小説作品一覧
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3.7十六年前に謎の死を遂げた親友ミルドレッドの夫である医師アンドルー・モローと再婚したルシールは、一見平穏なその生活の裏側で、アンドルーを溺愛する義妹や自分から距離を置く継子たちとの関係に悩み続けていた。そんなある冬の日、謎めいた男がモロー家を訪れ、ルシール宛の小箱を渡して立ち去った。その箱を開いた後、彼女は何も言い残さず、行方をくらましてしまう。なぜ彼女は姿を消したのか。その箱の中身はいったい何だったのか。心理ミステリの巧手ミラーの初期を代表する傑作、待望の新訳で復活。/解説=春日武彦
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3.7第18回『このミステリーがすごい! 』大賞、U-NEXT・カンテレ賞受賞作! 私立百合ヶ原高校には奇妙な伝説がある。代々、ユリコという名を持つ生徒は「ユリコ様」として絶対的な権力を持ち、彼女に逆らう者には必ず不幸が訪れるという。ただしユリコ様になれるのは一人だけ。ユリコが複数人いた場合、彼女たちにも不幸が起こり、一人だけに淘汰される。図らずもユリコ様候補となった新入生・矢坂百合子は伝説を聞いて戸惑うが、才色兼備の親友・美月になだめられ、単なるオカルトと思い込もうとする。しかしその矢先、ユリコの名を持つ生徒が一人、屋上から転落死した。そして、それを契機としてユリコが次々と殺されていく――。誰が彼女たちを殺したのか、ユリコ様とは何なのか。学校の伝説を隠れ蓑にして、人々の悪意が、恐るべき殺戮劇を繰り広げる!
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3.7航空自衛隊の安濃将文三等空佐は、同期の泊里三等空佐ともども内閣府の遺骨収容対策室に出向中。実際は、内閣府に設立された小規模な諜報部門に配属され、CIAから情報提供を受け、シンガポールへ潜入捜査に入っていた。ここシンガポールで、映像解析技術の専門家である田丸という男から、アジア某国の軍事関係者へ、軍事転用出来る技術が渡っていたのだ。田丸と接触を試みた二人の新米工作員は、田丸が部屋で撃たれたとの連絡を受ける。さらに、東京にいる内閣府大臣政務官の能任からの電話で、インドからシンガポールに入った日本人ビジネスマンの保護要請を受けるが、その際に泊里が撃たれてしまう。そこに外為法違反捜査に経産省安全保障貿易検査官の高木摩子、田丸の取引相手の程、警察庁の神崎が現れて--。諜報員となった自衛官を主人公に、東アジアに繰り広げられる国際謀略を描く!
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3.7【レジェンドノベルス・エクステンド】 【電子書籍には特典として書き下ろしSSを収録】大学卒業を控え、進学も就職も選べなかった「私」こと楠田由宇子。あるきっかけから、「滴水古書堂」という古本屋でアルバイトを始めることになる。しかし、店主の古戸時久は謎めいた男。右半身にあたる部分がなぜか時折奇怪に蠢く、まさに「名状しがたい」動作をする男だった。さらに、店が取り扱う商品に漫画やベストセラーなどは一切なく、名前を聞いたこともない人物の全集や手記、書簡のほか、英語やラテン語、さらには謎の言語で題名が書かれた本など、普通の流通から弾き出されたような奇妙なものばかり。訪れる客ももちろん、少ない。しかし、物静かでトラブルのかけらもない店の空気に不思議な縁を感じた由宇子はこの店で働くことにしたのだった。 そんなある日、古戸を呼び出す一本の電話が店にかかってくる。なんでも、古戸の師匠のような老婆からの依頼だという。由宇子は古戸とともに鎌倉に向かうのだが、それは奇妙な事件のほんの小さな入り口に過ぎなかった。
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3.7妖怪に関する膨大な資料を蒐集する、長身色白、端正な顔立ちだがやせぎすの青年、絶対城阿頼耶。白のワイシャツに黒のネクタイ、黒の羽織をマントのように被る彼の元には、怪奇現象に悩む人々からの相談が後を絶たない。 季節は春、新入生で賑わうキャンパス。絶対城が根城にしている東勢大学文学部四号館四階、四十四番資料室を訪れる新入生の姿があった。彼女の名前は湯ノ山礼音。原因不明の怪奇現象に悩まされており、資料室の扉を叩いたのだ――。 四十四番資料室の妖怪博士・絶対城が紐解く伝奇ミステリ登場!
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3.7身に覚えのない罪を着せられてニューヨーク市警を追われたジョー・オリヴァー。十数年後、私立探偵となった彼は、警察官を射殺した罪で死刑を宣告された黒人ジャーナリストの無実を証明してほしいと依頼される。時を同じくして、彼自身の冤罪について、真相を告白する手紙が届いた。ふたつの事件を調べ始めたオリヴァーは、奇矯な元凶悪犯メルカルトを相棒としてニューヨークの暗部へとわけいっていくが……。心身ともに傷を負った彼は、正義をもって戦い続ける――。 アメリカ探偵作家クラブ賞最優秀長篇賞受賞作
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3.7少年探偵・狩野俊介が 次々に起こる難事件に立ち向かう! 父の行方を捜してほしい、石神探偵事務所に現れた中井田は切り出した。 依頼者の父は一代で財閥にまで成長させた会社経営を親族に譲った後、西巻村に移り住み仏像彫刻を始める。 二年前、莫大な資金を投じて巨大な釈迦涅槃像を作った直後、謎の失踪を遂げたのだ。 探偵・野上栄太郎と助手の狩野俊介は事件を洗い直すため現地へ赴く。 涅槃像は内部が刳り貫かれ、お堂と宿坊が造られていた。 完成披露で集まった中井田家の親族と同宿した晩、惨劇が起きた。 次々と襲われる親族たち。野上は犯人を目撃するが、その姿は…。 ※本作品は、「久遠堂事件」を加筆修正した新装版です。
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3.7明治二十三年、ミナこと皆川真次郎は西洋菓子店を開いた。店には、旧幕臣の「若様組」の面々や、女学校に通うお嬢様・沙羅が甘い菓子と安らぎを求めてやってきた。その少し前――。徳川の世であれば、「若殿様」と呼ばれていたはずの旧幕臣の子息・長瀬とその友人は、暮らしのために巡査になることを決意。今は芝愛宕の巡査教習所で訓練を受けていた。ピストル強盗の噂が絶えない物騒な昨今、教習所でも銃に絡む事件が起きた。若様組の他、薩摩出身者、直参で徳川について静岡に行った士族たち、商家の子息たち、さまざまな生徒に、何やら胡散臭い所長や教員を巻き込んで、犯人捜しが始まる。大好評『アイスクリン強し』の前日譚。
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3.7江戸は両国。暮れても提灯の明かりが灯る川沿いの茶屋は、夜も大賑わい。通りの向こうの見世物小屋では、人形遣いの芸人、月草の名が最近売れてきている。 なんでも、木偶の姫様人形、お華を相方に、一人二役の話芸を繰り広げるのだという。それも、話芸が目当てというより、お華に会いに来るお客が多いというのだ。 何故なら。“まことの華姫”は真実を語る―― 姉を殺したのは、実の父かもしれないと疑う、小屋一帯の地回り山越の娘・お夏。 六年前の大火事で幼な子を失い、諦めきれずに子ども捜しを続ける夫婦。 二年前に出奔したまま行方知れずの親友かつ義兄を探しにはるばる西国からやってきた若旦那。 そして明らかになる語り部・月草の意外な過去…… 心のなかに、やむにやまれぬ思いを抱えた人々は、今日も真実を求めてお華の語りに耳を澄ます。 しかし、それは必ずしも耳に心地よいものばかりとは限らなくて…… 快刀乱麻のたくみな謎解きで、江戸市井の人々の喜怒哀楽を描き出す、新たな畠中ワールド!
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3.7累計40万部突破! 「最後の医者」シリーズの著者が贈る<既刊発掘シリーズ>第1弾、新装版で登場! 衝撃のホラーサスペンス! コミカライズも決定! 【あらすじ】 <心が追い詰められて壊れた人に興味がありますか?> 人里離れた陸の孤島・石尾村。夏休みにデートで訪れた高校生・智樹たちは驚愕の事件に巻き込まれていく。武装した子供たちによる占拠、地下牢に監禁された大人たち。この村では一体何が起こっているのか? 真相に迫る鍵は古来より伝わる風土病? 村の壮絶な過去を知るとき、日本中が鬼の恐怖に侵される! 果たして智樹たちはこの村から脱出できるのか!? 大切な人を守るたった一つの嘘が巻き起こすホラーサスペンス! 【新装版】
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3.7事故物件から事故物件へと移り住み、事故履報告義務のない物件に変える棲師(すみし)を生業としている、霊能力者の亜嵐。 だが本当の姿は、生きた人間より幽霊の方がマシだという、ただの引きこもり。 今回依頼を受けて引っ越すことになったのは〈住むと不幸になる呪いのマンション〉と呼ばれていて、 しかも女性が自殺したマンションの一室。 このマンションに住んでいた人は不気味がり、怯え、とうとう皆出て行ってしまった。 そこにオッドアイの怪談師・ナイトが現れる。 明夜行われるトークライブでこの呪いのマンションの〈真実〉を語りたいので、真実探しの協力をしてほしいとのこと。 どうやら先日あった怪談ライブで、呪いのマンションの話をした怪談師が話し終えた途端、 血を吹いて倒れてしまうという怪奇現象が起きたのだという。しかも2人も――。 その理由は〈真実〉が語られていないからだと推測し、 2人は協力して真実を探しだそうとするが、ライブまでは残り34時間を切っていて……。 引きこもりの〈棲師〉×美形オッドアイの凸凹コンビが 怪奇現象の裏に隠された真実を浮かび上がらせていく!
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3.7第二次大戦以前、一代で巨万の富を築いた男・舞面彼面。戦後の財閥解体により、その富は露と消えたかに見えたが、彼はある遺言を残していた。 “箱を解き 石を解き 面を解け よきものが待っている――” 時を経て、叔父からその「遺言」の解読を依頼された彼面の曾孫に当たる青年・舞面真面。手がかりを求め、調査を始めた彼の前に、不意に謎の「面」をつけた少女が現われて――? 鬼才・野崎まど第2作となる伝記ミステリ、新装版!
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3.7新入社員の松尾は忘れ物で戻った夜の会社で、先輩社員の康子がパワハラ上司の不正証拠を探す場面に遭遇。そのまま巻き込まれる形で、片棒を担がされることになる。翌日、中野の劇場では松尾たちの会社がプロモーションする人気演出家の舞台が始まろうとしていた。その周辺では息子の嘘に悩むシングルマザーやチケットを手に劇場で同級生を待つ青年、開幕直前に届いた脅迫状など、それぞれ全く無関係の事件が同時多発的に起きていたが、松尾と康子の行動によってそれらは少しずつ繋がっていく、そして……。バラバラのピースが予測不能のラストを象る。いま、最も注目される作家芦沢央の驚愕・痛快ミステリ!
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3.7お姉ちゃん、恋人、私――究極の三角関係。 十代半ばで両親を失い、姉妹二人で生きてきた陽菜と元菜。美しい姉の陽菜は女優として活躍し、妹の元菜は付き人をつとめている。 姉の“影”として生きてきた元菜は、ロケ現場で野性的な風貌のカメラマン、生駒春也と出会い、それまで味わったことのないような感情を覚える。 生駒と神楽坂でデートをした元菜は、初めての恋に心が浮き立ちつつも、姉に隠しごとをしていることに後ろめたさを感じる。 そんな折、陽菜はキャスティングされていた役を降ろされる。「色気が足りない」と事務所の社長に指摘され、女優として瀬戸際に立たされた陽菜は、生放送の番組で写真家と交際していると宣言してしまう。 生駒と元菜の関係に気付いていた陽菜は、「元菜を愛しているなら、私と交際宣言をして」と生駒に無理難題を持ちかける。姉なしでは生きられない元菜の気持ちを尊重した生駒は、陽菜の要望を受け入れることに……。 深い絆で結ばれた姉妹の関係、そして元菜の恋の行方は――!? 『ぼくの守る星』の注目作家が究極の三角関係を描く、新しいカタチの恋愛小説。
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3.7第157回芥川賞受賞作。 大きな崩壊を前に、目に映るものは何か。 北緯39度。会社の出向で移り住んだ岩手の地で、 ただひとり心を許したのが、同僚の日浅だった。 ともに釣りをした日々に募る追憶と寂しさ。 いつしか疎遠になった男のもう一つの顔に、 「あの日」以後、触れることになるのだが……。 樹々と川の彩りの中に、崩壊の予兆と人知れぬ思いを繊細に描き出す。 芥川賞受賞作に、単行本未収録の「廃屋の眺め」(「文學界」2017年9月号・受賞後第一作)、「陶片」(「文學界」2019年1月号)を併録。 綾野剛・松田龍平主演で映画化(大友啓史監督)、2020年初頭に公開予定。 ※この電子書籍は2017月7月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.7犬や猫は人間の感情を察して寄り添ってくれるが、植物も同じ。植物にも感情や思考がある。そんな植物の力を知り抜いた男、花宮が主人をつとめる植物療法店には、今日も悩める人々がやってくる。 両親の勧めでお見合いをした相手とこのまま結婚していいのか躊躇う女性、継母が産んだ妹を「いなくなればいいのに」と嫌う七歳の少年……。 人生の岐路に立つ人々を、彩り豊かな香りを放つ植物が、正しい道へと導いてくれる。 心を癒やす、不思議な《迷える羊の森》に、ようこそ。
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3.7とある弁護士事務所に勤める花織は、先生に寄せられる依頼を盗み聞きしては、“おしゃべりする猫”のスコティと噂話に花を咲かせていた。ある日、愛らしく気高くちょっと生意気なスコティが、推理合戦を仕掛けてくる。「もしいま先生が殺されて、金庫の中身が盗まれたら、犯人は誰だと思う?」。金庫に入っているのは、5カラットのダイヤ、資産家の遺言書、失踪人の詫び状、12通の不渡り手形。怪しい依頼人たちを容疑者に、あれこれと妄想を膨らますふたり(1人と1匹)だったが、なぜか事件が本当に起きてしまい―。現実の事件と、謎解きに興じる“しゃべる猫”の真実は?ミステリ界注目の気鋭による、猫愛あふれる本格推理。 解説 我孫子武丸 帯推薦文 有栖川有栖
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3.714歳。わたしはカルト集団の一員(ファミリー)になった。愛され、殴られ、蹂躙された日々のはて、1969年、世紀の無差別殺人は起きた――。著者が初めて語る壮絶な自伝。 1967年、14歳のダイアンはチャールズ・マンソン率いる“ファミリー”の一員になった。セックスとドラッグが蔓延するLAでヒッピーになった両親に捨てられ、ようやく見つけた居場所だった。だがチャールズの微笑みは暴力的な支配に変わり、ファミリーは無差別殺人を犯すカルト集団へと変貌していく。一夜に女優シャロン・テートら5人を惨殺するまで――。事件から50年、初めて明かされる衝撃の内幕!
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3.7復讐のために、女は整形し、身分を変え、憎い男の妻となった……。人は復讐のために、どこまで非情になることができるのか? どれだけ身を焦がす日々に耐えることができるのか? 医者である英雄と一見、幸せな結婚生活を送る絵里。しかし彼女の本当の名前は咲花子といい、英雄が元夫を殺した証拠を探していた――。物語は一年半前に遡る。咲花子は刑事から当時の夫が転落死したこと、何件もの詐欺を働いていたことを知らされる。詐欺師の妻として彼女自身もマスコミに叩かれる中、夫殺しの容疑者だった英雄の不起訴が確定。希望を失った彼女は、自殺サイトで知り合った絵里という女性と自殺を試みるのだが……。『暗黒女子』『絶対正義』で話題の著者、慟哭の最新作を電子書籍化。
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3.72017年に没した著者が死の直前に脱稿した、26年ぶりの短篇集。『ジーザス・サン』の流れを汲みつつ、どん底から救済を夢見る人々の姿を通して、アメリカ的精神のゆくえを冷徹に見つめる5篇を収録。 「海の乙女の惜しみなさ」 広告代理店に長年勤務した60代前半のビル・ウィットマンの人生の瞬間をめぐる断片的な物語。老境に差しかかった語り手にのしかかる「老い」と「死」という主題が全体を貫く。 「首絞めボブ」 1967年、主人公はささいな非行により刑務所に収監される。そこで目にしたのは、無秩序の寸前で保たれている秩序、それぞれの受刑者が語る虚構すれすれの体験談だった。 「ドッペルゲンガー、ポルターガイスト」 詩人である大学教師ケヴィンが、才能豊かな教え子マークのエルヴィス・プレスリーに対する強迫観念を振り返る。マークはエルヴィスに関する陰謀説を証明しようとしていた。 「老い」と「死」という主題と、老いつつある「アメリカ」そのものを視野に入れた描写が、どの短篇にも色濃く現われている。生前、「現在においてもっとも影響力のある作家」と呼ばれた著者の集大成と呼ぶにふさわしい作品。
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3.7妖しくも美しき、スタイリッシュ伝奇アクション、ここに開幕! 美貌の青年、真継晴の周囲で繰り返し起きる悲惨な事故。 それは晴の祖父、座倉統十郎が持つ骨董品「匣」の相続を争う、親族たちの謀略だった。 命を狙われた晴の護衛として雇われたのは、横浜山手に店を構えるという、骨董品店「杠屋(あかなしや)」の面々。 彼らは、いわくつきの古道具「特殊骨董」の始末を請け負う特殊骨董処理業者であり、彼ら自身もまた特殊骨董の化身――付喪神なのだという。 呪われた「匣」の秘密と晴の過去を知るために、座倉家に乗りこんだ晴と杠屋の妖かしたち。 そこで彼らが出会った真実とは――?
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3.7本書は、「カッコいい」男、「カッコいい」女になるための具体的な指南書ではない。そうではなく、「カッコいい」という概念は、そもそも何なのかを知ることを目的としている。 「カッコいい」は、民主主義と資本主義とが組み合わされた世界で、動員と消費に巨大な力を発揮してきた。端的に言って、「カッコいい」とは何かがわからなければ、私たちは、20世紀後半の文化現象を理解することが出来ないのである。 誰もが、「カッコいい」とはどういうことなのかを、自明なほどによく知っている。 ところが、複数の人間で、それじゃあ何が、また誰が「カッコいい」のかと議論し出すと、容易には合意に至らず、時にはケンカにさえなってしまう。 一体、「カッコいい」とは、何なのか? 私は子供の頃から、いつ誰に教えられたというわけでもなく、「カッコいい」存在に憧れてきたし、その体験は、私の人格形成に多大な影響を及ぼしている。にも拘らず、このそもそもの問いに真正面から答えてくれる本には、残念ながら、これまで出会ったことがない。 そのことが、「私とは何か?」というアイデンティティを巡る問いに、一つの大きな穴を空けている。 更に、自分の問題として気になるというだけでなく、21世紀を迎えた私たちの社会は、この「カッコいい」という20世紀後半を支配した価値を明確に言語化できておらず、その可能性と問題が見極められていないが故に、一種の混乱と停滞に陥っているように見えるのである。 そんなわけで、私は、一見単純で、わかりきったことのようでありながら、極めて複雑なこの概念のために、本書を執筆することにした。これは、現代という時代を生きる人間を考える上でも、不可避の仕事と思われた。なぜなら、凡そ、「カッコいい」という価値観と無関係に生きている人間は、今日、一人もいないからである。 「カッコいい」について考えることは、即ち、いかに生きるべきかを考えることである。 ――「はじめに」より
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3.7小学5年の竜也は、自分より運動も勉強も苦手な友達の光平が、25メートルを泳げるようになって、読書感想文も早く終わらせたことに驚いていた。光平は、おばあちゃんからもらった日記を書くようになって、別人のように変わった。そこで竜也は、光平の「未来のことを過去のように書く」というのをまねして日記を始めた。最初は、「お年玉を2万円ゲットした」とか、「書き初めで『一念発起』と書いて提出した」など簡単な願いを書いて、6つの望みをすべてかなえた。そして、「運動会で、色組対抗の応援団長になった」と書いたら、ラッキーなことがあって実現した。ところが、「校内なわとび大会で三位内に入った」は、去年、得意のあやとびでも21位だった竜也には高すぎる目標だった……。努力して望みをかなえるなんてかっこ悪いと思っていた竜也が、友達の影響で少しずつ努力し、成長していく姿を描いた物語。『願いがかなうふしぎな日記』の続編。
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3.7小学生からの殺害予告に引きこもり人間からの告発――。 文通会社に届くワケありの手紙には、手紙で立ち向かえ! 「ねぇ、まめに手紙をくれてた人と急に音信不通になるって、どんな場合だと思う?」 叔母さんが突然切り出した質問にたじろぐ、17歳の岳彦。 叔母さんのむぅちゃんは秘密裏に、ILL(I love letter)という会員制の文通会社をやっている。 年会費を納めると、会員は自分のペースでILLの社員宛てに手紙を書いて出す。 毎日でも、ひと月に一度でも構わないが、姓と住所は本物を明記しなくてはならない。 子供の頃、せっせと叔母さんに手紙を書いていた岳彦はその腕を見込まれ、ILLの臨時スタッフとして雇われることに。 二年間、ずっとILLと文通していた水元さんに何があったのか。 岳彦は叔母さんに変わり、水元さんに手紙を書き始めるが……。 「ぼくはママをころそうと思います」――八歳の少年からの殺害予告や、「どうしても、あの恋文を見つけたい」――大女優からの無茶な依頼などなどの難問に、自分自身の言葉を便箋に書き連ねて向き合う岳彦。 メールや電話では伝わらない想いがある――。 温かくて切なくて、ちょっと怖い六つの物語。 ※この電子書籍は2016年10月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.7このラスト、予測不能。 衝撃の展開、底なしの邪悪…、人は平静ではいられなくなる。 ドイツ推理作家協会賞受賞『謝罪代行社』の鬼才が贈る衝撃の罠に誰もがハマる! 冬。ベルリン。闇に消えた子どもたち。ただ一人生還した少女…。凍てつく魂の闇を往く父親の彷徨。今と数年前の「時制」、わたし・彼ら・きみの「人称」、これらの錯綜が読み手を舞台へと引き込んでいく。迷宮の果てに待ち受ける驚天動地の真相とは! 【あらすじ】 雪の夜、ベルリン。13歳のルチアとその弟が何者かに誘拐された。2週間後保護された彼女はそれから6年間、謎の沈黙を守りつづけることになる――。一方、教師のミカはパブで4人の男たちと接触を持ち、仲間として加わることに成功する。それはずっと温めてきた計画の第一歩――ミカを衝き動かすのは、父親としての妄執にも似た狂おしい想いだけだった。予想を超える展開の果てに待ち受ける驚愕の真相とは? 黒々とした衝撃が胸を貫き、腹を震わせる傑作ミステリー登場! (解説・酒井貞道)
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3.7盲目の祖父は、家中を歩いて考えつく限りの点と点を結び、その間の距離を測っては僕に記録させた。足音と歩数のつぶやきが一つに溶け合い、音楽のようになって耳に届いてくる。それはどこか果てしもない遠くから響いてくるかのようなひたむきな響きがあった――グレン・グールドにインスパイアされた短篇をはじめ、パトリシア・ハイスミス、エリザベス・テイラー、ローベルト・ヴァルザー等、かつて確かにこの世にあった人や事に端を発し、その記憶、手触り、痕跡を珠玉の物語に結晶化させた全十篇。硬質でフェティッシュな筆致で現実と虚構のあわいを描き、静かな人生に突然訪れる破調の予感を見事にとらえた、物語の名手のかなでる10の変奏曲。
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3.7忘れても忘れても、ふたりの世界は失われない。 映画化決定(主演・太賀、衛藤美彩)、本屋大賞受賞作家の瑞々しいデビュー作。 行助は美味しいたいやき屋を一人で経営するこよみと出会い、親しくなる。 ある朝、こよみは交通事故の巻き添えとなり、三ヵ月後、意識を取り戻すと新しい記憶を留めておけなくなっていた。 忘れても忘れても、二人の世界は少しずつ重なりゆく。 文學界新人賞佳作に選ばれた瑞々しデビュー作。 *文庫版には「日をつなぐ」(角川文庫『コイノカオリ』収録)も併録しました。 解説・辻原登 ※この電子書籍は2016年12月に文藝春秋より刊行された単行本の文庫版を底本としています。
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3.7エルトゥールル号遭難に着想を得た海洋小説。 和歌山県串本町のダイビングショップでガイドとして働く高畑水輝。そのもとを偶然訪れたトルコ人青年ギュスカン。彼の目的はいまから125年前、祖先ムスタファを乗せた軍艦「エルトゥールル号」の遭難現場に潜り、「あるもの」を捜すことにあった。バディとして潜る水輝が一瞬目を離した隙に突然視界から消えたギュスカン・・・。1世紀の時を経て、日本とトルコの時空を超えて絡み合うふたりの宿命。それは偶然なのか、必然なのか。1890年に起きた「エルトゥールル号遭難事故」に着想を得て、書き下ろした生命の根源を問う渾身の長編海洋小説。待望の文庫化。「生と死が交錯するスリリングな物語」 (朝宮運河氏「解説」より) <エルトゥールル号の遭難事故とは> 1890年9月、オスマン帝国の親善訪日使節団を乗せた軍艦「エルトゥールル号」は帰国の途中、和歌山県串本沖で台風に遭遇、遭難し、500名を超える犠牲者を出した。この未曾有の大惨事の中、地元住民たちの献身的な救助活動により、69名の乗組員が奇跡的に母国トルコに生還した。
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3.7桜宮市に新設された未来医学探究センター。日比野涼子はこの施設で、世界初の「コールドスリープ」技術により人工的な眠りについた少年の生命維持業務を担当している。少年・佐々木アツシは両眼失明の危機にあったが、特効薬の認可を待つために5年間の“凍眠”を選んだのだ。だが少年が目覚める際に重大な問題が発生することに気づいた涼子は、彼を守るための戦いを開始する。人間の尊厳と倫理を問う、最先端医療ミステリ! ★豪華電子版特典付き! 【電子書籍・共通あとがき】 【著作解説】電子版あとがき『モルフェウスの領域』 【関連小文】1 「自作解説」 初出『ジェネラル・ルージュの伝説』 【関連小文】2 「はるかなる南アフリカ 前編 危険なヨハネスブルグとクルーガー国立公園」 【関連小文】3 「はるかなる南アフリカ 中編 来た、見た、負けた、ダーバン・ナイト」 【関連小文】4 「はるかなる南アフリカ 後編 麗しのケープタウン」 付録1【海堂尊・全著作リスト】 付録2【作品相関図】 付録3【桜宮年表】 付録4【「桜宮サーガ」年代順リスト】 付録5【「桜宮サーガ」構造】 付録6【「海堂ラボ」登場人物リスト】 付録7【関連小文索引】
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