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Posted by ブクログ
岡田英弘氏の著書を読んだのはこの「世界史の誕生」が初めてでしたが、非常に独特な歴史論を展開される方だと思いました。おそらく歴史学者の中では異端とされるのではないかと思います。岡田史学という言葉もあるそうで、普通の歴史学者とはひと味違うようです。この本を読んで、他の作品も読んでみたくなりましたし、講義を受けたくなりました。
この著書で「世界史の誕生」は1206年だと主張します。
1206年はチンギスハンが即位した年です。
この年を世界史の誕生とする理由は、モンゴル帝国出現以前は、文字として残す歴史は地中海と中国にしかなかったが、モンゴル帝国がこれらを結びつけることで初めて世界史が誕生したからだという論旨です。
モンゴルは現代ではマイナーな国家になっていますが、かつては膨大な版図を有した国です。私の印象ではモンゴルは中世に登場して世界を駆け巡り、パッと消えてしまったという感じなのですが、モンゴル帝国はその後の国々に大きな影響を与えているそうです。例えばインドには19世紀半ばまでムガール帝国が栄えましたが、ムガール帝国とは「モンゴル人の国」の意味で、王はチンギス・ハンの血統だそうです。
この本を読んでて、日本という国が世界史に登場したのは19世紀後半からなんだなと思いました。明治維新後世界史にデビューしてメキメキと頭角を表し、第2次大戦では世界中を相手にして派手に戦い、ボコボコにやられて(児島襄 「太平洋戦争」によると第2次大戦時の日本の作戦版図はモンゴル帝国最盛期の領土より広大であったといいます)、もう駄目かと思ったら経済大国として見事に復活。。 人間に例えたら相当波乱万丈な人生を歩んでる国だなと思います。
Posted by ブクログ
ちくま文庫 岡田英弘
世界史の誕生
東洋史と西洋史といった別々の歴史が1206年のモンゴル帝国をきっかけに ユーラシア大陸をおおう一つの世界史となる展開
日本やヨーロッパから世界の歴史を見ることはあっても、モンゴルなど中央ユーラシアから世界の歴史を見たのは初めて。とても面白かった
ヘロドトス「歴史」やヨハネの黙示録の影響を受けたヨーロッパの歴史観が アジアとの対立構造やヨーロッパ=善、アジア=悪の二元構造を持っているとのこと。アジア差別というのは ヨーロッパの歴史観からきているように感じた
秦・漢時代の中国を正統と捉え、中国の正統の歴史は、中央ユーラシア草原から移動してきた鮮卑、トルコ、ウイグル、キタイ、金、モンゴルから支配を受けてきた歴史と捉えている
著者の歴史観
*歴史は文化である〜人間の集団によって文化は違うから集団ごとに歴史がある
*歴史は強力な武器である〜歴史のない文明は、なんとか自分なりの歴史を発明して、この強力な武器を獲得しようとする
そういう理由で、地中海文明と中国文明は、歴史のなかった文明にコピーされ、次から次へ伝染していった
へーロドトス「ヒストリアイ」
*アジアとヨーロッパの対立こそが歴史の主題
*アジアに対するヨーロッパの勝利が歴史の宿命
「ヨハネの黙示録」
*この世は善神と悪神の対立抗争の場であり、最終的には善神が勝ち、世界は消滅するが、その前に出現するメシアの王権のもと、ユダヤ人キリスト教徒が苦難の報酬を受ける
*世界は善の原理と悪の原理の戦場である〜ヨーロッパは善であり、アジアは悪
Posted by ブクログ
高校の世界史で挫折(どうしても頭に入らない)して以来、リベンジを繰り返してきましたが、この本のお蔭で、ようやく頭に入るようになりました。
そもそも「ゲルマン民族の大移動」って、どこから、何で移動してくるの? の疑問がようやく氷解した幸せ……。
ただ、中央アジアの地理関係を理解しながら読むために、世界地図を広げて指で地名を辿りつつ読まねばなりませんでしたが、それでやっとユーラシア大陸って一つじゃない、という当たり前すぎるのに受験世界史から抜けてた視点が補完されたように思います。
ついでに……アラル海が半分以上消えてるってこと、今ようやく気付きましたよ!
本編に比べればオマケのようなボリュームですが、ざっくりヨーロッパ史と、ざっくりキリスト教史も分かりやすくて面白かったです。
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