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フリーター、パート、派遣、請負......不安定化する若者たちの労働現場。そのナマの姿を、自身も長年フリーターとしてサヴァイブしてきた著者が取材した渾身のルポルタージュ。この国の生きづらさの根源を「働くこと」から解き明かす宣戦布告の書!!
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Posted by ブクログ
自己責任の名のもとに私たちを使い捨てる社会に、企業に、反撃を開始する!この国の生きづらさの根源を「働くこと」から解き明かす宣戦布告の書。 フリーター、パート、派遣、請負・・・・不安定化する若者たちの労働現場。そのナマの姿を、自身も長年フリーターとしてサバイブしてきた著者が取材した渾身のルポルタージュ...続きを読む。この国の生きづらさの根源を「働くこと」から解き明かす宣戦布告の書!! 闘いのテーマは、ただたんに「生存」である。生きさせろ、ということである。生きていけるだけの金をよこせ。メシを食わせろ。人を馬鹿にした働かせ方をするな。俺は人間だ。スローガンはたったこれだけだ。生存権を二一世紀になってから求めなくてはいけないなんてあまりにも絶望的だが、だからこそ、この闘いは可能性に満ちている。「生きさせろ!」という言葉ほどに強い言葉を、私はほかに知らないからだ。 (「はじめに」より) 自らのフリーター時代の経験やフリーターの実態についてのインタビューやNPO法人もやいの湯浅誠さんのインタビューや偽装請負、ホワイトカラーディセンプションの問題や不安定化した原因についての考察、プレカリアート運動など、低賃金で使い捨て利益を上げながら、人々を追い詰める企業や言説、政治に対して反撃するための情報が満載の読む武器としての優れたルポルタージュです。
約10年前の本。 10年前の人物たちは皆2~30代だった(命を絶たされた人もいるが)。今はどうしているんだろう。大企業と派遣会社、そして政府の壮絶な貧困生産事業に読むのが辛くなり、これがノンフィクションの日本であることに暗くなった。彼らのような世代の人々が今40、50代になる。
“日本の場合、求職活動しないと失業者としてカウントされない。失業者数のカウントの世界基準だったらもっと高くなるという話です。(略)まあ、そういうふうに失業者がたくさんいるとわかると政治的にまずいので、できるかぎり低く数字を出そうとするのは当然です”(251ページ) と書いてあったけど、世界基準でカウ...続きを読むントしたらどのくらいなのか気になる。 日本って新卒一括採用とかもあるのに就職氷河期もあったし引きこもりも多いしネットカフェ難民とかも問題になってたし、大丈夫じゃないのに求職活動していない滑落者が多いような(増えた?)感じがするよね。
市場原理やいきすぎた利益追求は弱者を追い詰める。自己責任論で断罪している人を見ると悲しくなる。構造的な問題だ。そういうことをわかっていないのに、自分の力で今の自分があると考える人を見るとアホだなと思う。
今から9年前に発行され、後に文庫化(ちくま文庫)されたが、今の雇用情勢は当時より悪化している。本書では「労基署は何もやってくれない」と訴えているが、今や労基署の窓口で失業者に対応する職員も、そのほとんどが「非正規社員」である。安倍政権は発足以来、国会で「自民党政権になって以来、雇用情勢は回復している...続きを読む」と強調するが、雇用が増えているのは「非正規社員」であり「正社員」は減少傾向が止まらない。工場の多くが非正規社員になったことで、日本企業の技術力は完全に失われた。 とある投資家が「日刊ゲンダイ」に執筆しているコラムで 「スーパーの『ダイエー』が凋落したのは、人件費を削ったからだ。パート社員が売り場の主力を占めていたのに、彼ら彼女らの勤務時間を削ったために、彼らは一斉に退職した。結果として売り場が荒れ、それが業績低迷につながった」 と書いていたが、その通りだと思う。正当な仕事に見合う真っ当な評価を下す経営者が増加しない限り、日本経済の復活はありえないと思うのは、私だけではあるまい。
2007年3月発行。 若者がおかれた現状の悲惨さを具体的なインタビューで構成。 不安定な層が4割というのは個人の責任ではなく、社会問題というのは全くその通り。 派遣といえども、明日から来なくていいとだけ言って首を切れる物ではないこと。 労働法などを知らなすぎて不正をされる場合もあるので、そういう知識...続きを読むももっと広めるべきですね。 一人では立ち向かえない場合、一人でも入れる労働組合や、相談に乗って貰える組織があることなど書かれています。知って下さい。 この不況で相談の人手も足りないのではと心配だが…
最低限の生存権すら切り崩されていく現代ニッポン。 社会的な連帯から切り離され、バラバラにされた若者を「生きさせろ!」の言葉でつないだ、若い者の自由と生存を求める運動の原点になった著作。 真正面から生存する自由を主張する「生きさせろ!」という言葉は、何よりも強く、わかりやすい。 大言壮語でもなく、大...続きを読む上段からの説教でもない、かつて生きづらさを抱えてリストカット、フリーター生活、右翼活動家として生きてきた彼女だからこそ、若者に寄り添い、新しい希望を描く言葉を生みだせたのだと思う。
企業に使い捨ての激安労働力として利用されるプレカリアートの反撃。「プレカリアート―デジタル日雇い世代の不安な生き方」で登場する人より深刻な問題を抱えた人が多く登場する。笑える所は松本哉の「貧乏人大反乱集団」「高円寺ニート組合」「素人の乱」のところぐらい。 安定した正社員になれそうにない人は特に読む事...続きを読むを強くお薦めする。 日本ジャーナリスト会議(JCJ)賞受賞。
この若者の問題、すっごく興味があります。 マンガ喫茶で寝て、日雇いアルバイトをして暮らしている若者たち。 彼らの生活水準を上げるためには、どうすればいいのか。 彼らだけじゃ、どうにもならない。 こういう人がいるという状況を、だんだんあたり前と思って、見捨てることだけは絶対にいけないと思う。
"雨宮処凜さんの本を初めて読んだ。ワーキング・プアといわれている現状を取材しまとめたのが本書。派遣、請負で働く若者達の現実を知ることができる。ここにかかれていることが全てではないにしても、読んでいて本当にこれが現実に起きていることなのかと愕然とする。 地道に働くことで生活ができる社会にして...続きを読むいかないと、この国は崩壊していくという危機感とともに、何かせずにはいられなくなる。 最低の賃金で働き、雇用調整があれば真っ先に解雇される。住む場所も追い出され、ネットカフェ難民になっていく仕組みがよくわかる。 こうした若者を支援する人たちも登場している。応援したくなるところもあるが、そうでない団体も登場する。社会に訴えかけるには、多くの人に共感を得ていくべきだと思っている。ただ、「俺たちは生活できない!」と叫んで、暴動や犯罪をけしかけているような人たちには賛同できない。 こうした若者達は半ばあきらめの心境で日々何とか暮らしているのが現状なのだろう。こうした若者達の声に政治家こそ声を傾けるべきだ。若者達も、政治に関心をもち投票していくことが世の中の仕組みを変えていく1歩ということを再認識してほしいと思った。 今日の新聞にトヨタ自動車の決算発表が記事になっていた。世界中に自動車を販売して20兆円の売り上げがある中、本業での利益 営業利益が4610億円の赤字。20兆円の売り上げに貢献した労働者にしっかり給料として支払われるような仕組みとして機能しなかったということになる。もちろん、実際は1年単位で給料を払いきったりしないので、給料がもらえないことはないけど、短期的に単純にみたらそういうことになる。 働くことで、人間らしい生活をおくることができるそんな社会を作っていかないといけない。そんなことを思ってしまった。こうした社会を作っていくには、年寄りではなく若者にも参加してもらわないといけない。社会全体を俯瞰して考えるのは難しいことだし、若いころは自分のことで精いっぱいだったりするから関心を持ってもらうのも難しいことなのでしょうがね。ただ、読書をしている人たちの中に必ずリーダーとなる若者がでてくると確信している。一緒に世界を変えていこう!という若者がきっといる。"
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