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読後、きっとこの笑顔に涙する。
「ゆずのお母さんたちってドラマチックじゃん。この世知辛い東京で、一つの土地に、四人姉妹がそれぞれ家を建てて住んでたんだよ?」。幼馴染みの稲葉亜子に問われ、そんな大げさなと返す信濃ゆず。
漫画家の亜子は最近仕事に行き詰まっており、ゆずの母と三人の伯母たちの話を聞きたいらしい。すると、二人のそばにいた老女がにっこり笑い、ゆっくりと四姉妹の過去を語りだし――。
父の失踪、巨額の借金、仕事と結婚、そして老い。人生はままならないが、四姉妹はいつも笑っていた。七十年以上の時をこえ描かれる家族の物語に涙が止まらない、著者渾身の感動作。
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Posted by ブクログ
昭和、平成、令和を生きた四姉妹の物語。
長女の桜子。裁縫上手のしっかり者。空襲で足に大きなけがを負う。
次女の梅乃。お洒落でお酒好きの働き者。独身を謳歌する。
三女の桃音。不器用なほど真面目。失踪した父を忘れられないでいる。
四女の季花。歌が好き。明るい性格。
父が突然失踪し巨額の借金が発覚して姉妹の生活が一変してしまう。
仕事や結婚、そして老いを迎えるまで、姉妹それぞれの人生が描かれています。
大人になってから同じ場所にそれぞれ一軒家を建てて暮らしはじめる。
近くにいても分からない事はあるものだと実感した。
それから、時代が変わっても人間の最後は不変であるとも思った。
四姉妹の思いは子どもや孫に繋がっていて心が温かくなった。
Posted by ブクログ
『ドラマチックじゃない人生なんてない!』
四姉妹それぞれの視点で紡がれる物語。
視点が変わるたび、互いへの思いと抱える葛藤の落差が立体的に浮かび上がり、どんどん引き込まれていった。
父の借金を返し続ける徒労感を「空中に虚しく釘を打ち込んでいるのも同然」と表現する絶望もあれば、プロポーズの「もう宙ぶらりんにはさせない」というセリフから『蜘蛛の糸』の罪人を連想してしまうコミカルさもある。
重い現実と可笑しみが同居する、この作家さんの描く世界観が本当に面白い。
「父親と母親と子どもがいる」という、いわゆる普通の家庭を知らず、幸せの形を掴めずに模索する姉妹。同じ土地に四つの家で暮らす、羨ましくも少し面倒くさい絶妙な距離感。
写真は、失われた脳細胞の代わりになるが
たとえ老いや病で記憶を無くしても、脳細胞が失われても、胸の奥に刻まれた大切な記憶や温もりだけは絶対に消えない。だからこそ、バニラアイスとバナナのエピソードには心から泣けた。あの味覚と温もりこそが、消えない記憶そのものだったのだと思う。
人が生まれて、やがて死んでいく。そんな命の理を見せられた。
確かにそこに居て、周りの人に少なからず影響を与えた。それだけで、その人の人生は間違いなく幸せなのだ。世間的な大偉業などなくても、ドラマチックじゃない人生なんてない。
読後、自分自身の人生も、身近な大切な人たちの生きてきた時間も、愛おしく抱きしめたくなるような。
そんな作品だった。
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