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「公正さとは何か」「正しさの基準はどこにあるのか」などなど、今日でも論じられる「正義」について、大思想家たちの「名著」は大きなヒントと刺激を与えてくれる。プラトン、アリストテレスから、ホッブズ、ロック、ベンサム、ニーチェ、さらにはロールズ、デリダ、サンデル…。主要な思想のエッセンスがわかる一冊。
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Posted by ブクログ
タイトルだけ見ると、ただの紹介本のような印象も受けるが、そうではない。「正義」概念を軸に、時系列にそって西洋思想のエッセンスをまとめている。簡潔にまとまっていて読みやすい。 ただ一点だけ解せないのは、サンデルの「正義」に関する代表作が『これからの「正義」の話をしよう」になっていた点。サンデルにはあま...続きを読むり明るくないが、サンデルの主著は『リベラリズムと正義の限界』ではないのか。『これからの~』は良い本ではあると思うが、とても教科書的だと思うし、ノージック『アナーキー・国家・ユートピア』、ウォルツァー『正義の領分』と並び立てるには少し問題があると感じた。 それでも、全体から見ると些細な問題だとも思うので☆5
ポスト資本主義の世界はどうなるのか考えたいシリーズ。古今東西の正義論(と言っても、なぜか欧米の思想家がほとんど)の要点をまとめたもの。古くは古代ギリシア、プラトンやアリストテレスから始まり、最近はマイケル・サンデルやハーバーマスまで、過去の思想家たちが「正義」をどう捉えていたのかを網羅的に知ることが...続きを読むできるし、著者の批評が入っていないので、それぞれの主張をそのまま知ることができる。2000年前の正義は「智慧や勇気、節制を旨とする個人による調和を図ること」、それが「公共体の公共善を目指す」ものとなって組織や国全体のことを考えるようになる。そして「神の意志を体現し、神の法に従うこと」となって、村社会や国という枠組みを超えて共通の価値観となるが、対立の火種ともなる。近代の法律の整備などによって「法に従うこと=法律が正義の根拠」となるが、王の専制や独裁などによる不正義も見られ、社会契約による革命も正義とされる時代に。そして、サンデルは、「良い生とは何か」「共通善とは何か」を市民が公共の場で議論し続けるプロセスそのものだと主張。これには「特定の価値観を公共領域に持ち込むのは多元的社会において危険」という批判も。正義とか善の意味や解釈、定義って、時代の経過に伴って「進化」したり「よくわかるように定義される」ものではなく、多くを含んで変化していくものだと実感。この一冊で概観できるのはとても良い。
『オデュッセイア』からデリダまで、歴史を振り返るかたちで「正義」の移り変わりが一気に読めた。ちくま新書の名著シリーズの中で、本書がいちばん流れがつかみやすかった。
「正義」という言葉を発するとなんとなく思い浮かんでくるのは、「社会契約論」。 好きか、嫌いかは別として、そこが思考のスタート地点となっている。 「正義」という概念自体が、西欧と関連していて、思考がそっちのフレームに支配されてしまうんだな〜。 というわけで、この「正義論の名著」は、西欧(アメリカ...続きを読む含む)における正義論の流れを整理してくれている。 でてくるのは、ホメロス、プラトン、アリストテレス、キケロ、アウグスティヌス、トマス・アキナス、マキアヴェッリ、ホッブス、スピノザ、ロック、ルソー、カント、ヒューム、アダム・スミス、ベンサム、ヘーゲル、マルクス、ニーチェ、ベンヤミン、ハイエク、ロールズ、ノージック、ウォルツァー、サンデル、ホネット、レヴィナス、デリダ。 ホメロスの「歓待」から始まりデリダの「歓待」に終わる正義論。名前をみているだけで、なんとなくワクワクしてしまう私はなんなんだろう? 西欧の「正義論」の大きな流れが分かることで、なんだろう自分が誰的な発想で考えているのか、というフレームに気づきやすくなっただろうな〜、と思う。そして、「正義」が一番、大事な概念であるわけでもない。 「正義」という言葉を発すると、「なにが正義か」という話になっちゃうんだけど、それ以前に、「正義が一番大事なことなのか?」という問いを抱くことができるといいな。
「正義とは何か」について考えたくて読んでみました。各名著の紹介と歴史的変遷が綴られていて大変参考になりました。 デリダは、いつか原著を読んでみたいと思います。
著者の中山元は、光文社古典新訳文庫でカントの「純粋理性批判」やニーチェの「善悪の彼岸」、ルソーの「社会契約論」、フロイトの「人はなぜ戦争をするのか」等々、次々と新しい翻訳を世に出し続ける人物。しかもその新訳がどれも素晴らしいという稀有なそんざい。その意味で、ヘーゲルにおける長谷川宏と双璧をなすでしょ...続きを読むう。 その中山元が古今の名著を並べて要約するのが本書。 ホメロス、プラトンから始まり、レヴィナス、デリダまで扱うのは28冊。 ただ、惜しむらくは28冊にも及ぶ古典を要約したために、ひとつひとつに割く紙面が少なくなっていること。これなら、『正義論の名著』と銘打って4冊組くらいにしても良かったのでは?せっかくの中山節が、「そろそろ盛り上がるぞ!」というところで毎回終わっているのが残念でした。
古代ギリシアから社会契約論、市民社会論、そして現代の正義論までを、正義論をめぐる主要な書籍を中心に紹介するもの。駆け足的でもあり、若干著者の解釈が入り込んでしまっているが、サンデルも含め「これまでの」正義論をざっと洗うには最適の一冊であろう。
ホメロスからサンデルまで。淡々と論点をまとめる。 他人の講義ノートか読書メモを読んでいるかのような読書感。 各章のページ数が少ないうえに、具体例や著者自身の意見がとぼしく、理解不十分に終わった章が多かった。 特にレヴィナスとデリダを紹介する最後の2章は、他の章と次元が違い過ぎて「日本語でおk」...続きを読む状態。 コミュニタリアンとリベラリストの止揚を図ったとも言えるハーバーマスの論点を知ることができたのが最大の収穫だった。
「正義」といえば、NHKで放映された「ハーバード白熱教室」がきっかけとなって、日本ではマイケル・サンデル氏の講義・著作が大きなブームとなりました。 本書は、古代から現代までの西洋哲学における「正義」の思想のエッセンスを、代表的な論者の著作を紹介しつつ概説したものです。登場するのは、古代ギリシャの...続きを読むプラトン、アリストテレスから、中世のトマス・アクィナス・マキアヴェッリ、さらには社会契約論の系譜としてホッブズ、ロック、ルソー、そしてカント。アダム・スミス、ベンサム、ヘーゲルときて、マルクスにニーチェ・・・と大思想家が目白押しです。 正直なところ、私の理解度としては20%ぐらいでしょうか。ただ、それぞれの議論のほんのさわりだけでも触れることができてなかなか面白かったですね。
道案内としては秀逸な書です。 各論者の正義論をこれだけ簡潔に要約するのは尋常ではない作業のはず。特に現代に近づけば近づくほど、これまでの論者への批判や系譜、根拠などを踏まえて書かねばならないので、最後のレヴィナスやデリダが紙面が足りていない様子になるのは仕方がないのではと思います。 こういった要...続きを読む約紹介の道案内本の読み方としては、誰のどういう部分に共感・違和感を覚えるのかをピックアップし、自分の考えをメモしておくのが良いのではないでしょうか。それが、政治や法の根底にある正義の問題ならなおさらです。自分はそのようにしています。 そのようにして自分の中に浮かばせた関心の雲は、いつどのようなきっかけで相互につながるかわからない、というのが経験からの示唆ですね。面白いです。 CPは最高です^^不十分だと思ったらもう少し本格的な正義論の本へ進めばいいのです。
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中山元
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