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Posted by ブクログ 2024年02月11日
巻末の石牟礼道子の解説「泉のような明晰」も含めて、読んだ後胸がいっぱいになる歴史書。ハーメルンの笛吹き男の伝説の解明だけでなく「学者」も伝説の型(パターン)作りに多かれ少なかれ加担しているということ、それを持ってして民衆を中心にすえた歴史学を追究するために必要なのは知に驕らない謙虚な心構えであること...続きを読む
Posted by ブクログ 2023年08月28日
阿部謹也氏が1988年に刊行した歴史学書。
私が大学入学とすぐに教授に薦められた本の中の一冊。
グリム童話「ハーメルンと笛吹き男」は実は13世紀に実際に起こった出来事である。という歴史に興味がなくても惹きつけられる例を基に、中世ヨーロッパの社会を解き明かしていく作品。
歴史学をこれから学ぶ大学...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年02月21日
ハーメルンの笛吹男の伝説というか、おとぎ話というか、この伝説がどうして生まれたのか、1284年6月26日にドイツのハーメルンで130人の子どもが失踪したという出来事が、歴史的事実であると確認した上で、渉猟した文献を丹念に紐解き、慎重に歩みを進めながら、ヨーロッパ中世における民衆の暮らしを浮かび上がら...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年07月03日
迫害、差別、そして、格差社会。
そんな時代背景が、この物語として語り継がれてきた核になっている。
いや、大半の物語がそうか?
どの国や地域にも、伝説として残っている話がある。
事実が問題だと深堀りすることも当然必要だろうけど、真意という意味では、史実がどうだとかはあまり関係も意味もない気がする。
...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月16日
グリム童話の「ハーメルンの笛吹き男」。ドイツのハーメルンの町に現れた男が笛の音でねずみを駆除してやるのだが、町は彼に報酬を支払わない。怒った男は笛の音で町の子どもたちを連れ去ってしまうというお話。ちょっと怖いが教訓も含んでいる、よくできた有名な童話だ。
一方、中世ドイツの地方都市の文献を研究してい...続きを読む
Posted by ブクログ 2020年02月05日
面白かった
歴史が時代の突出した部分や特異点ばかりを探していくのに対し、ここではそんな「表舞台」とされたものの裏にある、時代の変化に右往左往するしかない一般庶民、その反動として時に自暴自棄に極端に走ってしまう一般庶民の歴史が紡がれている。
事件が少ない故にあまりに長い、あまりに長い中世の一般庶民。場...続きを読む
Posted by ブクログ 2024年04月09日
内容はかなり本格的で重い。でも読んでいくと筆者と一緒に謎解きをしてるような感覚がして、それが面白くするすると読めた。
ハーメルンの笛吹き男の伝説を当時の一般庶民や更にその下の被差別階級の人たちの生活や文化をもとに紐解いていくという内容で、ハーメルンの笛吹き男自体の検証も興味深かったけどそれと同じく...続きを読む
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