雨宮処凛の一覧
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ユーザーレビュー
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萱野 完全に居場所がないという状態だったんですね。で、その後、右翼団体にいくわけですね? 雨宮 はい。こういう言い方は変かもしれませんが、右翼はすごく居心地がよかったですね。ある意味、いまかかわっている労働組合と似た感じがあります。労働組合に入ってくる人たちも、ここではじめて人間に対す
...続きを読むる信頼感を取り戻せたというんです。「この人を蹴落とさなきゃ」とか「競争しなきゃ」とかいう感情ぬきで、はじめて人と話すことができた、と。私にとっては、そういう体験をしたのは右翼団体がはじめてだったん
右翼にいったのは、いまから分析すると、「誰にもどこにも必要とされてない」という心情とすごく関係があったと思い
学歴のある人や上の世代の人なんかは、若者が「大いなるものと結びつきたい欲求」によってナショナリズムや愛国に走るんじゃないかと指摘したりします。それもあるとは思うんですが、実際に最底辺の現場で、アジアの人や他の貧しい国の人と働いていると――なぜか日本でそういう「外人部隊」にぶち込まれて働いていると――、日本人であるということしか拠り所がなくなって
フランスに、ジャン=マリー・ル・ペンという有名な政治家がいます。「移民はフランスからでていけ」ということを公然と主張している人で、フロン・ナショナル(国民戦線)という極右政党の党首をしてい
左翼はどうしても「こっちが正しいんだ」という態度で、相手のいうことを否定し、説得することに向かってしまいがちですから。で、相手が直面している実存的な問題やリアリティを見落として
無条件に認めてくれる
コミュニケーション重視型の
たとえばイケメンだったりキレイだったり、トークが冴えていたり、あるいは他人にアピールできるような特別な能力や資格、ステイタスをもっていないといけませ
共同体というのは、人びとに安定的な承認をもたらしてはくれますが、同時に排他的だったり、ややこしい共同体のルールやしがらみを押し付けたりもし
ただ、確実にいえるのは、まったく共同体的な承認なしにコミュニケーション重視型の社会を生きていくのは相当キツイということ
それから、コミュニケーション重視型の社会では、承認される人とされない人のあいだの格差も広がっていきます
そういう状況なので、フリーターをやればやるほど承認に飢えるという逆説的な部分がある。それがキツかったです
格差の問題って、経済だけじゃなくて顔面格差やコミュニケーション格差など、いろいろあるんですよね。それによって生き延びられるか、生き延びられないかが決まる。お金がなくても人間関係で生き延びられることってありますよね。 萱野 そうなんですよね。たとえば早い段階で学校教育からドロップアウトしても、コミュニケーション能力があれば、なんだかんだやっていけたりする。たとえばヤンキーとかで、地元の先輩・後輩の 絆 が強い人は、それほど職能的なものを身につけていなくても生きていけたりするんです
私も、右翼団体に入る二一歳ぐらいまでは、何でも自分のせいにしていました。自分のせいにして、死のうと思ってリストカットばかりしていたし、バイトをクビになるたびに「おまえはこの社会に必要とされていない」といわれてる気がして、ダメな自分を責めて、オーバードーズして救急車で運ばれたりしていました。でも、右翼団体に入って、全部アメリカと戦後民主主義が悪いんだ、とアメリカのせいにしたら治ったんです。ある意味、つねにクスリが効いてる状態というか、一発決めているような状態だったんですね。でも、その過程は自分に必要だったし、必要だったからこそそっちにいったわけで、そのおかげで生きやすくなった部分は確実にありまし
福島みずほさんや森達也さん、若松孝二さん、鎌田 慧 さん、斎藤貴男さんなど、いわゆる「左派」系の著名人たち
でも私は靖国にいったり、右翼の団体に入ったりしたとたんに、リストカットが治ったんですよ。うーん、靖国とリストカットのつながりって言語化するのが難しいですが、靖国参拝する人のなかにはメンヘラーの女の子なんかも多いんです
さらにいえば、どんなギャンブルや宝くじでも、一番儲けるのは、賭けをしているプレーヤーではなく、それを開帳してテラ銭(賭け金のなかに含まれる参加料、主催者の開催手数料)を手にする主催者です。つまり賭博をすればするほど、労働者は――誰が勝とうが――トータルとしてどんどんお金を吸い上げられていく。飯場で稼いだお金よりも、借金のほうが膨らんでしまうことだって珍しくありませ
Posted by ブクログ
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『私だけの問題だと思っていたら、
世代共通の問題だったのか!』
と驚愕した団塊ジュニアの私です。
私自身の問題であると捉える自己責任の考え方自体が団塊ジュニア世代の特徴であるという
二重の納得まで得てしまった。
「人に迷惑かけるな」と呪いのように言われて育った世代ですから
と団塊ジュニアのことを
...続きを読む雨宮さんが言っていて、
『え!うちの母親だけじゃなかったのか!』と驚愕し、
「生きてると迷惑かけるから死にます」と言って自殺していった雨宮さんの友人たちの話にもすごく共感してしまった。
私も鬱状態になったとき、自分の存在自体が迷惑だから死にたいと母に言って母を泣かせたりした。
一時期母を責めたりもしたけれど、
母自体も団塊世代特有の価値観の中で
苦しんでいたんだよなと
なんだか俯瞰してみるキッカケをくれた本でした。
Posted by ブクログ
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社会に蔓延している「女子」という呪いに、私はこれまで苦しんできて、モヤモヤしていたんだなとこの本を読んで分かった。
特に九州男児が父の家庭で育った私にとっては「妻は従うもの」だったし、でも父は私に対して息子的な役割を求めていたなとも思う。そして父がそのへんに置いていたアダルトビデオやエロ本で、私の姓
...続きを読むへの認識は確かに狂っていた。
自分には何もないから、せめて性的魅力をアピールしなければ相手をがっかりさせてしまうと思っていた。浮気を許す女はかっこいいと思っていた。
そういう、苦しいのに「女」という呪いを社会からかけられ、自分自身にもかけて生きてきた。
地震で被災した女性達から生理用ナプキンがほしいという声が上がった時に、「じゃあエロ本とコンドームをよこせ」と言った男性。「こんな時に不謹慎だ」と、支援品の生理用ナプキンを送り返した避難所の男性スタッフ。
読んでいて頭が燃えるかと思うくらい腹が立った。
少しずつ社会は変わっているけど、でもまだまだ、女だから、男だからと押さえつけられているものが多い。私はこれから、私に対して「女だから」と押さえつけてくる人を絶対に許さないし、息子を「男だから」と押さえつけてくる人も絶対に許さないと思う。
Posted by ブクログ
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タイトルからさぞ絶望的な内容と思いきや、意外とそうでもなかった。様々な事例を通して、ふんわり地に足のついた自立心が芽生えてくるというか、「ぐだぐだ言っても来るときは来るんだな。でも自分も独りじゃないし、なんとかなるか!」と思えてくる。一周まわった楽観主義になれる本。割と好きでした。
Posted by ブクログ
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9/10.
世渡りは難しい。楽しい事を追いかけても、社会に反抗しても、どうしても周りの認めがないと虚しい気持ちが湧いてくる。その矛盾には解決がないかもしれない。
Posted by ブクログ
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