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Posted by ブクログ
ちくま文庫版シェイクスピア全集第10巻。商業都市ヴェニスと架空の都市ベルモントを舞台に金と愛の取引を描く。
短いにも関わらず、いくつもの要素が混みいった構成になっていて、非常に密度が高い。商人のアントーニオが窮地に陥る「人肉裁判」がメインに思えるが、シャイロックを通してユダヤ教徒とキリスト教徒の関係性の問題が描かれていたり、「金銀銅の箱選び」や指輪のやり取りで結婚や夫婦関係の問題を扱っていたりなど、奥が深くて一読では消化不良となった。裁判の痛快さと喜劇の余韻を味わったあとは、何度も読み込んだり、他の解説や考察などに触れて思索を必要とする作品だと思う。しかしこの奥さんはちょっと恐いかもなぁ(汗)。
Posted by ブクログ
さすがにシェイクスピア作品だけあって、非常におもしろかった。とくに「人肉裁判」の場面は白眉で、こういうロジックがあるのかと関心すらさせられた。しかし、いっぽうでたんなる喜劇としてみれない部分があることも事実である。シャイロックが一転窮地に追い込まれるシーンは、たしかに快哉を叫びたくなるし、実際舞台で観たら痛快このうえないと思う。しかし、人種差別的な要素も含まれており、シャイロックに対する同情の余地もすくなくない。たんなる喜劇とは違った深みがあり、そこもまたやはりシェイクスピアが書いた作品なのだと感じさせられる。喜劇をたんなる喜劇にしないところが、文学の文学たる所以なのだろう。
Posted by ブクログ
シェイクスピア全集 (10) ヴェニスの商人
(和書)2009年04月16日 19:11
2002 筑摩書房 W. シェイクスピア, William Shakespeare, 松岡 和子
学者としての翻訳、原文の性的表現の指摘などいろいろ註があって参考にはなります。詩的霊感としての表現についてもうちょっと追求したら面白いのになと思った。
一切の諸関係をくつがえそうとする姿勢がここにもみられる。シェイクスピアの世界性・普遍性・世界市民という認識がここにも良く現れている。ここがなければ元になった作品と同じ道を歩むだろう。
彼の作品が今でも読まれるのはこの為かもしれない。
岩井克人の「ベニスの商人の資本論」を読んだ。拓大で机の下に本を置き忘れたら学生課に届けられていた。いい奴もいる。
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