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Posted by ブクログ
人間はしょせんDNAから生成されているのでプログラミングで突き詰めていけば、人工知能は再現できるのではないか?と考えていたが、この本で、そんなに単純なことではないということが学べ、めちゃくちゃ参考になった。でも、弟と議論すると、それじゃできない理由としては弱いのでは?と納得させられなかったのが非常に悔しい。
脳がプログラムで再現できない理由は以下である。
①ただの物質である脳から、どうして自意識が生まれるのか、については解明できていない。また、それは機能主義的なアプローチでは生まれない。
②優しい問題(青があおだということ)と難しい問題(あなたが感じている青と私が感じている青とは本当に同じなのか)について認知のレベルを頻繁に変えながらコミュニケーションをとるはプログラムでの再現は難しい
③人間は客観的情報と主観的情報から行動する。チェスで人間に勝てるプログラムは作れても、勝利したことで喜びを感じるプログラムはどう定義するのか?そもそも定義できるのか?
④プログラムでのデータの保持の仕方は固定だが、脳のデータの保持の仕方は環境からのフィードバックを受け、絶えず生成されることで保持されるため、データの同一性が担保できないから。
Posted by ブクログ
異色の脳科学者である著者が、意識とは何かという問題を解決するための糸口を示そうとしています。
著者は、チャルマーズにならって、「やさしい問題」と「むずかしい問題」を区別しています。本書での「やさしい問題」とは、クオリアなどの問題を、脳生理学であれ社会学であれ機能主義的な観点から説明することで解決できるものです。他方「むずかしい問題」では、たとえば現象学のような立場から、クオリアや「私」の固有性を突き詰めていくことが求められます。
その上で著者は、「やさしい問題」と「むずかしい問題」を切り離すことなく、両者のつながりを見いだすことをめざします。著者は、ミラー・ニューロンの発見や他者理解における「心の理論」の重要性などに触れながら、私たちがさまざまな場面で「ふり」をする能力を駆使していることを明らかにします。そして、「むずかしい問題」として立ち現われてくるさまざまなクオリアを「やさしい問題」として処理することで私たちの社会生活が成り立っているのは、この「ふり」をする能力と関係しているのではないかという見通しが示されています。
さらに、私たちの脳の中の電気的な布置状態は、一瞬たりともとどまることなくダイナミックに変容しつつあることに触れ、そのような脳のあり方にも関わらず、「私」が「私」であることや、「あるもの」が「あるもの」であることといった種々の「固有性」が成り立っていることが説明されなければならないと主張しています。そしてこのことが、「やさしい問題」が成り立つための前提だと論じられています。
著者の「クオリア」という言葉の使い方に若干違和感を覚えるところがありますが、おおむね興味深く読みました。
Posted by ブクログ
[ 内容 ]
太陽の輝き、朝のコーヒーの香り、小鳥のさえずり…私たちの意識は鮮やかな質感(クオリア)に満ち満ちている。
物質である脳が、心の中に、そうしたユニークな感覚を生み出すのはなぜか?
そして、すべてを感じる存在としての「私」とは何ものなのか?
人類に残されたこの究極の謎を解きほぐす鍵は、他者との関係性の中でダイナミックに変化する脳のはたらきにある。
既存の科学的アプローチが解明できずにきた難問に新境地を展開する画期的論考。
[ 目次 ]
1 心と脳のミステリー―クオリアと同一性(「私」の心をめぐる問題 「あるもの」が「あるもの」であること 「同じこと」と「違うこと」)
2 「私」というダイナミズム―コミュニケーションと生成(やさしい問題とむずかしい問題 「ふり」をする能力 コミュニケーションから生まれるもの)
3 意識を生み出す能―「私」とクオリアの起源(「私」の生成とクオリアの生成 意識はどのように生まれるか 生成としての個を生きる)
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