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世界に冠たる「かわいい」大国ニッポン。キティちゃん、ポケモン、セーラームーンなどなど、日本製のキャラクター商品が世界中を席巻している。では、なぜ、日本の「かわいい」は、これほどまでに眩しげな光を放つのか? 「かわいい」を21世紀の美学として位置づけ、その構造を通時的かつ共時的に分析する。
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Posted by ブクログ
面白かった。特に大学生のアンケート結果が興味深かった。女子と男子とではもちろん違うだろうと予想はしていたが、斜め上の発想や個性的な回答が多くて楽しかったし、そこはかとない時代感を感じた。記載されていた女子の回答の、イラスト付の回答がノスタルジック。 「かわいい」ものが好きでかわいいものを見たり聞い...続きを読むたり身の回りに存在を感じたりするのが好きだ。でもどことなく危うさも感じていた。しかしその感覚に取っ付かず流してきたが、この本を読んで改めて「かわいい」とそれを作り上げたり求めたり、享受する人間の心理的な面白さ、みたいなものを感じた。 深く一つを追求するのでなく、広くそこそこ深く「かわいい」を論じている取っ付きやすさが好きだった。 ぼんやりと、今は「かわいい」じゃなくてより広範囲の意味になる「いいね」なんじゃないかと思ったりした。
そろそろ真剣に論じられていいと思ってた「かわいい」について。 これから、もっともっと研究対象になってもいい分野なんじゃないかな。 入口として面白い本だった。
四方田犬彦という名前が本名であるとすれば、そのように名づけた親とは一体どんな人だったのかと常々考えてきたのだが、ひょんな誤植から生まれた筆名だったということを最近知った。 高校生になりたてのころ、浅田彰の『構造と力』が話題になり、わかりもしないくせに現代思想の本を読んでいたころのことだ。『GS』と...続きを読むいう現代思想の論客たちによる論文集を買って一生懸命読んだ覚えがある。この論文集の編集を手がけたメンバーの一人が四方田犬彦だったはず。浅田彰や伊藤俊治といった他のメンバーの華々しさとは一味違い、四方田犬彦の書籍を本屋で見ることも少なく、論文集の鼎談の隅に小さくピンボケで映っている肖像写真は、分厚そうな眼鏡がその奥にあるであろうまなこをすらあいまいにしていて、ただただ度外れた若きインテリという印象を僕は持っていた。(YMOにたとえれば坂本龍一のような露出度の高い秀才というよりは、むしろ商業路線からは身を引いた本物の天才細野晴臣、というたとえは正しいだろうか)それから約20年がたって、そのブランクの中で彼の顔も柔らかく変貌していた。 四方田犬彦が「かわいい」を論じる。読むものは彼ほどの博学が現代社会の現象をどのように把捉し処理するか、その手さばきに興味があるのである。彼がグロテスクを論じ、小さく幼げなものを論じ、ノスタルジアを論じ、それらと「かわいい」の関係を分析するその手際のよさに感服するのだ。「『かわいい』とはものに宿る本質などではなく、『かわいい』と名づけ、指さす行為」なのだと主張するその小気味よさ。「『萌え』はさしずめ、大衆消費社会のヴァーチャルリアリティにおけるピグマリオン・コムプレックスの発現である」という独自の定義。思考の柔軟性と対象を概念的に把握しようとする志向性がなければ、これほど軽やかな論じ方は出来まい。この本に意義があるかないかなんてことはもうどうだっていいのだ。
【日本語としての「かわいい」】 歴史的に「かわいい」という言葉がどういう位置づけであったか、性別による印象の違い、海外との比較、「美しい」との差などかなり本格的に「かわいい」という言葉を分析している本です。 面白かった話は ・「きもかわ」は自分だけ気付いた魅力だから ・ぬいぐるみは実はグロテスク...続きを読むでは? ・セーラームーンにおけるタキシード仮面の役割 最後の方では、「かわいい」という概念が世界に与える思わぬ影響について述べています。 実例も豊富でとても分かりやすいので、気軽に読めます。オススメです。
終始「かわいい」の話題だけで一冊の本ができるのがすごい。文学の視点が入っているので、そういうのが好きな人にちょうどいい一冊です。アウトサイダーアートというものを初めて知りました。
2015.11記。 「かわいい」とはそもそもなんなのか。 古代ギリシアが「調和・均衡」を最も尊び、また西欧でも「成熟」こそ優れたものと捉えていたこととの対比において、古くは枕草子に「かわいいもの。スズメがちゅんちゅんと寄ってくるところ」とあるように、小さく、かよわい、といったものに対する愛着は日...続きを読む本人の感性に深く根ざしている。 しかし議論がより迫力を増すのは、「きれい、美しい」よりも実は「グロテスク」のほうがより「かわいい」に隣接した概念である、といった辺りから。グロテスクさを直視しない社会的な装置、イデオロギーとしての「かわいい」の可能性が検討される(いびつなものを「かわいい」と呼ぶなど)。 日本における「かわいい」があまりにも多義的であるために、ジェンダー論からノスタルジア論まで、章ごとの「かわいい」の諸相のリンケージはあいまいであり、中核的な概念には辿り着かない。その終着駅が「かわいい、海を渡る」の章。著者が告白しているとおり、結局「日本独自の感覚としての『かわいい』が、世界に受け入れられた」のか「世界に普遍の概念としての『かわいい』を、日本がうまく商品化した」のか、という私が一番関心のあった点については解決できていない。 四方田氏ほどの碩学にして「とらえどころのない何物か」(P.21)と総括せざるを得ない代物、それが「かわいい」、であった。というわけで要関心継続。
アウシュヴィッツの「かわいい」絵の話がかなり印象的。何かで読んだことがあるけど、アメリカが第二次世界大戦のときにディズニーアニメを捕虜に見せてアメリカの力を示していた、という話とちょっと似ているなと思った。 私自身もかわいいものや人が大好きで、「可愛いは正義」という言葉を使うことがある。ああ、これっ...続きを読むて怖いな、って少し私の可愛い神話が揺らいだ。
「カワイイ」、「KAWAII」が日本、世界を問わず飛び回っている。そんなかわいいに注目したのが今回の本だ。かわいいだけで1冊の新書にするとは、寝ても覚めても頭の中からかわいいが離れなかったに違いない。 メディアの中の「かわいい」では、メディアに注目して「かわいい」について述べている。メディアが説...続きを読むくかわいいについて著者は以下のように述べている。「幸福感であり、消費主義であり、生理的年齢に対する精神の勝利である。また手の届くところに置かれた祝祭であり、選ばれてある私を巡る秘密めいた快楽である」。かわいいも1つの消費を喚起するために装置なのかとふと思った。かわいいがこれほどもてはやされるのはどうしてなのかな。永遠に大人になりたくない深層心理を表しているのか、癒しを求めているのかよく分からない。 意外に思ったのがハローキティに関するとらえ方だ。著者は、アメリカのある女性パフォーマーが、ハローキティ―に口がないことを「アジアの男性優越主義で、女性に対して黙ることを強要しているという主旨の告発をしたという研究者の報告(ケン・べルソン、ブライアン・ブレムナー著、酒井泰介訳 「巨額を稼ぎ出すハローキティ―の生態」東洋経済新報社、2004)を引用している。人の見方は多様だな。 「かわいい」に対するぴったりした英語やフランス語はないようだ。そもそも日本で使っている意味でのかわいいという使い方で、向こうの人たちは使っていないから無理もない。 アジアや、中東、中南米、アフリカではカワイイはどう思われているか気になった。誰か研究している人はいないかなと思った。
結構おもしろかった。 ってか、不用意にかわいいっていうのやめる。 ネコを見ても、服を見ても、「いつここ」も。 バカみたいですから。 日本人に特有の「かわいい」という概念に対し、ポケモン、MD、ミニチュア、おばあちゃん、などあらゆるものを分析した。 また、それをいう対象について、中高大の男...続きを読む女から、秋葉原~池袋~夜の新宿の人たちまで分析した。 「かわいい」っていうことに対する目線がいいなと思った。
「かわいい」は今や日本のサブカルチャーとして確立された言葉だ。「かわいい」とは何だろう。世界の「かわいい」と「かわいい」を取り巻く日本の状況や経済、女性誌やオタクカルチャーから読み解く。「かわいい」ものが好きな女性のひとりとして、とてもおもしろく読みました。まさかイタリアでセーラームーンが放送されて...続きを読むいたとは。
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