作品一覧

  • 倫理学原論 ――直感的善悪と学問の憂鬱なすれちがい
    3.0
    本書は、倫理学を学びたい人、社会の多様な出来事に倫理的問題を見出だそうとする人に向けて、倫理的諸問題と倫理学の関係を斜めに解き明かし、倫理学の全体像を描き出す。まず倫理・倫理学とは何かを整理し、倫理学という学問の日本における受容史を解説。さらに、倫理学のもつ根本問題――倫理の実践はどうあるべきか、真の善を目的とした行動に人々を駆り立ててよいのか――を根源から考察。学問としての倫理学が真に目指すべきものと、倫理学的観点の面白さとを伝える。
  • 死の病いと生の哲学
    4.0
    批評家ソンタグはこう言っていた。人は「健康な人の国」と「病気の人の国」のいずれかに属する、と。本書は哲学者自身がガンになった経験を通じて、「病気の人の国」の現実を見つめ、生と死について考察した記録である。死への恐怖はなぜ起きるのか。死に直面することでなぜ人は初めて根本的に懐疑し、真に思考するようになるのか。東西の哲学者たちによる病や死、老いについての考察も参照しつつ、「健康な人の国」の人々には見えない世界と人生の諸問題について深く問いなおす。
  • 現代思想講義 ──人間の終焉と近未来社会のゆくえ
    -
    1巻1,320円 (税込)
    「自由で平等な個人」という近代にあった理想。だが、明らかにそれは誤りである。ポピュリズムが跋扈するポスト・トゥルースの現代は、「群れ」社会への転換をすでに遂げている。その転換も昨今急激に生じたのではない。現代思想で論じられてきたその社会の変容を、順に「人間」「国家」「意識」「政治」「道徳」「思考」の六つの主題について解き明かしていく。AIで人間が不要になる、といった皮相な議論よりもはるかに深い次元で人間の終焉を考察し、混迷する人類文明の行く末と、これからの生き方について講義する。
  • 現代思想史入門
    -
    1巻1,320円 (税込)
    二〇世紀のイデオロギー対立は終焉したが、新たな思想・哲学が出現していないように見える。近代のしがらみを捨てて、いま一度、現代思想の諸地層をもっとつぶさに見ていこう。そこに新たな思考が芽生えるきっかけが見つかりそうだ。生命、精神、歴史、情報、暴力の五つの層において現代思想をとらえ、それぞれ一九世紀後半あたりを出発点として、五度にわたってさらいなおす。現代思想の意義を探りつつ、その全体像を俯瞰する、初学者にもわかりやすい新しいタイプの入門書。
  • メルロ=ポンティ入門
    4.4
    われわれはこの世界に生きており、現代の歴史に属している。それにしては、そのことがぴんとこない。世界や歴史と無関係に、ささやかな人生がここにある。だからといってとるに足らないことなど何一つなく、ものごとを考えて決断する時には、歴史の論理の中を、同じ世界の他者たちとともに生きる。現実的とはどういうことで、真実を語るとはどのような意味か。メルロ=ポンティ哲学をひもときながら、われわれのもとに到来する出来事を真剣に取扱う姿勢について考える入門書。

ユーザーレビュー

  • メルロ=ポンティ入門

    購入済み

    コースで言うところの前菜

    入門書としてはあまり評価できない、というのが第一印象であろう。
    これは著者のエッセイである。いつまで経ってもメルロ=ポンティについての解説や解釈などは登場せず、著者の実体験に基づいた様々な「出来事」を淡々と記述し、その支えのためにメルロ=ポンティがたびたび顔を出す。
    だから入門書としてはあまりお勧めできない、と言うのが正直な意見である。
    だが、メルロ=ポンティの思想を「コース」と例えるなら、この書物は非常に上品な「前菜」だと言えるであろう。
    食欲を刺激させられ、まるでこれからくるスープやメインを取りたくなるかのような、そんな書物。
    そうしてはたと気付かされるのだ。
    そうだ「学問」と

    0
    2022年01月19日
  • メルロ=ポンティ入門

    Posted by ブクログ

    読み終えました。
    次は、『知覚の現象学』です。
    (2015年09月18日)

    2回目です。
    2007年2月12日に、一度、読んでいます。
    (2015年09月02日)

    0
    2015年09月18日
  • メルロ=ポンティ入門

    Posted by ブクログ

    メルロ=ポンティの入門書のはずですが、著者もあとがきで認めている通りにメルロ=ポンティの考えと著者の考えとが混在してしまっていて、メルロ=ポンティの思想を系統立てて理解するのには分かりにくくなっています。しかし、「なぜ、そういう問いを立てるのか」という観点から哲学的な諸問題を論じているので、それはそれで面白いと思います。ただ、本書を購入する人間の動機を考えると、もうちょっと親切であってもいいかなという気はします。むしろメルロ=ポンティの思想をある程度理解している読者向けか。

    0
    2011年11月14日
  • メルロ=ポンティ入門

    Posted by ブクログ

    メルロ=ポンティの解説ではなく、根源的な「問い」に対して、メルロ=ポンティとともに考察していく、という体裁。哲学とは根源に向かい、そこから生きる力を得ていくものであることを実感した。書名と内容の乖離はあるが、内容的には非常に良書。

    以下、気になった記述
    ・人生に意味はない。なぜなら、意味というのは人生の中にあるものであって、人生そのものについて語れるような概念ではないからである。
    ・「われわれは意味の刑に処せられている」
    ・正義の味方がパロディにされた原因に、TVという傍観者的なメディアの存在が考えられる。
    ・TVは、それを見ている多数者を思い出させるような独特のコミュニケーションをしてくる

    0
    2017年10月08日
  • 死の病いと生の哲学

    Posted by ブクログ

    手堅い文章を書く船木亨さんが、かなり砕けたモノローグ風の文章を書いていて新鮮でした。ご自身の体験などをもとにしています。死の病いと生は、新型コロナの時代においてよくよく顧みられなければならないテーマだと思います。ぜひご一読を。

    0
    2020年08月11日

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