ。
  • 新装版 消えた鼓動 ――心臓移植を追って
    4.0
    医療だったのか、殺人だったのか――深い疑惑につつまれる「和田心臓移植事件」の全貌。札幌を基点とし、南アフリカ、アメリカでの綿密な取材を背景に、犀利な作家の眼によって「事件」を克明に描きつつ、医師のモラルを告発し、人間性の所在を証言する迫真のドキュメント。
  • 砦に拠る
    1.0
    己が意志力と能力のあらん限りを燃焼し尽くしてダム建設反対の鬼と化し、ただ一人で国家と拮抗し、ついに屈することのなかった蜂の巣城城主・室原知幸。「法には法、暴には暴」のスローガンの下、奇抜な山砦戦術、芝居っ気たっぷりな作戦。そして六法全書を武器として果敢に闘った室原の凄絶な半生を、豊富な資料と丹念な聞き書きをもとに、躍動する文体で描ききった感動の記録文学大作。
  • 学歴分断社会
    3.6
    日本の大卒層と非大卒層――。全人口におけるその割合はほぼ同数となり、大卒/非大卒という分断線こそが、さまざまな格差を生んでいる。学歴分断社会は、どのようにして生じたのか。解決すべき問題点はないのか。最新かつ最大規模の社会調査データを活用し、これまでタブー視されてきたこの領域に鋭く切り込む。
  • 組織戦略の考え方 ――企業経営の健全性のために
    4.2
    日本型組織の本質を維持しつつ、腐った組織に堕さないよう、自ら主体的に思考し実践していこう。本書は、常識的な論理をひとつずつ積み上げて、組織設計をめぐる誤解を解き明かす。決断できるトップの不在・「キツネ」の跋扈・ルールの複雑怪奇化等の問題を切り口に、組織の腐り方を分析し対処する指針を示す。
  • 現代語訳 武士道
    4.0
    日本人は、宗教なしに道徳をどう学ぶのか―こうした外国人の疑問を受け英文で書かれた本書は、世界的ベストセラーとなった。私たちの道徳観を支えている「武士道」の源泉を、神道、仏教、儒教のなかに探り、普遍性をもつ思想であることを鮮やかに示す。日本文化論の嚆矢たる一冊を清新かつ平明な現代語訳と解説で甦らせる。
  • 日々是修行 ――現代人のための仏教一〇〇話
    4.2
    仏教の本質は修行である。苦を生み出すものが「この私」であるなら、心を鍛え、私自身を変えることで、苦しみから自由になれるはずだ。現代に生きる私たちにとって、ひたすら信じる救済の宗教よりも、釈迦本来の合理的な教えの方が、むしろ馴染みやすい。初期仏教の思想をベースに、生活に結びつく叡智一〇〇話を紹介。
  • レヴィ=ストロース入門
    3.5
    若きレヴィ=ストロースに哲学の道を放棄させ、ブラジルの奥地へと駆り立てたものは何だったのか? 彼の構造主義を中心とする思考は、現代思想にも深い影響を与え、西洋の自文化中心主義への反省と主体の解体をうながす大きな役割を果たした。本書は、レヴィ=ストロースの代表作『親族の基本構造』『野生の思考』『神話論理』をとりあげ、彼が未開社会の親族構造や神話研究から汲みあげた豊かな思考の可能性の核心を読み解く。しばしば誤解されがちな「構造主義」を本当に理解し、ポストコロニアル論にも活かすための新しい入門の書。
  • ウィトゲンシュタイン入門
    3.8
    世紀末のウィーンに生まれ、20世紀初頭のケンブリッジを舞台に活躍した天才科学者ウィトゲンシュタイン。裕福なユダヤ系鉄鋼財閥の家庭に育ちながら、数奇な一生と特異な行動や風貌によって、その思想の全貌は今日なお神秘的な色彩を帯びる。彼が生涯を賭けて問いつづけた「語りえないもの」とは何か? 初期の写像理論から中期の文法理論、後期の言語ゲーム理論へと展開する独特のアイディアにみちた思想の核心にわけ入り、読者とともに考える、清新な魅力にあふれた入門書!
  • マルクス入門
    3.1
    マルクス主義が大きく後退した現在の状況下で、今あらためてマルクスを読みなおす意義はあるのだろうか。『資本論』をはじめとする主要著作を再度きちんと読み込むことで捉えられるマルクス像は、哲学においても、経済学においても、あらゆるイデオロギーを批判して、常に無神論の位置に立ち続けようとする姿であった。既存のマルクス像から自由になり、マルクスの新しい可能性を見出すための最良の入門書。
  • 女子・結婚・男選び ――あるいは〈選ばれ男子〉
    4.0
    女子最大の問題、それはもちろん“男選び”だ。打算で結婚するのは卑しい。でも最上の男を手に入れたい。男子に対する尊敬の念と幻滅。女を見る目がない男と、男を見る目がない女たち。ゲーテとマン、夏目漱石から水村美苗までを読み直し、悲喜劇を考察する。さあ、「女の子いかに生くべきか」。女子も男子も必読!
  • レヴィナス入門
    4.0
    フッサールとハイデガーに学びながらも、ユダヤの伝統を継承し、独自の他者論を展開した哲学者エマニュエル・レヴィナス。自身の収容所体験を通して、ハイデガーの「寛大で措しみない存在」などは、おそるべき現実の前に無化されてしまうと批判する。人間はどれだけわずかなものによって生きていけるのか、死や苦しみにまつわる切なさ、やりきれなさへの感受性が世界と生を結びつけているのではないか。こうした現代における精神的課題を、レヴィナスに寄り添いながら考えていく入門書。
  • 無思想の発見
    4.0
    日本人は無宗教・無思想・無哲学だという。さて無思想とは、どのような事態か。もしかするとそれは、「ゼロ」のようなものではないのか。つまりゼロとは、「なにもない」状態をあらわしつつ、同時に数字の起点でもある。ならば、「思想がない」というのも、ひとつの「思想」のあり方ではないか。日本の風土と伝統が生んだ「無思想という思想」を手がかりに、現代を取り巻く諸問題、さらには、意識/無意識とはなにかを、大胆に、されど精緻に考え尽くし、閉塞した現代に風穴を開ける。
  • 経済学を学ぶ
    3.8
    交換と市場、需要と供給、企業・政府などミクロ経済学の基本問題から、国民所得、財政金融政策などマクロ経済学の基礎までを、豊富な例示とたくみな比喩で説く明快な入門書であるとともに、今日の複雑な経済・社会を正しく読み解きたいという読者にむけて、現実の経済・金融問題などを幅ひろくとりあげ解説する、役に立つ生きた「再」入門書である。
  • 大衆の反逆
    4.2
    一九三十年刊行の大衆社会論の嚆矢。二十世紀は「何世紀にもわたる不断の発展の末に現れたものでありながら、一つの出発点、一つの夜明け、一つの発端、一つの揺籃期であるように見える時代」、過去の模範や規範から断絶した時代。こうして、「性の増大」と「時代の高さ」の中から《大衆》が誕生する。諸権利を主張するばかりで、自らにたのむところ少なく、しかも凡庸たることの権利までも要求する大衆。オルテガはこの《大衆》に《真の貴族》を対置する。〈生・理性〉の哲学によって導かれた予言と警世の書。
  • ザ・ベスト・オブ・サキ(1)
    4.5
    1~2巻946~968円 (税込)
    「……サキの短篇はコッソリひとりで楽しみたい本に属する。おかしな奴に教えておかしなことでも言われたらせっかくの貴重な発見が安っぽくなって困るからだ」(A.A.ミルン)。残酷さとユーモア、とぼけた語り口、簡潔な文体で、心の暗部を描き出すサキ。新訳4篇を含む86篇を発表順に編集して2冊で贈るサキの決定版。本巻には、人間の醜聞を次々と暴く、言葉をしゃべる猫の話『トバモリー』をはじめ、『ハツカネズミ』『エズミ』など44篇収録。
  • 靖国問題
    3.8
    21世紀に入ってもなお「問題」であり続ける〈靖国〉。「A級戦犯合祀」「政教分離」「首相参拝」などの諸点については今も多くの意見が対立し、その議論は数々の激しい「思い」を引き起こす。だがそうした「思い」に共感するだけでは、あるいは「政治的決着」を図ろうとするだけでは、問題の本質的解決にはつながらない。本書では靖国を具体的な歴史の場に置き直しながら、それが「国家」の装置としてどのような機能と役割を担ってきたのかを明らかにし、怜悧な論理と哲学的思考によって解決の地平を示す。決定的論考。
  • アリストテレス入門
    3.9
    プラトンとならぶ古代ギリシア哲学の巨人アリストテレス。彼はのちのヨーロッパ哲学に影響を与えただけではない。いわゆる三段論法を中心とする形式論理学の基礎を築き、具体・抽象、普遍・個別、可能・現実といった概念を創始して、近代自然科学の発展をささえる知の総合的な枠組をつくりあげた。われわれがさまざまな事柄を考える際の思考法そのものに関わる問題を、彼はどのように追求していったのか。本書は、そのねばりづよい知の探求の軌跡をたどるアリストテレス再発見の試みである。
  • 現代語訳 論語
    3.9
    温かく、刺激的で、ときには厳しく、ときにはユーモアが漂う孔子の言葉をすっきり読めるかたちで現代語訳。「学び続けることの中に人生がある」――二千五百年もの間、読み継がれ、多くの人々の「精神の基準」となった古典中の古典を紐解けば、いつでもどこでも生き生きとした精神に出会うことができる。
  • ヒトの進化七〇〇万年史
    3.8
    二一世紀に入り先史人類学をめぐる状況は大きく変わった。画期的な発見が相次ぎ、人類の起源が従来より七〇〇万年遡るとともに、進化の道筋も見方の変更が迫られている。人類は、複数の人類種が複線的に生まれては消え、現生人類はそのうち生き残った一つでしかないとわかってきたのだ。最新の発掘成果と学説を解説する。
  • 政治学の名著30
    3.9
    人間が集団の中で生活することのあり方や異なる集団同士のもつれ合いと闘争……。そこには一定の解はなく、その都度の考察を必要とする。現実がますます混迷を深めているいまだからこそ、それらを繙くことは千鈞の重みを持つにちがいない。厳選された30冊の世界へ、政治学の第一人者が案内する。
  • 落語特選(上)
    3.9
    落語の登場人物には実在のモデルがいたわけではない。こういうやつがいたら面白かろう、自分もああなってみたいという町人の希望や生き方の理想、はたまた心意気が渾然一体となってつくりだされてきた。とりわけ強烈な個性の主人公を集めた2冊の(上)には、借り手の審査が異常に厳しい大家の「小言幸兵衛」、喧嘩の罰で頭を剃られた仕返しに長屋のおかみさんたちを尼にしてしまう「大山詣り」、いやみな通人に無理やり傷んだ豆腐を食べさせる「酢豆腐」など20編を収録。
  • プラトン入門
    3.6
    ヨーロッパ哲学の絶対的な「真理」主義の起源をなす人物として、ポストモダン思想家から最悪の評価を与えられている人、プラトン。しかしプラトンこそ実は、異なった人間どうしが言葉を通して共通の理解や共感を見出しうる可能性を求めた「普遍性」の哲学者であった。プラトン評価を逆転させる、目から鱗の一冊。
  • 丸山真男 ――ある時代の肖像
    -
    「進歩」が輝いた戦後の一時代は、丸山真男の時代でもある。「超国家主義者」、「日本ファシズム」批判に始まる論考と発言は、進歩的論壇の流れをつくり、今も広く読者を集める。講和問題や朝鮮戦争、ベトナム反戦や憲法九条、天皇問題などに現われる軌跡をたどり、戦後日本の夢と悔恨をふりかえる。
  • 経済学の名著30
    3.7
    市場経済はいかにして驚異的な経済成長を可能にするのか。スミス、マルクスから、ケインズ、ハイエクを経てセンまで、厳選された30冊の核心を明快に解きほぐすブックガイドである。それぞれの時代の経済問題に真っ直ぐ対峙することで生まれた古典は、私たちが直面する現下の危機を考えるうえで豊穣な知見に満ちていよう。
  • 人類と建築の歴史
    3.8
    建築とは何か、その歴史とはどのようなものだろうか? 母なる大地と父なる太陽への祈りによって誕生した〈建築〉。地母神が人をやさしく包む母のような内部を、太陽神が人の眼前にそびえる父のような外観をもたらした。以降、神々のおわす神殿、神社へと発展し、青銅器時代から二十世紀モダニズムへと駆け抜けていく。人々の共同意識が作り出し、さらに意識を組織化する力をもつ建築。様々な説により自由にかつダイナミックに展開する、全く新しい『初めての建築の本』。
  • 記憶の絵
    4.2
    葬式饅頭を御飯にのせ、煎茶をかけて美味しそうに食べた父・鴎外のこと、ものの言い方が切り口上でぶっきら棒、誤解されやすかった凄い美人の母のこと、カルチャー・ショックを受けたパリでの生活、〈しんかき〉〈他所ゆき〉〈足弱伴れ〉などなつかしい言葉と共にあった日常のこと――。記憶の底にある様々な風景を輝くばかりの感性と素直な心でえがき出した滋味あふれる随筆集であり、いつの時代でも古びることのない本物の「洒落っ気」「哀しみ」「悦び」を味わえる一冊。
  • 図書館に訊け!
    4.0
    あなたは日ごろ、図書館をどのように使っていますか。棚を見ただけで、適当に選んだりしていませんか。手にした資料が信頼に足るものか、調べもせずにレポートを書いたりしていませんか。本書では大学図書館に勤務する著者が、図書館で何をどこまで調べられるのか、基本から「奥の手」まで、探索力上達の秘訣を伝授します。初めてレポートを書く学生さんから「いまさら聞けない」と悩んでいる研究・調査業務のプロまで「調べ、書く」必要のあるすべての人々のための新しいバイブルの誕生です。
  • 日本奇僧伝
    3.0
    かつて日本にもしばしば奇跡を起こし奇矯な振る舞いをもって人々のこころに強い印象を与えた異能・反骨・隠逸の出家たちがいた。いわゆる名僧高僧ではないために残された史実は少なく、口伝でその活躍が伝えられてきたわけだが、むしろ本当かどうかはわからないその逸話の真実らしさにこそかつての日本人はリアリティーを感じていたのだ。橋を架け道路を開いた行基が魚の切り身を小魚に変えた話、歌人として有名な西行が人造人間を作った話など、エピソードで語る25人の奇僧の姿。
  • ケルト妖精物語
    4.0
    月夜の緑の草原や青い海原の底でバラエティーに富んだ妖精たちと人間が織り成す、詩情ゆたかな物語の数々。アイルランドで何世紀にもわたって語り継がれ、今なお人々の心に息づいている祖先ケルト民族のさまざまな民間伝承や昔話の中から、妖精譚のみを集めた古典的名著。付録にイエイツの「アイルランドの妖精の分類」を収録。
  • 日本人はなぜ無宗教なのか
    4.1
    いまや日本人は自分たちを「無宗教」と規定して、なんら怪しむことがない。しかし、本当に無宗教なのだろうか? 日本人には神仏とともに生きた長い伝統がある。それなのになぜ「無宗教」を標榜し、特定宗派を怖れるのか? 「……私は、宗教とは、人間がその有限性に目覚めたときに活動を開始する、人間にとって最も基本的な営みだと理解している……」。著者は民族の心性の歴史にその由来を尋ね、また近代化の過程にその理由を探る。そして、現代の日本人に改めて宗教の意味を問いかける。
  • 同日同刻――太平洋戦争開戦の一日と終戦の十五日
    4.1
    太平洋戦争中、人々は何を考えどう行動していたのか。敵味方の指導者、将軍、兵、民衆の姿を、著者の蒐集した膨大な資料を基に再現。開戦の日、昭和16年12月8日と終戦にいたる昭和20年8月1日から15日までの、同日同刻の記録が戦争に翻弄された人間の狂気、悲劇、愚かしさを焙り出す。
  • 梶井基次郎全集 全一巻
    4.0
    ほとんど無名のうちに夭折しながらも後年、三島由紀夫をして「デカダンスの詩と古典の端正との結合、熱つぽい額と冷たい檸檬との絶妙な取り合はせであつて、その肉感的な理知の結晶ともいふべき作品は、いつまでも新鮮さを保ち、おそらく現代の粗雑な小説の中に置いたら、その新しさと高貴によつて、ほかの現代文学を忽ち古ぼけた情けないものに見せるであらう」と云わしめた梶井基次郎の全集。難解な語句には注を付し、すべての作品はもとよりの習作・遺稿までを網羅した全一巻。
  • 社会学の名著30
    3.9
    わかりやすそうで意外に手ごわい社会学も、良質な入門書に導かれれば、見慣れたものの意味が変容し、知的興奮を覚えるようになる。著者自身が面白く読んだ書30冊を通して、一員でありながらとらえるのが難しい「社会」を見る目を養う最良のブックガイド。
  • 人間の未来 ――ヘーゲル哲学と現代資本主義
    4.2
    資本主義は今、格差を拡大しつつ地球を消費し尽くそうとしている。その制御がかなわなければ、私たちが近代以降なんとか確保しようとしてきた「人間的自由」は、息の根を止められかねない。近代哲学、とりわけヘーゲルは「自由の相互承認」という重要概念を示し、この問題を考える上でも欠かせない。こうした観点から、誤解にさらされてきた近代社会の本質を明らかにし、巨大な矛盾を生む現代資本主義をどう修正すべきか、その原理を探る迫真の思考。
  • 現代語訳 史記
    3.7
    歴史書の大古典にして、人間の在り方を描く文学書でもある司馬遷の『史記』を、「キャリア」をテーマにして選び出し現代語訳。帝王、英雄から、戦略家、道化、暗殺者まで、権力への距離違えども自らの力で歴史に名を残した人物たちの魅力は色あせない。適切なガイドと本物の感触を伝える訳文で『史記』の世界を案内する。
  • 人はなぜ「美しい」がわかるのか
    3.8
    人はなぜ、「美しい」ということがわかるのだろうか? 自然を見て、人の立ち居振舞いを見て、それをなぜ「美しい」と感じるのだろうか? 人として生きる生活レベルから「審美学」に斬り込む。源氏物語はじめ多くの日本の古典文学に、また日本美術に造詣の深い、活字の鉄人による「美」をめぐる人生論。
  • ドゥルーズ入門
    3.4
    没後十年以上の時を経て、その思想の意義がさらに重みを増す哲学者ドゥルーズ。しかし、そのテクストは必ずしも読みやすいとはいいがたい。本書は、ドゥルーズの哲学史的な位置付けと、その思想的変遷を丁寧に追いながら、『差異と反復』『意味の論理学』の二大主著を中心にその豊かなイマージュと明晰な論理を読み解く。ドゥルーズを読むすべての人の羅針盤となる決定的入門書。
  • バタイユ入門
    3.8
    聖なるものへの覚醒とはなにか。エロチシズムとはなにか。熱き情念に突き動かされながら、人間の思考のあり方を問い、その限界の彼方を指し示した人、バタイユ。ヘーゲルを頂点とする西欧文明における理性の体系に対し、「非-知」「好運」を看板に掲げて果敢に戦いを挑みつづけた。現代のヨーロッパはいまだ彼が投げかけた問いの内にあり、そこにまたバタイユの思想を問う意味がある。「死とエロチシズム」の思想家の活動の全貌を新たな視点から明快に解き明かす入門書。
  • 千一夜物語(1)
    4.2
    1~10巻990~1,265円 (税込)
    妻の裏切りに心を狂わせたシャハリヤール王は、一夜に一人の処女をはべらせたあげく殺していた。これに心を痛めたシャハラザードは、みずから王のそばに上る。聡明な彼女の語る話の面白さに王は毎夜、殺すのも忘れて聞き入り、千一夜目に達したときには、ついに王の心は温かく溶けていたのだった。東西のあらゆる物語の中で最も多くの驚きと不思議に満ちた大ロマン。定評あるマリュドリウス版からの個人全訳に詳細な訳註を付す。
  • 時間と習俗の社会史 ――生きられたフランス近代へ
    -
    「時計にきざまれる時間」は権力や政治のありかた、人々の日常生活をどのようにして変えていったのか。もっぱら否定的に語られてきた伝統的な住民共同体には、いかなる柔軟で豊かなイマジネーションを持つ習俗があったのか。フランス近代の社会生活における時間や習俗の歴史と、そこに息づく人々の生活世界をたずねながら、現代におけるしなやかな時間の感覚と生き方の可能性をさぐるフランス史の旅。
  • 保守主義的思考
    -
    19世紀初頭、人間の普遍的本性としての「伝統主義」から、截然と区別されるようにして現れてきた「保守主義」とは何か? 啓蒙主義とフランス革命がもたらした「抽象的」「理念的」なものへの偏愛に対置するに、「具体的」で「生き生きとした」ものをもってした《保守主義的思考》は、ロマン主義ときりむすびながら、いかに展開していったのか? 「保守主義」を、ひとつの特殊な歴史的・近代的現象としてとらえた「知識社会学」の先駆的著作。
  • 円のゆくえを問いなおす ――実証的・歴史的にみた日本経済
    4.2
    世界経済は不安定になるなか、私たちに最も大きな影響を及ぼしているのが円高・円安という円相場の動きである。円高は目前のメリット/デメリットに目がいきがちだが、デフレと経済成長率の低下という「失われた20年」の根幹をなす問題が横たわっている。円のゆくえを主軸に、日本経済の過去・現在・未来を総括する。
  • デカメロン(上)
    3.8
    中世の終焉と近代の人間解放を告げた最初の作品と讃えられる、イタリアが産んだ不朽の名作。時は14世紀、ペストが荒れ狂うフィレンツェである教会堂に落ち合った年若い3人の貴公子と7人の貴婦人。丘陵に囲まれた郊外の山荘へ難を逃れた彼らが、悲惨な現実を忘れるため、毎日1人1話ずつ10人で10日間にわたって話された100篇の物語。精力絶倫の修道士が自分の不行跡に修道院長を引きずり込んで罪を逃れる話や、恋多き女が修道院を舞台に巧みに思いを遂げる話など、本巻には30話までを収録。
  • ニーチェ入門
    4.3
    ルサンチマンの泥沼の中で「神」や「超越的真理」へと逃避するのか、あるいは「永遠回帰」という「神聖な虚言」に賭け、自らの生を大いに肯定するのか? 二十世紀思想最大の震源地であり、今日もなお、あらゆる思想シーンに絶大な影響力を誇るニーチェの核心を果敢につかみ、さらに未来へと開かれた可能性を大胆に提示する、危険なほどの刺激的な入門書。
  • 知識経営のすすめ ――ナレッジマネジメントとその時代
    3.8
    日本企業は二度の石油ショック、ニクソン・ショック、円高などを克服し、強い競争力を作り上げてきた。日本企業に比較優位をもたらしたのは組織的知識構造をコアとする労働スタイルにあった。それは個別的な直感=暗黙知を形式知化して組織全体のものにし、製品やサービス、業務システムに具体化していく組織の運動能力をさす。いくつもの優良企業のケーススタディをもとに知識創造と知識資産活用の能力を軸として、大転換を迫られている日本的経営の未来を探る。
  • 現代語訳 福翁自伝
    4.2
    『学問のすすめ』『文明論之概略』などを著し、慶應義塾の創設にも力を尽くした近代日本最大の啓蒙思想家・福澤諭吉。激動の時代を痛快に、さわやかに生きた著者の破天荒なエピソードが収められた本書は、近代日本が生み出した最良の読み物のひとつであり、現代日本人が生きる上で最高のヒントを与えてくれるだろう。
  • 現代語訳 学問のすすめ
    4.4
    近代日本最大の啓蒙思想家・福澤諭吉の大ベストセラー『学問のすすめ』を、原書のリズムをいかしつつ、文語を口語に移した現代語訳。国家と個人の関係を見つめ、世のために働くことで自分自身も充実する生き方を示した彼の言葉は色あせない。時代情勢を的確に見極め、今すべきことを客観的に判断する力を身につけよう。
  • ドン・キホーテ 前篇(1)
    -
    スペインの片田舎の紳士が、騎士道小説の読みすぎで妄想に取り憑かれ、「世の不正を正すため」従士サンチョ・パンサと愛馬ロシナンテを引きつれ、遍歴の騎士となって旅に出る。狂気と正気の衝突、夢想へ向かっての猪突猛進、溌剌とした純愛。魅力的な登場人物とユーモアに溢れた世界文学史上に永遠の命をもつ人生探求の長篇。
  • お気に召すまま ――シェイクスピア全集(15)
    3.9
    ド・ボイス家の末弟オーランドーは、長兄オリヴァーから逃がれ、アーデンの森に入る。オーランドーに一目惚れした前公爵の娘ロザリンドも、従姉妹のシーリアとともにアーデンの森へ向かう。男装し、羊飼いとして暮らすロザリンドを本人とは気づかず、オーランドーは恋の告白の練習をするが……。アーデンの森を舞台に数組の男女が繰り広げる恋愛喜劇。
  • オセロー ――シェイクスピア全集(13)
    4.2
    ヴェニスの貴族でムーア人の将軍オセロは、元老院議員ブラバンショーの美しき娘デズデモーナと結婚し、幸福の絶頂にあった。だが、部下イアゴーの奸計により、愛する妻と信頼する副官が不義の関係にあると誤解。怒りと嫉妬の末に訪れる結末は……。シェイクスピア四大悲劇の傑作を待望の新訳で贈る。
  • グリム童話(上)
    3.0
    1~2巻1,012~1,023円 (税込)
    グリム兄弟はドイツ語辞典(つまりドイツの「国語辞典」)を編纂したことからもわかるように、自分たちが使っているドイツ語の生きた姿をとどめることに力を注ぎました。彼らがまだ学者の卵だったころ、小さな街の薬局で働いていた住み込みのマリーおばさんから昔話を聞いたことから話の採集が進み、『グリム童話集』として集大成されると世界中に広まり大ロングセラーとなりました。(上)には幼い兄妹の冒険譚「ヘンゼルとグレーテル」など32編を収録しました。
  • 翔太と猫のインサイトの夏休み 哲学的諸問題へのいざない
    4.3
    中学生の翔太と猫のインサイトが、「いまが夢じゃないって証拠は?」「心があるって、どういうこと?」「たくさんの人がいる中で、自分だけが『ぼく』なのはなぜ?」といった問いをめぐり対話する。「私」が存在することの奇跡性や可能世界、正義原理、言語ゲームなどの諸問題を取り上げる予備知識のいらない哲学入門。
  • 唯脳論
    4.0
    文化や伝統、社会制度はもちろん、言語、意識、そして心…あらゆるヒトの営みは脳に由来する。「情報」を縁とし、おびただしい「人工物」に囲まれた現代人は、いわば脳の中に住む。脳の法則性という観点からヒトの活動を捉え直し、現代社会を「脳化社会」と喝破。一連の脳ブームの端緒を拓いたスリリングな論考。
  • 甘粕大尉 ――増補改訂
    4.0
    関東大震災下に起きた大杉栄虐殺事件。その犯人として歴史に名を残す帝国陸軍憲兵大尉・甘粕正彦。その影響力は関東軍にもおよぶと恐れられた満洲での後半生は、敗戦後の自決によって終止符が打たれた。いまだ謎の多い大杉事件の真相とは? 人間甘粕の心情とは? ぼう大な資料と証言をもとに、近代史の最暗部を生きた男の実像へとせまる。名著・増補改訂。
  • クオリア入門 ――心が脳を感じるとき
    3.6
    人間を世界のほかのあらゆるものと区別するのは「心」の存在だ。そして、われわれの心の中のすべての表象は、クオリアというそれ以上分割できない単位からできている。風にそよぐ木々の動きや葉の色、鼻孔をふるわす芳香――さまざまなクオリアたちを表象する〈心〉が、脳内にいかにして現象するか。さらにクオリアと「私」の心を結ぶ「志向性」の新たな展開とは? 脳科学の現在から「私の心」の見取り図へ。模索する独創的思考の息づかいが感じられる格好の入門篇。
  • てつがくを着て、まちを歩こう ――ファッション考現学
    3.9
    ケータイ電話が日常のコミュニケーションの主流となり、現実とヴァーチャルな世界との境界がかぎりなく曖昧なものになりつつある今日、ファッション、モードの世界はかつての規範から解きはなたれた人びとの思い思いの「てつがく」の交響の場となっている。目まぐるしく変遷するモードの世界に、変わることのない肯定的眼差しを送りつづけてきた著者のしなやかなファッション考現学。
  • 意味とエロス ――欲望論の現象学
    4.0
    現象学こそがわれわれがとりうるもっともラディカルな哲学態度であり、そして、その可能性をさらに推し進めることのなかにこそ、現代思想の混迷を突破する道がある。著者の哲学的デビューの書であり、その原点をいまもくっきりと指し示す本書は、読者に哲学することの意義と歓びを感じさせずにはおかない。
  • ヴェニスの商人の資本論
    3.9
    〈資本主義〉のシステムやその根底にある〈貨幣〉の逆説とはなにか。その怪物めいた謎をめぐって、シェイクスピアの喜劇を舞台に、登場人物の演ずる役廻りを読み解く表題作「ヴェニスの商人の資本論」。そのほか、「パンダの親指と経済人類学」など明晰な論理と軽妙な洒脱さで展開する気鋭の経済学者による貨幣や言葉の逆説についての諸考察。
  • 海野十三集 三人の双生児 ―怪奇探偵小説傑作選5
    4.0
    日本SFの元祖・海野十三。理科系作家がその新しい知識を駆使して生み出す奇ッ怪で新鮮な物語に、昭和の科学少年たちは胸を躍らせた。赤外線、テレヴィジョン、超音波に電気風呂―。エログロ・ナンセンスにみちた初期の作品から戦時下の緊迫した空気を伝える異色作まで、鬼才が遺した多彩な推理小説を収める。
  • 城昌幸集 みすてりい ―怪奇探偵小説傑作選4
    3.0
    ショートショートの先駆者であり、怪奇探偵小説の分野で多くの掌編小説を残した城昌幸。小さな作品ひとつひとつに見られる驚くべき発想の奇抜さ、ときに詩的な雰囲気を漂わせる文章の流麗さから、江戸川乱歩をして「人生の怪奇を宝石のように拾い歩く詩人」と言わしめた作家の、自選傑作集「みすてりい」を中心に、魅力を網羅した一冊。
  • 久生十蘭集 ハムレット ―怪奇探偵小説傑作選3
    4.2
    現実と非現実のあわいの世界と人間の狂おしい心情を描く久生十蘭。その該博な知識と彫琢を凝らした世界の魅力を網羅した1冊。高等遊民の男と、非常な美しさをたたえた女性との数奇な運命を描いた「湖畔」「墓地展望亭」、戦後間もなく発表され代表作とされる「ハムレット」と、その原型となった「刺客」等14作品収録。
  • 東京の下層社会
    4.1
    スラムの惨状、もらい子殺し、娼妓に対する搾取、女工の凄惨な労働と虐待……。駆け足の近代化と富国強兵を国是とする日本の近代は、社会経済的な弱者―極貧階層を生み出した。張りぼての繁栄の陰で、「落伍者」「怠け者」として切り捨てられた都市の下層民の実態を探り、日本人の弱者への認識の未熟さと社会観の歪みを焙り出す。
  • オリヴァー・トゥイスト(上)
    5.0
    18XX年初頭、イギリスのとある町の救貧院で1人の男の子が生まれ落ちた。母親は子供を産むとすぐに、ぼろ布団の中で息を引き取った。過酷な環境の中で育った孤児オリヴァーはその後、葬儀屋サワベリーなどのもとを転々とするも、残酷な仕打ちに見まわれ続ける。ついにロンドンに逃れたオリヴァーを待ち受けていたのは凶暴な盗賊団一味だった……。若きディケンズが19世紀イギリス社会の暗部を暴露し、痛烈に風刺した傑作長編小説。
  • 源氏の男はみんなサイテー ――親子小説としての源氏物語
    4.2
    なぜ『源氏』の男たちはかくまでサイテーか? 『源氏』の男たちは「親子関係」のなかでとらえて初めて、その男女関係も理解できるのだ。『源氏』は愛の物語、親子関係と恋愛関係、愛という同じ穴のむじなに生きる人たちの物語である。それは読み手の恋や親子関係に重なって、私たちの心をほぐし開いていく。幸せって何? という問いかけをはらみながら。
  • 修羅維新牢 ――山田風太郎幕末小説集
    4.0
    明治元年。江戸城は明け渡され、官軍が続々と江戸に入り出す。田舎侍に対して反発が高まるなか、官軍の隊長クラスが続けざまに殺される事件が起こった。薩摩軍先鋒中村半次郎は旗本十人を捕え、犯人が名乗り出るまで一日に一人ずつ斬首してゆくという復讐を始めるのだが……。理不尽な運命の餌食となった侍たちを描く。
  • 横溝正史集 面影双紙 ―怪奇探偵小説傑作選2
    4.0
    恐しくも美しい怪事件の数々――。蔵の中に隠された秘密、美少年が彩る妖しき世界、人形を愛する女、貴婦人の化粧台に棲むもの、名家にまつわる血ぬられた過去……。横溝正史の膨大な作品のなかから、怪奇探偵小説の名にふさわしい傑作を厳選! 怪異・倒錯・耽美・官能にあふれる横溝ワールドをお楽しみください。
  • 岡本綺堂集 青蛙堂鬼談 ―怪奇探偵小説傑作選1
    4.8
    絶妙な筆致で読者を魅了する岡本綺堂。その代表作「青蛙堂鬼談」シリーズをはじめとする怪談の数々を収録する。綺堂が愛した江戸情緒や、農村、湯治場、戦場など、今や失われた風景のなかで、この世に残る未練・愛憎・因縁が引き起こす、恐しい出来事が、人びとの心に哀しくひびく――。
  • 太宰治全集(1)
    4.3
    1~10巻1,034~1,287円 (税込)
    「私はこの短編集一冊のために、十箇年を棒に振った。まる十箇年、市民と同じさわやかな朝めしを食わなかった。……私はこの本一冊を創るためのみに生れた」(「もの思う葦」)。第一創作集『晩年』(昭和十一年刊)と、それにつづく“苦悩の時期”に書かれた諸篇を収める。晩年(葉思い出 魚服記 列車 地球図 猿ヶ島 雀こ 道化の華 猿面冠者 逆行 彼は昔の彼ならず ロマネスク 玩具 陰火 めくら草紙)ダス・ゲマイネ 雌に就いて 虚構の春 狂言の神
  • 青色本
    4.0
    「語の意味とは何か」ーー本書はこの端的な問いかけから始まる。ウィトゲンシュタインは、前期著作『論理哲学論考』の後、その根底においた言語観をみずから問い直す転回点を迎える。青い表紙で綴じられていたために『青色本』と名付けられたこの講義録は、ドラスティックな思想転回が凝縮した哲学的格闘の記録である。
  • ちくま日本文学全集寺田寅彦
    3.3
    日本の近代文学史を彩るキラ星たち。そんな作家の代表作を短篇中心にコンパクトな一冊に収める文学全集。各巻に詳細な年譜を附す。本巻では物理学者として優れた業績をあげるかたわら、夏目漱石に師事し、独自の視点で科学と文学を見事に融合させた著者の随筆作品を堪能できる。
  • 贋作ドン・キホーテ(上)
    -
    1~2巻1,045~1,100円 (税込)
    遍歴の騎士が風車を怪物と見誤り、従士サンチョ・パンサが必死にとめるのもきかず、槍をかまえて突進していく――不滅の名作『ドン・キホーテ』は発表当初から大評判となり、気をよくしたセルバンテスは後篇を出版すべく執筆に励んでいた。ところがそこに、非常に手の込んだつくりの贋作が現れた!
  • 禁酒宣言 ――上林暁・酒場小説集
    4.0
    世に私小説というものがあり、今ではなんとなく遠ざけられているが、実は近代日本文学の有力なスタイルなのではないかという指摘もある。というコムズカシイ話はさておき、『禁酒宣言』は代表的私小説作家の1人上林暁が自らの酔態ぶりを描いた13編からなる短編小説集。題名とは裏腹の飲み屋通いのお話です。「飲み屋とは、女将との会話が人生であり神話的な広がりを持つ独特の空間である」ことがしみじみとわかります。季節を問わずお酒がおいしい方々にうってつけの1冊。
  • 犯罪症候群
    2.3
    現代ほど犯罪が、われわれにとって重大な意味をもちはじめた時代はない。犯罪は日常領域と非日常領域の屈折した回路を巡って出現し、逃走する。この犯罪のメカニズムがもはや機能しなくなった世界ではいったい何が起きるのか。犯罪のことばのパラドキシカルな諸考察を通して、二・二六事件から連合赤軍事件にいたるまで、衝撃的な事件の闇の内部構造を鋭敏な生活感覚で照らしだす別役版犯罪原論。
  • 日本文化論
    -
    日本人、あるいは日本文化とは何か。民族の個性は、いつどのようにして形成されたのだろうか――文化人類学の明晰な方法論を用いて、西洋世界の社会・文化と対比しながら、日本人の思考様式・生活意識を規定する日本文化の特質を解き明かす。日本の文化人類学を確立した著者が積年のテーマを結実させた名著。
  • スペインの沈黙
    -
    灰色の山巓、裸の曠野、ヨーロッパの辺境スペイン――そこでは歴史も裸で立っている。この国の過酷な歴史と巨人ゴヤへの半生にわたる関心と数多くの旅から生まれた独自の歴史眼が、現代の深間を照射し、ひるがえって虚ろな現代日本文明を撃つ。「ゴヤから定家に至る、人間の始末のつけがたい宿命に始末をつけようとする作家の作業のモチーフの切実さを決定的に跡付ける」好エッセイ集。

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