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日本人は無宗教・無思想・無哲学だという。さて無思想とは、どのような事態か。もしかするとそれは、「ゼロ」のようなものではないのか。つまりゼロとは、「なにもない」状態をあらわしつつ、同時に数字の起点でもある。ならば、「思想がない」というのも、ひとつの「思想」のあり方ではないか。日本の風土と伝統が生んだ「無思想という思想」を手がかりに、現代を取り巻く諸問題、さらには、意識/無意識とはなにかを、大胆に、されど精緻に考え尽くし、閉塞した現代に風穴を開ける。
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Posted by ブクログ
読みやすいが、養老さん節が多い(笑)しかし、日本の思想を総まとめ出来るし、最後には「じゃあどうするのか」という部分まで書いてくれている親切な本だと思う。
日本人は無宗教・無思想・無哲学だと言われているが、無思想とはいったいどのような事態か。無とは「ゼロ」、すなわち「なにもない」状態を表しつつも、同時に数字の起点でもある。ならば、「思想がない」というのも、ひとつの「思想」のあり方である。「無思想という思想」について認識することができるようになる本。 「...続きを読む自分」ということを一つのものとして捉えない感覚が面白いと思った。外界からの感覚を取り入れていくことで自分を「創る」のであって、けっして「探す」ものではないのだ。本当の自分とか、自分に合った仕事とか、そんなものはない。どんな作品になるのかはわからないが、とにかくできそうな自分を「創ってみる」しかないのだ。そのために大切なことは、感覚の世界、つまり具体的な世界を、身をもって知ることだ。 印象に残ったところメモ。 ・知らない環境に入れば、自分が変わらざるを得ない。だから未知の世界は「面白い」のである。「変わった」自分はいままでとは「違った」世界を見る。 ・それならそんな自分は「もはや必要がない」。忘れちゃう程度の自分なんて、「本当の自分じゃない」に決まっているではないか。 ・「そんなことしてたら、人格の完成はどうなる」..空竟涅槃だ。少なくともいまの自分のままであるなら、つまり「我がまま」であるなら、涅槃でも菩薩でもないことは確かではないか。
読書開始日:2021年12月28日 読書終了日:2021年12月30日 要約 日本は世界に珍しい「無思想という思想」がある国。世間、風土、思想は補完関係にあり、従来の日本は世間、風土が大きく、思想は小さくてもうまく回っていたが、西欧思想介入による個性尊重、意識尊重傾向が強まり、軋轢が生まれている。 ...続きを読む今こそ無思想という思想を自覚し、その思想を大衆と照らし合わせどう生かすかが重要である。 その重要なポイントである大衆に対して、今一度感覚世界尊重を訴える必要がある。 「同じ」を追い求めていく概念世界では、意味あるもの不変なものが重要視される。なにかに意味づけしたく、最悪は全ての出来事を人為にする。最終的には原理主義のデメリット、決めつけによる思考停止、堕落に陥る。 日本のいい部分は、感覚主義、自然主義として、その時々で柔軟な対応が出来ていたことだ。 違いをあるものとする。感覚を重視する。違いがあるという前提の中で真理を追い続ける。それを個人個人で行うことで無思想という思想ができあがってくる。 自分の証明は身体だ。意識は常に変わっていく。自分の証明は身体に預け、自分が変わること、周囲が変わることを受け入れ、それを味わいながら真理、あるはずのない正解を追い続ける。 これを大衆の1人としてまずは自分が行っていく。 (備忘録) 同じにしていく。抽象度を上げていく。 これは便利だが、やり過ぎると原理主義に陥る。 人ほど自然なものは無い。 やはり感覚を感じとり、その人それぞれへの対応することを「目指す」 意味を追い求めすぎるな。 果ては無機質なオフィスになる。
遠い国の物語やことばを読んでゐて、その隔たりを感じることがあつた。あるひは、遠い国であつても同じ様な精神の人間に出会つた時、もつと身近に知つてゐたのなら、話してみたいことがたくさんあつた、そんな風に感じることもあつた。それは時に限らず、時間も同じで。遠い忘れてしまふくらい昔のひとに感じる隔たりと、引...続きを読むき合ふ寄り添ふ力。 どこかで感じてゐただけで、このやうに考へ、ひとつの形にしないできてしまつた。考へ続け、それを何ものかで表現し続けるといふことに耳を塞ぎ、またもや与へられるだけで流され続けてきてしまつた。知りたくて知りたくてたまらない。もつとことばがほしい。 養老先生はいつも考へ続け、生きてゐるひとだ。後どれくらい続けられるかはわからない。けれど、最後の最後まで考へ続けてゐるのだと思ふ。 構造と機能、感覚と概念、違ふと同じ。これらは相補的なものであつて正反対のものではない。なぜなら、どちらもことばによつて重なるところがあるからである。 純粋、といふものは概念では存在するが、感覚としてそれが存在するといふことはあり得ない。感覚からすれば存在しないが、概念からすれば存在する。どうもそんな風に人間はできてゐる。有るといへばあるし、無いといへばない。これこそ、無思想なのだと思ふ。 一見矛盾してゐるやうにみえるが、それは概念で捉へるのか、感覚で捉へるかの違ひに過ぎない。どちらもこのひとりの人間、脳のしてゐることなのだ。どうもそんな風に考へるより他ない。無意識の発見になぞらへた、無思想の発見。 無思想に裏打ちされてゐると考へると、いわしの頭も信心から、八百万の神々、無宗教が一変にあること、自分が漠然と感じてゐたことの正体に気づかされる。 無思想といふ思想、故に価値基準を世間・状況に委ねる。形を重んじながらも、簡単にその形を棄てられる。善し悪しはともかくとして、このやうになつてゐるのだとすれば、それに気づくことは少しは生きやすくなるだらう。 自分はかうだ、とひとつに決めてしまへば、それは再び自分ではない何かに委ね、不満となれば形をとりかへることになるだらう。しかし、この地球といふひとつの球体の上で、さう考へない者と生きてゐる以上、それだけで生きてゐては埒があかない。自分は変るし、変らない。柏手をうつこの右手と左手の間の存在。知ること、気づくことは、かうもひとを自由にする。
竹村公太郎氏との対談集で、久々に養老孟司氏の言説に触れ、読もうと思ったのがこの本。以前、読んでいたが、レビューを書いていなかったので、読みなおした。 内容は、 第1章 私的な私、公的な私 第2章 だれが自分を創るのか 第3章 われわれに思想はあるのか 第4章 無思想という思想 第5章 ゼロの発見 第...続きを読む6章 無思想の由来 第7章 モノと思想 第8章 気持ちはじかに伝わる 第9章 じゃあどうするのか となっている。 解剖学者として、モノとしての人間の「脳」を観察してきた理系の思想分析のアプローチである。 しかしながら、古今東西の思想家・哲学家の造詣も深い。 そんな養老氏の論理的な「無思想の発見」。 インド人が発見し、中国語で学習した「般若心経」「0」を一番理解しているのは日本人だ(笑)。 「無思想」という「思想」を一神教のメンバーに理解させることは、困難を極めるだろう。 しかしながら、遠い将来、「無思想」という「思想」のすばらしさが世界を席巻する日を夢見て・・・・
タイトルからは分からなかったが、実質的な内容としては日本人論。本書で使用される無思想という言葉は一見すると把握しづらい。恐らく世間という言葉を用いながら、我々の生活の直感に訴えるような使い方をしているからだと思う。 無思想の一つの理解として、原理原則とそこから派生する規範意識の希薄さと認識をした。も...続きを読むし原理原則論が日本史において希薄だというのであれば、明治維新も戦後の社会変化も説明しやすい。考えてみれば普遍性が高いと思っていた天皇の地位についても江戸期、明治憲法下、現行憲法下と一貫性に欠ける。また本書でもしばしば登場する司馬遼太郎が、くどい程に奇態だ奇態だと呼んだ戦前の特殊性も説明できる。 本来は深い思想を経た上での発露であるニヒリズムや愛などの概念について、無思想の人間が軽々に扱っていいものかと改めて感じる。どうも資格が無い人が語りすぎるのではないだろうかと。
日本人と西洋人との違いを教えてくれる本。 でも、その内容を要約しろと言われても、なかなか難しい… 読んで心で感じ取るのが精いっぱい。 でも、養老さんのおっしゃりたいことは感じ取ることはできる。
日本の風土と伝統が生んだ「無思想という思想」を解剖20年経験の著者が語る読み応えのある一冊。(07/10/5)
無思想の思想とは、相対的バランスの上にある思想であるように思える。絶対を認めてしまうと、そこから演繹的に「思想」が導かれてしまう。絶対を求める「意識」と相対的関係性を基本とする「感覚」の相克が面白く書かれている。唯脳論から一歩踏み出した著作。
そう、僕も「無思想という思想」の持ち主なのであります。 養老せんせいの本ってその深さがどうも計り知れません。いつも理解しきれない感じが残る。どうやらまだまだ僕には人生経験が足りないようです。
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